外国人材の受け入れ新制度「育成就労制度」2027年4月施行へ——入管庁と厚労省がFPCJブリーフィングで説明

入管庁と厚労省の担当者がFPCJブリーフィングで、2027年4月施行予定の新制度「育成就労制度」の内容と運用方針を詳しく説明し、外国人が安心して働ける環境づくりの重要性を強調した。(写真/FPCJ提供)
入管庁と厚労省の担当者がFPCJブリーフィングで、2027年4月施行予定の新制度「育成就労制度」の内容と運用方針を詳しく説明し、外国人が安心して働ける環境づくりの重要性を強調した。(写真/FPCJ提供)
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公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)は2025年10月31日、オンライン・プレス・ブリーフィングを開催し、出入国在留管理庁政策課長の菱田泰弘氏、同庁政策課調整官の山形雅宏氏、厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室参事官の高松利光氏が登壇した。「外国人材の受け入れ—育成就労制度の運用開始に向けた取組み」をテーマに、制度の趣旨と具体策について説明が行われた。

冒頭、菱田氏は、少子高齢化と人口減少が進むなかで外国人労働者の役割が一段と重要になっていると述べ、労働力不足への対応としてDXやAIによる生産性向上、女性・高齢者の就労促進を進めつつ、国際的な人材獲得競争において「外国人から選ばれる国」を目指す必要があると強調した。

続いて、2024年6月成立の改正入管法により、技能実習制度に代わる新たな「育成就労制度」が創設され、2027年4月に運用を開始する予定であることを紹介した。制度の目的は「人材育成と人材確保の両立」であり、外国人が3年間の就労を通じて特定技能1号相当の技能を習得し、キャリアアップにつなげる仕組みと説明した。

現行の技能実習制度については、制度目的と実態の乖離、権利侵害の懸念、キャリア形成の難しさなどが指摘されてきたとし、新制度ではこれらの課題を抜本的に見直す方針を示した。改正法は、技能実習を発展的に廃止し、外国人労働者としての権利性の向上や、関係機関の要件適正化を図る内容となっている。

制度の概要では、対象分野を特定技能制度と原則一致させ、育成就労から特定技能1号への円滑な移行を可能にすることで、キャリアの道筋を明確化するとした。加えて、これまで原則認められてこなかった転職についても、一定の要件を満たす場合には本人の意思による転職を認めると説明し、魅力ある制度設計によって長期的な人材確保を図る考えを示した。

関係機関の新体制としては、外国人技能実習機構を改組し「外国人育成就労機構」を設置する。管理団体に代わる「管理支援機関」が企業と労働者を橋渡しし、監査機能を担う。さらに、悪質な送り出し機関の排除に向け、原則として送り出し国政府との二国間取決め(MOC)のある国からのみ受け入れる方針を明らかにした。

費用面では、外国人が送り出し機関に支払う費用の上限を設定する。来日前に支払う費用は「就労予定月額賃金の2か月分以内」とし、上限を超える場合は育成就労計画の認定取消しの可能性があるとした。あわせて、送り出し機関には徴収基準のインターネット公表を求め、過去5年以内に不正な利益供与がないことなどを要件として加える。

日本語教育については、育成就労開始前にA1相当の日本語能力を求め、就労期間中にA2水準の講習を100時間以上受講できる機会を設ける。認定日本語教育機関や登録日本語教員による講習が条件を満たす場合はオンライン受講も可能とする経過措置を設け、双方向のコミュニケーションが確保された学習を求める。

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