アップル、Siri刷新へグーグルGemini導入か AI戦略転換、iPhone 11対応も視野

2026-06-10 13:39
(画像/アップル公式サイト提供)
(画像/アップル公式サイト提供)

今年の米アップル(Apple)の世界開発者会議(WWDC)は、同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)が退任前に臨む最後の基調講演となった。この歴史的な節目において、アップルは保守的な姿勢を避け、野心的かつ「勝てなければ手を組む」という現実的なAI(人工知能)戦略を打ち出した。かつての競合である米グーグル(Google)との歴史的提携を通じ、生成AIモデル「Gemini(ジェミニ)」を自社のエコシステムに導入し、音声アシスタント「Siri」の抜本的な進化を図る。

勝てなければ手を組む 競合グーグル「Gemini」との提携

​これまでアップルは、生成AIの開発競争において後れを取っていると見なされてきた。2024年の「iPhone 16」発売時には、目玉機能である「Apple Intelligence(アップル・インテリジェンス)」の機能がすべて揃わなかったことで消費者の不満を招き、最近では集団訴訟の和解金として最大2億5000万ドルを支払うことに合意している。2年間の開発期間を経て、アップルは最終的に完全な自社開発路線を放棄し、SiriをAI検索の配信プラットフォームへと転換する道を選んだ。端的に言えば、GeminiモデルをApple Intelligenceと進化版の「Siri AI」にシームレスに統合することである。

アップルにとって、これは現実的な機能補強である。一方でグーグルにとっても、自社のAIの影響力を世界で10億台稼働するiOSデバイスに組み込む最適な近道となる。ただし、アップルが公式に発表した『Apple Intelligence Foundation Language Models: Tech Report 2025』によると、同社は約30億パラメータの端末(オンデバイス)向けモデルと、PT-MoE(Parallel Track Mixture of Experts)アーキテクチャに基づくサーバー向けモデルを構築している。巨大なモデルをスマートフォン上でスムーズに稼働させるため、先進的な2ビット量子化認識学習(QAT)と、適応型スケーラブルテクスチャ圧縮(ASTC)技術を採用していることが明らかになった。

これは、アップルが自社開発の陣地を完全に放棄したわけではなく、「端末側の独自小規模モデル」と「クラウド側のハイブリッド大規模モデル」を組み合わせたデュアルトラック型のAI体制を構築したことを意味する。 (関連記事: アップル、Siri強化へ向けグーグルAI導入を検討 年間約10億ドル支払いで最終協議 関連記事をもっと読む

Siri AIの抜本的進化

​Geminiの計算能力を背景に、Siriは誕生以来最大規模の刷新を迎えた。もはや受動的に質問に答えるだけの音声機能ではなく、永続的な記憶力、個人の文脈理解、そして「画面認識」能力を備えたマルチモーダルアシスタントへと変貌を遂げた。最新の「iOS 27」では、Siriの起動インターフェースに工夫が凝らされている。米メディア『スタティック・メディア(Static Media)』は、ユーザーがSiriを呼び出すと、iPhone上部の「ダイナミックアイランド」にアニメーションの吹き出しが浮かび上がり、Siriが音声を認識していることを示すと報じた。さらに画期的なのは、アプリ間(クロスアプリ)での実行能力だ。例えば、ユーザーが画面上で友人から送られた新しい住所を見た際、Siri AIは自動的に過去の対話履歴を読み込み、直接ナビゲーションに住所をインポートしてルートを案内できる。

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