台湾の半導体大手・台湾積体電路製造(TSMC)の次世代2ナノメートル製造技術が流出した事件で、台湾高等検察署は8月27日、元社員3人を起訴した。検察側はそれぞれに最長14年の実刑を求刑し、国家安全と産業競争力を脅かす重大事件として厳罰を求めた。
国家安全法と営業秘密法違反で起訴
起訴されたのは、在押中の陳容疑者、呉容疑者、戈容疑者の3人。検察は、国家安全法第8条第2項「国家核心技術の域外使用罪」および営業秘密法違反に基づき、域外使用を目的とした営業秘密の窃取罪などで起訴した。求刑は、陳容疑者に懲役14年、呉容疑者に9年、戈容疑者に7年とされている。
また、別の3人については営業秘密法の告訴要件に当たるが、TSMCが告訴を取り下げたため不起訴処分となった。
TSMC「ゼロ容認の立場」
TSMCは声明で「今回の偵査結果により、当社の重要な営利秘密と技術が適切に保護された」とし、営業秘密の保護と会社利益を損なう行為に対しては「ゼロ容認」の方針を改めて強調した。同社は今後も内部管理と監視体制の強化を進め、必要に応じて当局と連携することで競争優位と事業安定を守る姿勢を示した。
検察の調査によれば、3人が流出させた資料のうち12ページが国家核心技術に該当する内容を含んでおり、国家安全保障上の深刻な脅威になり得ると認定された。
財経評論家「勇敢な判決を」
台湾の財経評論家・胡采蘋氏はSNSで「懲役14年は適切だ。法官はためらうことなく勇敢に判決を下すべき」と述べ、厳罰化に賛同した。さらに冗談交じりに「獄中でリレー大会が開けるほどだ」と揶揄しつつ、今回の判断が台湾の司法制度と産業防衛の強さを示すものだと評価した。
事件の波紋と今後の影響
本件は台湾の半導体産業、ひいては世界的なサプライチェーンに影響を及ぼしかねない事案として注目を集めている。TSMCの2ナノ技術は次世代の先端半導体に不可欠とされ、国際的な競争の焦点となっている。
検察は今後も関連証拠の追跡を続け、台湾の産業機密を守る取り組みを強化するとしている。
編集:柄澤南 (関連記事: 「日本のスパイがTSMC内部に?」元議員が爆弾発言 日系企業関与の漏洩事件で波紋 | 関連記事をもっと読む )
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