トップ ニュース 第38回東京国際映画祭、台湾の新鋭・陳莉璇氏が審査員特別賞受賞 学生映画部門で快挙 繊細な心理描写が高評価
第38回東京国際映画祭、台湾の新鋭・陳莉璇氏が審査員特別賞受賞 学生映画部門で快挙 繊細な心理描写が高評価 国立台湾芸術大学の陳莉璇監督が、短編映画『保密例外』で第38回東京国際映画祭「アジア学生短編映画部門」審査員特別賞を受賞した。(写真/©2025 TIFF 提供)
第38回東京国際映画祭が11月5日に閉幕し、国立台湾芸術大学の学生監督・陳莉璇(チェン・リーシュエン)氏による短編映画『保密例外(Exception to Confidentiality)』が、「アジア学生短編映画部門」において審査員特別賞を受賞した。繊細かつ抑制された映像表現が高く評価され、台湾の映像教育および若い世代の創作力を国際舞台で示す快挙となった。
アジア学生短編映画部門で輝いた台湾の新鋭監督 「アジア学生短編映画部門」は、今年新設された学生映画の競技部門で、アジア各国の映画学校から推薦された60分以内の短編15作品が選出された。その中には、カンヌ国際映画祭など著名な映画祭で受賞歴を持つ作品も含まれており、各国の若手映画人が描く“現代社会と文化”を映し出すプログラムとして注目を集めた。
台湾からは陳莉璇監督の『保密例外』と、王浩泰監督の『青春の回撃殺球』の2作品が入選。このうち『保密例外』が見事、審査員特別賞を受賞した。
『保密例外』沈黙と癒しを描く心理ドラマ 『保密例外』は、少女が不均衡な人間関係の中で抱えた心の傷と、その後の癒しを静謐な筆致で描いた心理劇。中学生の景安と教師との関係、そして大人になりカウンセリングを受ける姿を通して、沈黙と抑圧の中から希望を見出すまでの過程を丁寧に描写している。
授賞式で陳監督は、「この作品が扱う感情や問題が“見られ、理解され、語られる”ことに大きな意味を感じます。和解の象徴であるラストのイメージが、多くの共感を呼んでくれたことが嬉しいです」と受賞の喜びを語った。
台湾の文化的ソフトパワーを象徴する受賞 授賞式には、台北駐日経済文化代表処の李逸洋大使も出席し、「台湾の若い世代が東京国際映画祭という舞台で評価されたことを誇りに思います。これは台湾の映像教育の成果であり、新世代の文化的ソフトパワーの表れです」と祝辞を述べた。
さらに、台湾文化部の李遠部長も「台湾の学生が映像を通じて言語や地域の壁を越え、国際社会で輝くことこそ文化交流の最も感動的な瞬間です」とコメント。
台北駐日台湾文化センターの曾鈐龍センター長も、「学生たちの作品が東京国際映画祭で受賞したことは、台湾の若い映像クリエイターが国際的に認められた証です。今後も台湾文化センターは日台間の映画・映像交流を推進し、次世代の創作者が世界で活躍できる舞台を広げていきます」と述べた。
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