台湾電力にサイバー攻撃1日3万回 ペロシ氏訪台時は3日で300万回

2026-06-08 17:53
台湾電力の副総経理兼CDO、呉進忠氏は、同社の電力システムが1日平均3万回のサイバー攻撃を受けていると明らかにした。(資料写真/柯承恵撮影)
台湾電力の副総経理兼CDO、呉進忠氏は、同社の電力システムが1日平均3万回のサイバー攻撃を受けていると明らかにした。(資料写真/柯承恵撮影)

公営電力会社、台湾電力(台電)の副総経理(副社長)兼最高デジタル責任者(CDO)を務める呉進忠氏はこのほど、台湾の重要インフラの一つである電力システムに対し、1日当たり平均3万回のサイバー攻撃が行われていると明らかにした。特殊な状況下ではその数が数百万回に達することもあり、これは国家全体の強靭性(レジリエンス)における電力システムの重要性を浮き彫りにするだけでなく、平時においてもサイバー攻撃がいかに頻繁に行われているかを示している。

また呉氏は、台湾全土の電力システムにおける情報セキュリティを確保するため、台湾電力は数位発展部(デジタル発展部、日本のデジタル庁に相当)傘下の資通安全署(サイバーセキュリティ署)や国家資通安全研究院(NICS)と緊密に連携していると説明。さらに「外部からの援軍」として、国防部のサイバー・電子戦部隊、資通電軍指揮部(ICEFCOM)のほか、英国や米国からも多大な支援を受けていると指摘した。

台湾電力副総経理の呉進忠氏(右)。2026年6月6日、国家科学及技術委員会(国科会)のシンクタンクDSETが主催する年次国際フォーラムに出席し、台湾のエネルギー・レジリエンスについて議論した。(DSET提供)
台湾電力の呉進忠副総経理(右)は6日、国家科学及技術委員会(国科会)のシンクタンク、DSET主催の国際フォーラムに出席し、台湾のエネルギー・レジリエンスについての議論に加わった。(DSET提供)

国家科学及技術委員会(国科会)のシンクタンク、科技・民主及社会研究中心(DSET)は、6日に年次フォーラム「サプライチェーン・レジリエンス戦略国際サミット」を開催。国際的な専門家や台湾の産官学の代表者が招かれ、半導体、人工知能(AI)、ロボット工学、エネルギー安全保障、および無人機(ドローン)産業における「非レッドサプライチェーン(中国を排除した供給網)」などのテーマを巡り、台湾と各国の協力について議論が交わされた。

呉氏は、当初出席を予定していた台湾電力の曽文生董事長(会長)の代理として、「台湾エネルギー・レジリエンス対話」セッションに登壇。サイバー攻撃の現状に関する会場からの質問を受けて、台湾電力が日常的に受けているサイバー攻撃は、平均して1日3万回に上ると説明。さらに、重要な問題や比較的敏感な問題が発生した際に、その数はさらに跳ね上がると指摘し、3年ほど前、ナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が訪台した際は3日間で300万回を超えるサイバー攻撃に直面したと明らかにし、(電力システムの情報セキュリティを)重視せざるを得ないと述べた。

台湾電力は​最多の重要インフラを保有

また呉氏は、台湾電力は国家の重要インフラとしてリストアップされ、管理されている施設を最も多く保有する機関で、情報セキュリティ対策に多大なリソースを投入していると強調。その上で、重要インフラの情報セキュリティは3つの等級に分類されており、A級(最高レベル)については、当然ながら国家機関が毎年検査とセキュリティ対象リストの更新を行っていると説明した。 (関連記事: 台湾に毎日240万件のサイバー攻撃 米研究所「北京は兵を使わずネット攻撃で統一狙う可能性」 関連記事をもっと読む

また、ハッカーは通常、最も脆弱な部分を標的とし、A級やB級対象のインフラを直接攻撃することはないため、台湾電力は社内のリソースを最も脆弱なC級の防衛に集中させていると述べ、数位発展部・資通安全署や国防部・資通電軍指揮部といった国家のセキュリティ機関と連携し、毎年異なるテーマを選定して情報セキュリティ体制の構築を進めていると説明。また、友好国、特に米国および英国からの当機関に対する支援にも深く感謝していると述べた。

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