名古屋「主婦殺害事件」、ついに終止符 凍結された現場、亡き妻のため全財産を費やした夫の執念が導いた真実

2025-11-03 10:30
愛知県警が当時発表した懸賞広告(画像/ネットより引用)
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名古屋市で1999年に発生した未解決殺人事件「名古屋西区主婦殺害事件」が、発生から26年を経てついに解決した。被害者の主婦・高羽奈美子さん(当時32歳)は自宅マンションで何者かに刺殺され、傍らには当時2歳の息子が残されていた。長らく「平成の未解決事件」と呼ばれてきたこの事件は、2025年10月31日、愛知県警が69歳の安福久美子容疑者を逮捕したことで大きな転機を迎えた。衝撃的だったのは、安福容疑者が被害者の夫・高羽悟さん(69)の高校時代の同級生だったという事実である。

「名古屋西区主婦殺人事件」と呼ばれるこの未解決事件は、四半世紀もの間、被害者遺族にとって癒えることのない深い傷として残ってきた。警察の発表と夫・高羽悟さんの証言によれば、逮捕された安福久美子は彼の高校時代の同級生であり、二人は軟式テニス部に所属していたという。若き日の安福は高羽に友情を超えた感情を抱き、バレンタインデーにはチョコレートを渡したこともあった。その淡い恋心は実ることなく終わったが、年月を経て取り返しのつかない悲劇へとつながった。捜査を進めた警察は、安福がある時期にかつての想い人の幸福な家庭を知り、妻である奈美子に強い嫉妬と怨念を抱いたことが、事件の引き金となった可能性が高いとみている。

幸せな家庭が映し出した殺意

被害者の奈美子さんと安福久美子容疑者に面識はなく、二人を結ぶ唯一の接点は夫の高羽悟さんであった。事件の最も戦慄すべき点は、その犯行動機が「純粋な悪意」に基づいていたことである。『中日新聞』や『朝日新聞』の報道によると、警察はこう推測している。かつて想いを寄せながら結ばれなかった相手が幸せな家庭を築いている姿を知り、その中心にいたのが奈美子さんだったことから、安福は強烈な嫉妬と怨念に駆られた可能性が高い。彼女は奈美子さんを「奪われた幸福の象徴」とみなし、ついには取り返しのつかない破滅への道を歩んだとみられている。

犯人の身元を知らされた高羽悟さんは、深い悲しみに沈みながら報道陣に語った。「私の知る限り、妻とあの人(容疑者)の間に接点はまったくなかった。犯人が自分の関係者だったなんて……奈美子さんには本当に、本当に申し訳ない」と声を詰まらせた。当時まだ2歳だった息子の言葉も、捜査関係者の胸を打ったという。「ママは知らないおばさんとけんかして死んじゃった」「けんかのあと、ママはもう動かなかった」と幼いながらに語ったその証言は、事件の悲劇を改めて浮き彫りにした。 (関連記事: 豪州を揺るがせた「毒キノコ殺人事件」 女被告に終身刑判決 メディア批判:「社会は加害者に熱狂し、被害者の名を忘れた」 関連記事をもっと読む

巨額を投じ時を凍結した夫 殺害現場を守り続けた執念

「どんなことがあっても、あの人は私たちが最も幸福だった頂点で殺された――」。事件が長期の膠着に陥るなか、高羽悟さんは決して諦めなかった。妻の死をうやむやにしないため、わずかな解決の糸口をつかむため、彼は驚くべき決断を下した。妻が殺害されたマンションの一室を自費で借り上げ、二十六年間途切れることなく維持し、「時間を凍結させた犯罪現場」へと変えたのである。

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