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トランプ大統領、CBSインタビューで「中国とロシアが秘密核実験」 市長選にも言及「共産主義者は選ばない」 2025年11月2日、トランプ米大統領がホワイトハウスに戻る。(写真/AP通信提供)
米国のドナルド・トランプ大統領は11月2日、米CBSの看板番組《60 Minutes(60ミニッツ)》に出演し、キャスターのノラ・オドネル氏(Norah O'Donnell)の独占インタビューに応じた。これはトランプ氏がホワイトハウスに復帰してから初の本格インタビューであり、CBSおよび親会社パラマウント・グローバル(Paramount Global)との訴訟和解後、両者が再び対峙する「因縁の再会」でもあった。 
トランプ氏はフロリダ州パームビーチの私邸「 マー・ア・ラゴ (Mar-a-Lago)」で取材に応じ、米中露関係、政府閉鎖、移民政策、司法の独立など幅広いテーマについて時にユーモラスに、時に強硬に語った。中でも「中国とロシアが秘密裏に核実験を行っている」との発言は波紋を呼び、さらに自身の物議を醸す政策を正当化しつつ、間近に迫るニューヨーク市長選についてもコメントした。《ザ・ヒル》(The Hill)はこのインタビューの「5つの注目ポイント」をまとめている。 
CBSとの“因縁再燃” インタビュー冒頭、トランプ氏は笑いながら皮肉交じりに切り出した。 「実は《60ミニッツ》は私に多額の金を払ったんだ。放送しなくてもいいけどね、君を困らせたくないから」 その後、同氏はCBSの新編集長バリ・ワイス氏(Bari Weiss)を「偉大なリーダー」と持ち上げた。 
トランプ氏が言う「多額の金」とは、今年初めにパラマウント・グローバルと和解した訴訟を指す。訴訟の発端は、当時副大統領だったカマラ・ハリス氏の《60ミニッツ》出演回で、トランプ氏が「回答を編集して印象操作した」と主張し、CBSを提訴した件だ。最終的にパラマウント側は、トランプ氏の大統領図書館建設費として1,600万ドル(約24億円)を支払うことで和解したという。
トランプ氏とCBSの確執は長い。2020年大統領選前には「ハンター・バイデン・ノートパソコン疑惑」を巡り激しく衝突し、トランプ氏がインタビューを途中退席した過去がある。今回もオドネル氏への質問中、「君を困らせたくないが」と前置きしながら強い口調で詰め寄る場面が何度も見られた。
「地球は核戦争の瀬戸際」 トランプ氏「中国とロシアが秘密核実験」 米国は1992年以来、『包括的核実験禁止条約(CTBT)』の精神を尊重し、爆発を伴う核実験を中止してきた。トランプ政権の「核実験再開」指示は国際社会に衝撃を与え、国内でも激しい論争を引き起こした。共和党は「核抑止力の維持」と支持する一方、民主党は「安全保障上のリスクと破滅的な連鎖」を警告。トランプ氏が中露の「秘密実験」を強調したのは、核政策の正当化とナショナリズム喚起を狙ったものとみられるが、証拠の提示がないままの発言は、地政学的な高リスク賭博との見方も出ている。
「悪党でも共産主義者は選ばない」 ニューヨーク市長選に言及 インタビュー放送の2日後、米国では複数の地方選挙が行われた。中でも注目されたのはニューヨーク市長選だ。民主社会主義者ゾーラン・マムダニ氏が世論調査で優勢を保ち、共和党のカーティス・スリワ氏、無所属で再起を狙う前州知事アンドリュー・クオモ氏と競っている。 
トランプ氏は「マムダニは共産主義者だ」と切り捨て、「クオモとの選択なら、悪い民主党員を選ぶ」と語った。「共産主義者にニューヨークを任せるなら、大統領として大金を渡すのは難しい。金を送っても無駄になるだけだ」と述べ、「クオモは好かないが、共産主義者よりはましだ」と強調した。
政府閉鎖の危機 「私の計画は『計画なし』」 米連邦政府の一部機関が閉鎖される危機が続く中、トランプ氏は「民主党が投票で妨害している」と批判。 「共和党は再開に賛成票を投じているのに、民主党は反対ばかりだ。こんなことは今までなかった」と不満をぶつけた。 
『ザ・ヒル』は、民主党が共和党案を否決しているのは、同案が年末で期限切れとなる『オバマケア』補助金延長を拒んでいるためだと指摘。補助金が途絶えれば数百万人が高額な医療費に直面する恐れがある。
トランプ氏は「政府再開後に医療制度について協議する」と述べたが、自ら新案を出す意思はないと明言。「今の医療制度は高すぎる。政府のためではなく国民のために、我々は修正する」と語った。 
「私はすでに十分穏健」 移民政策と司法問題を弁護 終盤、オドネル氏はトランプ政権の強硬な移民政策と司法省による「報復的起訴」疑惑を追及。シカゴでの 海関執行局(ICE) 強制捜査中に催涙ガスが使われた件について問われると、トランプ氏は即答した。 「いや、まだ全然足りない。我々はリベラル派の判事たちに妨害されている」 
さらに、司法省がトランプ批判を続けてきたFBI前長官ジェームズ・コミー氏やニューヨーク州司法長官レティシア・ジェームズ氏らを起訴した件についても質問が及ぶと、トランプ氏は「報復ではない」と主張。自身が大統領選中に直面した複数の刑事訴追を引き合いに出し、「私は非常に穏健だ。私は何度も起訴されてきたが、それでも戦い続けている。彼らは私を潰すことで選挙を妨害しようとしている」と強調した。
トランプ氏は、自身を「ディープステート(闇の政府)」に立ち向かう犠牲者であり闘士として描き出し、司法を「正義の再生」のための手段として正当化。批判を受けながらも、再び強気の姿勢を貫いた。
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