中国共産軍の台湾侵攻三段階シナリオが露見? 葉忠が警告:米軍が介入放棄の可能性

2025-06-10 15:17
中華戦略前瞻協会の研究員である葉忠は、台湾海峡戦争において中共は米軍の介入を必然と見なしていると述べる。(資料写真、顏麟宇撮影)

近年、台湾海峡の関係が緊張し、中国人民解放軍は頻繁に台湾周辺で軍事演習を行っている。解放軍の資料によれば、台湾への武力攻撃の作戦形態は、主に「統合作戦封鎖」「統合作戦火力打撃」「統合作戦島上進攻」の3つに分類され、補助的な作戦形式としては、「統合特殊作戦」と「沿岸地域防衛の統合作戦」が全過程で実施される。また、「情報戦の統合作戦」と「介入阻止の統合作戦」も含まれる。これについて、中華戦略前瞻協会の研究員である揭仲氏がネット番組「論政天下」の中で、中国共産党は米軍の介入を必然と見なし、武力犯台の初期段階で国軍の統合作戦指揮系統を麻痺させ、米軍が介入を断念することを望んでいると述べた。

揭仲氏によれば、中共軍官は台湾への武力攻撃問題を議論する際、武力による攻撃がいったん発動されれば、そのコストは非常に大きく、沈没コストに近い性質のものが多く、多くのコストは途中で中止しても減少しないと強調している。いったん決定すればそのコストは必然的に発生し、中共の2049年までに世界一流の強国になる国家目標が達成できなくなる可能性がある。そのため、中共は台湾への武力攻撃は最後の手段であり、軽率に発動すべきではないと強調する。一度発動したら台湾問題を完全に解決しなければならず、完全に解決するためには台湾全土を軍事占領する必要があるとされる。中共軍は台湾への武力攻撃作戦を議論する際、米軍の介入を必然と見なしている。米軍の介入には政治的な操作が必要だという前提があるが、いったん介入すれば戦争の結果に影響を与えるまでには時間がかかるため、解放軍は米軍の介入が影響を及ぼす前に、台湾で絶対的に有利な態勢を作り出し、米軍がこの時点での介入は必要ないと判断することを望んでいる。 (関連記事: 【独占】朱立倫氏に党内から「反旗」 国民党主席選の延期巡り内部対立激化か 関連記事をもっと読む

揭仲氏は、所謂絶対有利な態勢とは、武力犯台作戦が始まる数日前に、国軍の統合作戦指揮系統を麻痺させ、国軍が全島で調和のとれた組織的な抵抗を行えないようにし、各地の国軍がそれぞれの戦いを行うことを意味すると言う。中国軍は米軍の関与の限界を、米軍が台湾島に地上部隊を派遣して中共軍と直接交戦することはなく、海軍が台湾海峡周辺に派遣されるだけと見ている。現時点での米軍のやり方では、西太平洋で中共軍と交戦する際、まず海兵隊の特別部隊を派遣して第一列島線を占領し、フィリピン内で選定された島々を含め、これらの島々に海兵隊の護衛の下で機動的な防空ミサイルと対艦ミサイルを配備し、中共軍の海空軍部隊を第一列島線の各島嶼の周辺に拘束し、米軍の主力が第一列島線から約400〜500キロ離れた場所で遠距離の精密兵器を用いて中共軍の海空軍部隊を消耗させることを目的としている。これが近年、米国が台湾に持久戦力、予備戦力の強化と耐性を求めている理由であり、米軍の作戦構想の変化に基づいている。共産党軍はもし数日以内に各地の国軍をそれぞれの戦いに引き入れることができれば、米軍は介入を諦める可能性があり、もしこの段階で米軍が情勢を変えることを望むなら、第一列島線に接近し、地上部隊を台湾に派遣して共産党軍と直接交戦することになる。