トランプ大統領、CBSインタビューで「中国とロシアが秘密核実験」 市長選にも言及「共産主義者は選ばない」

2025-11-04 13:46
2025年11月2日、トランプ米大統領がホワイトハウスに戻る。(写真/AP通信提供)
2025年11月2日、トランプ米大統領がホワイトハウスに戻る。(写真/AP通信提供)
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米国のドナルド・トランプ大統領は11月2日、米CBSの看板番組《60 Minutes(60ミニッツ)》に出演し、キャスターのノラ・オドネル氏(Norah O'Donnell)の独占インタビューに応じた。これはトランプ氏がホワイトハウスに復帰してから初の本格インタビューであり、CBSおよび親会社パラマウント・グローバル(Paramount Global)との訴訟和解後、両者が再び対峙する「因縁の再会」でもあった。

トランプ氏はフロリダ州パームビーチの私邸「マー・ア・ラゴ(Mar-a-Lago)」で取材に応じ、米中露関係、政府閉鎖、移民政策、司法の独立など幅広いテーマについて時にユーモラスに、時に強硬に語った。中でも「中国とロシアが秘密裏に核実験を行っている」との発言は波紋を呼び、さらに自身の物議を醸す政策を正当化しつつ、間近に迫るニューヨーク市長選についてもコメントした。《ザ・ヒル》(The Hill)はこのインタビューの「5つの注目ポイント」をまとめている。

CBSとの“因縁再燃”

インタビュー冒頭、トランプ氏は笑いながら皮肉交じりに切り出した。「実は《60ミニッツ》は私に多額の金を払ったんだ。放送しなくてもいいけどね、君を困らせたくないから」その後、同氏はCBSの新編集長バリ・ワイス氏(Bari Weiss)を「偉大なリーダー」と持ち上げた。

トランプ氏が言う「多額の金」とは、今年初めにパラマウント・グローバルと和解した訴訟を指す。訴訟の発端は、当時副大統領だったカマラ・ハリス氏の《60ミニッツ》出演回で、トランプ氏が「回答を編集して印象操作した」と主張し、CBSを提訴した件だ。最終的にパラマウント側は、トランプ氏の大統領図書館建設費として1,600万ドル(約24億円)を支払うことで和解したという。

トランプ氏とCBSの確執は長い。2020年大統領選前には「ハンター・バイデン・ノートパソコン疑惑」を巡り激しく衝突し、トランプ氏がインタビューを途中退席した過去がある。今回もオドネル氏への質問中、「君を困らせたくないが」と前置きしながら強い口調で詰め寄る場面が何度も見られた。

「地球は核戦争の瀬戸際」 トランプ氏「中国とロシアが秘密核実験」

外交・安全保障の話題になると、トランプ氏は再び爆弾発言を投下した。政府に対し「核実験再開」を命じた理由を問われると、同氏は「ロシアが核兵器をテストしている。中国もやっている。君たちは知らないだけだ」と断言。「我々はオープンな社会だ。彼らはそうではない。彼らは記者がいないが、我々にはいる。だから発表しなければならない」と語った。 (関連記事: 米国最高裁、1兆ドル規模の関税訴訟を審理へ トランプ氏敗訴なら経済危機、勝訴なら「もっと危険」とWSJ警告 関連記事をもっと読む

米国は1992年以来、『包括的核実験禁止条約(CTBT)』の精神を尊重し、爆発を伴う核実験を中止してきた。トランプ政権の「核実験再開」指示は国際社会に衝撃を与え、国内でも激しい論争を引き起こした。共和党は「核抑止力の維持」と支持する一方、民主党は「安全保障上のリスクと破滅的な連鎖」を警告。トランプ氏が中露の「秘密実験」を強調したのは、核政策の正当化とナショナリズム喚起を狙ったものとみられるが、証拠の提示がないままの発言は、地政学的な高リスク賭博との見方も出ている。

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