台湾の国際的な活動空間が狭まる中、台湾中部・台中市の盧秀燕(ろ・しゅうえん)市長の海外訪問に政界の関心が集まっている。盧氏は6日、訪問団を率いて欧州へ出発し、10日間の日程でドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国を歴訪する予定だ。
盧氏は3月末に米国訪問を終えたばかりで、当時も高規格の接遇を受けたとされる。米国訪問からわずか2カ月余りで今度は欧州を訪問することになり、台湾では2028年総統選を視野に入れた欧米側の接近ではないかとの見方も出ている。頼清徳総統でさえ外遊に制約を受ける中、地方首長である盧氏の相次ぐ海外訪問は、台湾政界に波紋を広げている。
訪米に続く欧州歴訪 台中市政府は交流拡大を強調
台中市政府によると、今回の訪欧は「民主主義の友人への表敬訪問」「台湾に友好的な都市の訪問」「国際市場の開拓」という3つの主軸を掲げている。台中と欧州各界との交流をさらに深めるとともに、地元企業の海外市場展開を支援する狙いがあるという。
国家元首である頼氏でさえ自由な外遊が困難な中、なぜ盧氏は立て続けに海外訪問を実現できるのか。外交・政治問題に詳しい学者は、3月の訪米では米国側の有力な政治関係者が日程調整に関与したと指摘する。
その結果、盧氏は外交問題評議会(CFR)やワシントンのシンクタンク、米国在台協会(AIT)ワシントン本部を訪問し、イングリッド・D・ラーソン氏、レイモンド・バーグハート氏、リチャード・ブッシュ氏、ボニー・グレイザー氏ら有力者を前に発言や講演を行った。
また、米議会下院の台湾議連の共同議長を務めるマリオ・ディアスバラート氏とともに、米連邦議会議事堂のドームを背景に記念撮影を行ったことも注目された。台湾の地方首長としては異例の場面だったと受け止められている。
ドイツ親台湾派議員の台中訪問 訪欧との関連にも注目
今回の訪欧をめぐっても、事前の動きが注目されている。5月28日には、ドイツ連邦議会の親台湾派グループ座長を務めるティル・シュテフェン氏が訪問団を率いて台中市政府を訪れ、ドイツ在台協会のカーステン・ティーツ処長も同席した。
その際、盧氏は唐代の詩人・王勃の詩「海内存知己、天涯若比隣(海内に知己存すれば、天涯も比隣の若し)」を引用し、「台湾とドイツは地理的に遠く離れているものの、ともに民主主義の理念を重視している」と強調した。盧氏は、ドイツ連邦議会の親台湾派グループが長年にわたって台湾を支持してきたことに、深い感謝を表明した。
こうした一連の動きは、今回の訪欧と呼応しているとの見方もあり、背後に入念な事前準備があったことをうかがわせる。
蔡英文前総統との接点も 「前総統級の接遇」との見方
同学者は、シュテフェン氏がどのような人物であるかにも注目している。蔡英文前総統が2025年11月にドイツを訪問した際、接遇したのがシュテフェン氏だったためだ。
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そのシュテフェン氏が今回、わざわざ台中に赴き盧氏を表敬訪問したことについて、欧米政界が盧氏を蔡英文前総統に準じる政治家として扱っているとの見方も出ている。こうした流れから、盧氏の訪欧は「蔡英文前総統級の接遇」と見る向きもある。












































