台湾に毎日240万件のサイバー攻撃 米研究所「北京は兵を使わずネット攻撃で統一狙う可能性」

2025-08-30 16:23
(生成AI「FLUX 1.1 [pro] Ultra」による作画)
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世界の地政学的要衝であり、先端半導体生産の9割を担う台湾は、中国による「武力統一」の野心の下に置かれている。台湾の安全はそのまま世界経済の安定と直結し、特に半導体供給をめぐる不安定要因は常に国際社会の懸念材料となってきた。米国財務長官ベセントが「TSMCの製造優位は米国にとって安全保障上のリスクだ」と警告したのに続き、米シンクタンクのハドソン研究所も最新の論考で「台湾のネットワーク脆弱性が世界全体の戦略的リスクに転化している」と分析した。

論文を執筆したのはハドソン研究所の許毓仁氏と、米ネットセキュリティ企業RunSafe Securityのジョセフ・ソーンダースCEO。両氏は「台湾はすでに“静かな戦場”に置かれている」と指摘し、台湾は平均で1日240万件ものサイバー攻撃を受けていると明らかにした。これは事実上「デジタル消耗戦」であり、もし北京が衝突をエスカレートさせれば、ネット麻痺が習近平政権の第一選択肢になると警告している。兵を動かさず、ミサイルを一発も撃たずに台湾の社会機能を停滞させられるからだ。

見えない戦争―1日240万件の「デジタル包囲」

両氏は「ネットワークの強靱性は台湾の国家安全保障課題であると同時に、中国の侵攻を抑止する鍵だ」と強調した。台湾の民主制度、技術力、地政学的ポジションが世界にとって不可欠であるがゆえに、中国の威圧は軍事恫喝や偽情報、経済圧力から、より隠密なサイバー領域にまで拡大しているという。

2024年の統計によると、台湾は1日平均240万件の攻撃を受けており、その対象は政府機関システムからエネルギー施設、物流ネットワークにまで及ぶ。表面化しにくいため国際報道では目立たないが、これはすでに継続中の「見えない戦争」とも言える。もし中国が意図的に衝突を拡大すれば、掌握済みの重要システムが初撃の標的になる可能性が極めて高い。

この戦略は根拠のない推測ではない。2022年、ロシアがウクライナへ全面侵攻する際も、開戦の前段は大規模なサイバー攻撃だった。通信や指揮統制を遮断し、国際社会との連絡を絶った。北京はこうした「ハイブリッド戦」の教訓を研究し尽くし、台湾有事に適用する可能性があると見られている。

台湾のネットワーク脆弱性

論文は、台湾の先進的なデジタル基盤が実際には脆弱な土台に立っていると警告する。

1. 集中するエネルギー供給: 台湾は化石燃料の9割以上を輸入に頼り、電力の半分以上は石炭とLNGで賄う。発電システムはSCADAやDCSといった制御システムに依存しており、サイバー攻撃と物理攻撃が組み合わされれば、大規模停電や緊急対応の麻痺を招く。

2. 海底ケーブルの脆弱さ台湾は世界との通信を15本の海底ケーブルに依存しており、すでに一部で不審な損傷が発生している。衛星通信の導入は進んでいるが、帯域は限られており、戦時の需要を支えるには不十分だ。 (関連記事: 台湾発TeamT5、サイバー脅威の最新動向と防御戦略を解説 関連記事をもっと読む

3.社会機能の連鎖性: 医療インフラや金融サービス、半導体製造、空運や海運の物流まで、台湾社会のあらゆる分野は安全なデジタル基盤に依存している。もしこれらのシステムが麻痺すれば、島内で混乱が広がるだけでなく、その衝撃は世界市場に波及する。特に半導体供給網は高度に集中し、代替が難しい構造を持つため、台湾での中断はスマートフォンから戦闘機に至るまで、ほぼすべての製品市場に壊滅的な連鎖反応をもたらす恐れがある。

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