台湾・台中市の東海大学は11月1日、創立70周年を記念して「東海ミルクフェスティバル・カーニバル」および「星の王子さまローズガーデン」の除幕式を盛大に開催した。2万本の薔薇が咲き誇る中、同大学は“70年の栄光を超えて新たな教育の元年を迎える”という象徴的な一日を迎えた。張國恩(チャン・グオウン)学長は式典で「人生70年は始まりに過ぎない。東海の70年も、ここからが本当の始まりだ」と力強く宣言した。
70周年記念式典には、台中市副市長の黃國榮氏、台中栄民総医院の周元華副院長、そして世界各地の校友会代表らが出席した。黃氏は「東海大学は台中の教育と文化の象徴であり、今回の『星の王子さまローズガーデン』は《星の王子さま》の精神——童心を忘れず、愛と責任を持つこと——を体現している」と述べた。
東海大学では記念行事として、康敦楼の改修竣工式、第26回傑出校友(優秀卒業生)表彰、グローバル同窓会晩餐会、杜維明院士特別展、総合活動棟の貫通儀式、美術学科卒業生・教員展、運動大会、各学科による講演や交流会などが行われた。米国や香港、マカオなどから数千人の卒業生が母校に集い、タイのEMBA課程の開講式も同時開催されるなど、国際的な盛り上がりを見せた。
今年の傑出校友には、物理学科の陳從德氏、化学工学科の鄭建新氏、工業工学科の林育業氏、中国文学科の周芬伶氏、化学科の袁小琀氏、そして政治学科出身で現職の交通部長・陳世凱氏が選ばれた。
理事長の吳清邁氏は、同窓生たちの長年の支援に感謝を示し、「東海はすでに台湾最多となる6つのAI PC教室を整備し、学生が卒業前にAI実践力を身につけられる環境を整えた」と述べた。「使命と伝統を守ることが私の責任。理事、学長、15万人の卒業生と共に、東海を次の100年へ導く礎を築きたい」と語った。
今回の最大の注目は、東海湖畔に新設された「星の王子さまローズガーデン」である。これは傑出校友であり「クラシカル・ローズガーデン」創設者の黃騰輝氏による寄贈で、約1年をかけて完成。園内には2万本の薔薇が咲き誇り、黃氏自身が手掛けた「星の王子さま」のブロンズ像も設置されている。
除幕式では、黃氏が張学長に象徴的な“70本の薔薇”を贈呈し、「愛・信仰・教育」の融合を表現。「赤土で薔薇を咲かせるのはほぼ不可能だが、私はここ東海の地で咲かせたかった。それは東海人の『困難に挑む精神』の象徴だ」と感慨深く語った。
同時開催された「ミルクフェスティバル・カーニバル」は、東海婦人会の羅蕙蓮会長が主催。牧場ツアーや牛の餌やり体験、特色マーケット、手作りワークショップなどが行われ、学生や地域住民ら数千人が参加した。張学長は「台湾大学にはツツジ祭、師範大学にはスイカ祭、そして東海大学にはミルクフェスティバルがある。これこそ東海の誇りだ」と笑顔で語った。
近年、東海大学は教育革新と国際評価で著しい成果を上げている。『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』の「世界大学インパクトランキング」では世界トップ100に入り、『Cheers』誌の「全国大学校長による経営評価」では第7位を獲得。また、「台湾サステナブル・トップ10大学賞」の最高賞にも輝いた。
大学は「AI+人文」を核としたTPR(THU Practical Resilience)計画を推進し、NVIDIA公認の教育パートナーとしてAI教育・持続可能な経営・社会貢献の分野でリーダー的存在となっている。
張学長は、「変化の激しい時代だからこそ、革新的思考で挑まなければ大学の持続的発展はない」と語った。さらに、「創立学長・曾約農の言葉『開創こそ我々の信条』を胸に、制度や心理的な壁を打ち破り、過去の栄光に縛られず進化し続けるべきだ」と呼びかけた。「東海を愛するとは、変化を恐れず挑むこと。改革と活性化こそ永続への道である。『篤信・求真・力行』の精神で、新時代へ踏み出そう」と締めくくった。
新たに咲き誇る2万本の薔薇と小王子像は、「愛・信仰・責任」を象徴し、東海大学が100年の未来へと歩み出す希望の光を放っている。
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編集:佐野華美 (関連記事: 台湾・屏東ブランドが熊本を席巻!「豆油伯」「レモンおじさん」などが15万人熱狂の「KUMAMOTO台湾祭2025」に登場 | 関連記事をもっと読む )
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