公益財団法人笹川平和財団(東京都港区、理事長・角南篤)は8月19日・20日の両日、横浜市で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせて、公式サイドイベントおよび特別イベントを実施した。イベントにはアフリカ諸国の首脳や閣僚、日本政府関係者、国際機関の代表、研究者らが参加し、食料安全保障の強化および持続可能なブルーエコノミーの推進をテーマに、日アフリカ協力の可能性について活発な議論が行われた。
20日に実施された公式サイドイベント「アフリカにおける持続可能・包摂的・対応力ある食料システムと地域経済の未来:ブルーエコノミーと農業の視点から」では、ケニア共和国、ナミビア共和国、カーボベルデ共和国の首脳をはじめ、ギニアビサウ共和国、日本政府、アフリカ連合委員会、国際機関の関係者が登壇。農業およびブルーエコノミーを通じた持続的成長と食料安全保障の取り組み、日本の技術支援や人材育成の在り方などが紹介された。
開会の挨拶に立った石破茂首相は、「日本の現場主義と技術をもって、アフリカの食料システムの強化に貢献し、より多くの方々が安心して暮らせる未来の実現に向けて、様々な取り組みと協力を推進していく」と述べ、政府としての支援方針を強調した。
笹川平和財団の角南理事長は、アフリカが直面する「人口増加・気候変動・地政学的緊張」という三つの構造的課題を指摘し、「食料システムの強靭化は最優先の課題である」と語った。また、笹川陽平名誉会長はこれまでに30カ国以上で1万2千人を超える農業普及員や海洋専門家を育成してきた実績を挙げ、「食料安全保障とブルーエコノミーの推進には人材育成が最も重要。アフリカの仲間と共に、諦めない精神で未来を築いていく」と力強く訴えた。
アフリカ各国の代表からは、「農業とブルーエコノミーは戦略的優先課題である」(カーボベルデ首相)、「スマート農業とブルーエコノミーで成長を実現」(ナミビア首相)、「ブルーエコノミー国家戦略を推進中」(ギニアビサウ大臣)、「農業とブルーエコノミーを若者主導の成長産業へ」(アフリカ連合委員会)といった展望が共有され、日本との連携強化の必要性が改めて強調された。
イベントの締めくくりとして、協力団体であるササカワ・アフリカ財団のアミット・ロイ会長は、「強靭な食料システムには政府、民間セクター、市民社会、特に若者と女性のリーダーシップとイノベーション、パートナーシップが不可欠であることが今回の議論を通じて明確になった」と述べた。
また、19日に開催された特別イベント「インパクト・ファイナンスの活用と地域社会のエンパワーメントによる、食料安全保障の向上と持続可能なブルーエコノミーの推進」では、国際協力機構(JICA)をはじめとする国際NPO、民間金融機関などが参加し、官民投資や国際資金の活用に関する具体的な提案がなされた。地域社会のエンパワーメントと現場に根差した連携の必要性についても、実践的な視点から議論が展開された。
編集:柄澤南 (関連記事: 張鈞凱コラム:抗戦は誰が戦ったのか?彼らは予想外の答えをくれた! | 関連記事をもっと読む )
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