舞台裏》蔡英文前総統の元側近エリート・鄭亦麟氏 再生可能エネルギー汚職疑惑、検察の盗聴で発覚

2025-08-29 16:30
再生可能エネルギーをめぐる汚職事件が相次ぎ、蔡英文前総統に近い若手エリート「小英ボーイズ」の鄭亦麟氏(写真)が贈収賄容疑で注目を浴びている。(写真/鄭亦麟氏フェイスブック)
再生可能エネルギーをめぐる汚職事件が相次ぎ、蔡英文前総統に近い若手エリート「小英ボーイズ」の鄭亦麟氏(写真)が贈収賄容疑で注目を浴びている。(写真/鄭亦麟氏フェイスブック)
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立法院の議席配分をめぐる「大規模リコール」が台湾政治を大きく揺さぶった末、8月23日にようやく幕を閉じた。結果は、与党民進党が「大成功」を収めるどころか、野党・国民党に31対0で完敗するというものだった。国民党の朱立倫主席は政府に改革を迫り、超党派による調査委員会を設立して、再生可能エネルギーを含む大型公共事業の汚職を徹底的に調べるよう求めた。これに対し、頼清徳総統は総統府での記者会見で「政治は対話と協力が可能だが、司法の独立を尊重しなければならない。証拠があれば、個人や党派を問わず処理すべきだ」と表明。そのわずか34時間後、捜査当局の手は、蔡英文前総統に近い若手エリート集団「小英ボーイズ(小英男孩)」の一人とされる台湾智慧電能の総経理・鄭亦麟氏を狙い撃ちに及んだ。

8月25日早朝、台北地検は調査局台南市調査処などを指揮し、22か所に一斉捜索を実施。台北市信義路3段などを家宅捜索し、鄭亦麟氏をはじめ、泓德エネルギー(6873)の周仕昌総経理、会計士の鄭涵氏、東煒建設創業者の陳健盛氏と陳冠滔氏親子、台電(台湾電力)の元副総経理・蕭勝任氏ら9人を被告として召喚。また、台電副総経理の許国隆氏ら5人も証人として取り調べを受けた。標的となったのは、経済部傘下の「再生可能エネルギー推進センター」(通称・緑推センター)の元副執行長である鄭亦麟氏だった。民進党内部からは「頼清徳総統が蔡英文前総統の側近グループである“小英ボーイズ”を切り捨て、再生可能エネルギー汚職に本格的にメスを入れた」との見方も出ている。

鄭氏は34歳、長身のスポーツマンタイプ。台大経済学部卒業後、民進党系シンクタンク「新境界文教基金会」で副研究員を務め、林全元行政院長に重用された。蔡英文氏の総統選キャンペーンでは「Luke」というペンネームで原子力推進派の黄士修氏と論戦を繰り広げ、専門知識と弁舌で頭角を現した。その後、行政院エネルギー減碳弁公室を経て、英国ロンドン大学(UCL)でエネルギー政策の修士号を取得。帰国後は経済部の緑推センター副執行長となり、龔明鑫次長(当時)が執行長を務め、沈榮津氏や王美花氏といった歴代経済部長からも厚く信頼されていた。

20250823-總統賴清德23日因應投票結果發表談話。(顏麟宇攝)
国民党の朱立倫主席は再生可能エネルギーを含む重大な汚職の徹底解明を求め、頼清徳総統(写真)は「司法の独立を尊重し、証拠があれば処理する」と応じた。その34時間後、捜査の矛先は「小英ボーイズ」の鄭亦麟氏へと向かった。(写真/顏麟宇撮影)

「Luke」の名を追え 盗聴で浮上した手掛かり

鄭氏の異例の出世街道は世論の注目を集め、台湾民衆党の黄国昌立法委員も「2024年に立件できた案件をなぜ1年以上も放置したのか」と疑問を呈した。実際、検察・調査当局は「小英ボーイズ」の鄭氏を1年以上前からマークしていたとされる。ある関係者によれば、その発端は2022年の統一地方選(九合一選挙)直前に台南で発覚した「88発銃撃事件」をきっかけに表面化した一連の光電(太陽光発電)汚職だった。当時、台南市経済発展局長や台鹽董事長らが関与した事件のほか、4〜5件の光電案件が調査対象となっていた。

2022年末、検調は裁判所から複数の盗聴令状を取り、業者の動向を監視。その中で「このLuke、本当に的確だ、よくここまで動かせるな」という会話を傍受した。これが鄭亦麟氏の摘発につながる第一歩だった。

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