観光の逆差拡大、台湾国内旅行はどのようにして救えるのか?自助努力が唯一の道か

2025-11-07 13:55
台湾の観光逆差が拡大し、国民は海外旅行を選ぶ一方、国内旅行を敬遠している。(写真/pixabay提供)
台湾の観光逆差が拡大し、国民は海外旅行を選ぶ一方、国内旅行を敬遠している。(写真/pixabay提供)

近年、台湾の国内旅行の問題が再び社会の注目を集めている。観光の赤字が深刻であることから、ホテルの料金が高すぎる、施設が不十分であるといったことが議論の焦点となり、さらには「金持ちは台湾で遊ぶ、貧乏人は海外に行く」という言葉も広く流布している。観光署は来年、国内旅行を救済する計画を立てているが、問題はどのように救済するのか、あるいは救済できるのかである。

ここ1か月余りは連休のピークといえる時期で、9月末から10月末までの短い期間に4回の3連休があった。従来の「慣例」では、このような連休は国内旅行のハイシーズンであることが多い。しかし、今年は非常に「異常」で、国内旅行市場は冷え込み、雲嘉南の予約率は4割程度と低調である。東部地区だけが、以前の災害による2割余りの低谷から若干の回復を見せているに過ぎない。実際、5月の端午節連休でさえ予約率が低下し、過去と比べ2桁以上の減少を示している。

国内旅行が低調なら、人々はどこに行ったのか?答えは海外旅行である。データから見ると、公式統計によれば、今年1月から9月までの出国者数は入国者数を805万人上回っている。いわゆる「観光逆差」は昨年より深刻化している。現実の面でも、連休時には空港での出国者が多く、ネット上でも国内旅行と海外旅行の比較から人々の選択がうかがえる。

その理由について、観光署の陳玉秀署長によれば、国内旅行には3つの大きな問題があるという。一つ目は「宿泊費が高すぎる」ということだ。他の2つは、「台湾の交通が便利であるため民衆は宿泊せずに帰宅する」、「オフピークとピークの差が大きい」という点である。

国内旅行市場には確かに大きな問題がある。特に宿泊費が高すぎることが主要な原因であることは、大きな疑いようがない。

観光旅行には一つの特徴がある。それはこれは「贅沢品」と見なされる消費行動であり、人々には特定の場所を観光しなければならない、あるいは特定の宿泊施設を利用しなければならないという理由がないため、価格が非常に重要であり、時には決定的であることだ。消費者が「価値がない」と感じれば、すぐに他の観光地、国、別の宿泊施設に行ってしまうだろう。墾丁がピークから谷底へと落ちた過程を見れば非常に理解できる。

誰も墾丁の優れた、ほぼ台湾唯一無二の観光資源を否定することはないだろう。美しい海岸、ビーチ、熱帯の雰囲気、豊富なサンゴの水域などに加えて、他の要因(たとえば映画「海角7号」や中国本土からの観光客の訪台)による支援があり、墾丁の観光客は急速に増加した。2014年には墾丁の訪問者数が838万人のピークに達した。しかし、それに続く10年間で急激に減少し、昨年では観光客数が214万人にまで落ち込み、7割以上の減少を示した。 (関連記事: 世界で最もフレンドリーな都市ランキング、アジアからは2都市のみ 日本は圏外に  観光客絶賛の親しみやすさと豊富な観光スポットとは 関連記事をもっと読む

その原因は何か?核心且つ決定的あるいは唯一の要因は価格である。宿泊からレストラン、さらには露店や軽食に至るまで、「高価すぎてぼったくり」とのレッテルが貼られていた。質素な設備であっても数万元を要求する民宿、墾丁大街では「6000元の道端の軽食」、「6切れのズッキーニに100元」、「通常千元以上の水上活動」などが悪評を買った。加えて、中国本土からの観光客の減少、格安航空会社の台頭による海外旅行の魅力的な選択肢の増加といった外的要因の変化がかかわり、墾丁はこのように低迷している。

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