大規模リコールで32対0の全敗を喫した後、台湾・民進党内では激しい総括の動きが広がり、矛先は立法院党団総召の柯建銘氏に向けられている。総統兼党主席の賴清德氏は公開の場で「もし党団が改選を行えば、より社会の期待に沿うものになると信じる」と表明し、この発言は鉄腕的な方針を示したものと受け止められている。党内の多くは柯氏の退任は避けられないとの見方を示す一方で、連署による辞任圧力はあまりに強引であり、かえって「柯氏に同情する」空気を生んでいるとの声もある。
柯建銘氏を狙う改選連署の理由は?
新任の党秘書長・徐国勇氏は26日、派閥会議を招集し、党団幹部の全面改選を推進した。外部からは柯建銘氏を狙った動きと受け止められているが、実際の連署状況は期待ほど伸びず、民進党の立法委員51人のうち署名したのは十数人にとどまったという。党内で高まる「反柯」ムードとの落差は大きく、派閥間に依然として亀裂が存在することを浮き彫りにしている。
柯氏を支持、あるいは連署に反対を公に表明した民進党議員は誰か?
一部の立法委員は柯建銘氏の側に立つ姿勢を示した。林岱樺氏は「同志の情を思えば、党全体の責任を一人に負わせることはできない」と表明し、連署への署名を拒否した。また、柯氏が長年にわたり党のために責任を担ってきたことを踏まえ、集団行動によって彼を辱めるべきではないとする意見も出ている。これに対し、郭国文氏や賴瑞隆氏は党団改組を支持し、王世堅氏はすでに署名したことを明かしつつも「柯総召への最後の温情は決して尽きない」と強調した。
なぜ藍陣営が賴清徳氏の「宮廷ドラマ」を批判するのか?
国民党の王鴻薇立法委員は、この一連の「宮廷ドラマ」過程を「まるで皇帝が聖旨を下し、老柯に自決を迫るようなものだ」と痛烈に批判した。羅智強氏も「雪崩のとき無実の雪片は一つもない」との比喩を用い、大規模リコールの失敗をすべて一人に押しつけるのは極めて不公平だと指摘した。さらに花蓮県議会党団の報道官・呉建志氏は、真に民意の怒りを引き起こしたのは経済・貿易や災後復興などにおける政府の無能であり、柯建銘氏個人ではないと断言した。
老柯を切る背後にはどのような政治スタイルがあるのか?
事情に詳しい関係者の分析によれば、柯建銘氏は長年にわたり民進党にとって国会での「安定の象徴」とされてきたが、賴清德氏があえて公開の場で切り離す姿勢を示したのは、失敗の責任を「旗を切る」方式で処理しようとする意図を表している。こうした手法は短期的には事態の収拾につながる可能性があるものの、党内派閥の対立を一層深めかねない。さらに根本的な問題は、人事の入れ替えだけで政策の修正を伴わなければ、基層の民意に応えることはできず、むしろより大きな社会的反発を招く恐れがある点にある。
豆知識:「旗を切る」政治とは?
政治の文脈において「旗を切る」という表現は、権力者が失敗の責任を特定の人物に押しつけ、民意の怒りをなだめたり焦点をそらしたりする手法を指すことが多い。この戦略は一時的に士気をまとめる効果はあるものの、長期的な効力は乏しく、むしろ内部の信頼崩壊を招く危険もある。台湾ではこれまでも、与野党を問わず、指導者や幹部を辞任に追い込むことで「止血」を図った例があったが、その効果はその後に実質的な改革が伴うかどうかに左右されてきた。
事件の展開のポイント一覧
- 8月24日:党団幹部数名辞任するも、柯建銘氏は未だ表明せず。
- 8月26日:徐国勇氏が派閥会議を召集し、改選連署を開始。
- 8月27日:柯建銘氏が「七歩詩」を引用し「何の誤りがあるのか」と応答。
- 8月28日:賴清徳氏が明確に表明、党団再編が社会の期待に応えるとする。
- 党内現状:署名した立法委員は約10名程度で過半数を大きく下回る。
編集:柄澤南 (関連記事: 台湾民進党で内紛拡大 柯建銘氏に退陣圧力 頼清徳政権の側近らが「党団幹部改選署名書」を推進 | 関連記事をもっと読む )
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