高市早苗政権、外国人政策で初の閣僚会議を開催 不法滞在の取締り強化・土地取得制限も検討

2025-11-05 15:14
2025年10月28日、神奈川県横須賀基地の空母「ジョージ・ワシントン」上で、駐日米軍に向けたトランプ米大統領の演説を傍聴する高市早苗首相。(AP通信)
2025年10月28日、神奈川県横須賀基地の空母「ジョージ・ワシントン」上で、駐日米軍に向けたトランプ米大統領の演説を傍聴する高市早苗首相。(AP通信)

日本の高市早苗首相は11月4日、首相官邸で外国人受け入れ政策に関する初の閣僚会議を開催した。高市首相は会議で、2026年1月を目標に基本方針を取りまとめるよう指示し、同時に不法滞在者への取締り強化および外国人による土地取得の制限を検討する方針を明らかにした。

『日本経済新聞』によると、この会議の正式名称は「外国人の受け入れ・秩序ある共生社会の実現に関する閣僚会議」。内閣官房長官の木原稔氏と、外国人政策を担当する経済安全保障担当大臣の小野田紀美氏が、基本方針のとりまとめを主導する予定だ。

この会議は、前政権である石破茂内閣が設置した「外国人材の受け入れと共生に関する閣僚会議」を再編・発展させたものとなる。

2025年10月24日、日本東京、抗議者在首相官邸外舉行女權集會,抗議極端保守派新任首相高市早苗政府。(美聯社)
2025年10月24日、東京・首相官邸前で、高市早苗新首相率いる極右保守政権に抗議する女性団体の集会が開かれた。(AP通信)

「排外主義とは一線を画す」も 不法行為には厳正対応

高市首相は会議で、外国人材および訪日観光客の重要性を強調する一方で、「一部の外国人による違法・違反行為が、国民の不安や不公平感を生んでいる」と指摘。「排外主義とは明確に一線を画しながらも、こうした行為には政府として断固として対応する」と述べた。

与党・自民党と日本維新の会は、連立政権協定書において2026年の通常国会で関連法案を提出し、外国人による土地取得を規制する方針を明記しており、高市政権もその政策立案を進める構えだ。

外国人在留者は395万人で過去最多 違法行為や地域摩擦も課題

出入国在留管理庁(入管庁)の統計によると、2024年6月時点で日本に在留する外国人は約395万人に達し、過去最多を更新した。報道では、一部の外国人による不法就労や地域住民とのトラブルが問題視されていると指摘されている。

外国人政策は、今年7月の参議院選挙においても主要な争点の一つとなり、9〜10月の自民党総裁選でも重要議題として取り上げられた。高市氏は当時の総裁選公約で、「政府主導による外国人政策の強化」を掲げていた。

高市首相、「人手不足の現実」も認め共生の道を模索

また、高市首相は10月24日の施政方針演説(所信表明演説)でも、「日本は深刻な人手不足に直面しており、一定の分野では外国人労働力に依存せざるを得ないのが現実だ」と述べた。その上で、「規制の強化と並行して、外国人との共生を改善する道を模索する」と強調した。

世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp

最新ニュース
「Call me Sir」 英王チャールズ国王が、元代表主将ベッカムにナイトの称号を授与
トランプ後継者は誰? 英紙コラムニストが痛烈批判:「副大統領ヴァンスは粗暴、国務長官ルビオは無能、全員トランプのコピー」
トランプ氏、初の「中間テスト」で敗北 民主党穏健派スパンバーガー氏がヴァージニア州初の女性知事に当選 “振り子効果”で党内主導権を握る
論評:トランプ・習近平会談で台湾言及なし、頼政権は安心できるのか
外国人材の受け入れ新制度「育成就労制度」2027年4月施行へ——入管庁と厚労省がFPCJブリーフィングで説明
気象予報》台湾・西太平洋で2台風ダブル発生へ 台風26号(フォンウォン)たまごは台湾に潜在的脅威 今週の気候と台風進路を専門家が解説
「視覚言語の魔術師」福田繁雄の幻視世界、台湾・高雄で再び――15年ぶりの大規模回顧展『反転する世界』11月7日開幕
米国のディック・チェイニー元副大統領が死去 84歳 「最も権力を持った副大統領」トランプ氏への反発も話題に
日本ランク外!「世界で最もフレンドリーな都市」ランキング、アジアから2都市選出  観光客絶賛の親しみやすさと豊富な観光スポットとは
香港メディア、中国の最大の弱点を指摘:6億人が月収わずか2万円!「米中首脳会談」は「闘えど破られず」、時間で空間を稼ぐ
米国3州の地方選挙でトランプ氏焦燥 バージニア州・ニュージャージー州の結果が2期目政権の試金石に
神宮外苑再開発めぐり反対派が会見 「国と都の責任は重大」小池都知事に中止を要請
星の王子さまバラ園、70万本のバラが開花 東海大・張国恩学長が新元年への変革を宣言
OpenAIとAWSが提携!NVIDIA製GPU十万台を駆使し、世界最大のAIクラウド運用網を構築
台湾・屏東ブランドが熊本を席巻!「豆油伯」「レモンおじさん」などが15万人熱狂の「KUMAMOTO台湾祭2025」に登場
こども達が「未来のモビリティ」を創る JMS 2025で「Out of KidZania」開幕 10日間限定の“働く街”に熱気
21年ぶりの対話なるか 高市首相、北朝鮮に「日朝首脳会談」呼びかけ トランプ大統領も全面支持
「米の本場」日本が認めた台湾米 桃園産「台中192号」が日本へ初輸出 蓬萊米100周年で実現した“光栄なる回帰”
中国が激怒「断固抗議」 高市早苗首相、台湾代表・林信義氏とAPECで会談 「一線を越えた」と非難
AIはがんを治せるか?「発症前に発見」「最適な薬を選ぶ」がん治療10年以内に「治癒時代」へ 米専門家が大胆予測
李忠謙コラム:トランプ時代の思索 政治哲学者サンデル氏が語るMAGA台頭と米中対立
珍しいシーンが流出!釜山の米中会談で習近平氏が満面の笑み 「笑顔の裏に刃」か 一枚の写真が波紋
舞台裏》福建少年から勲爵へ・プリンス・グループ詐欺帝国の興亡と国際手配、150億ドル押収
舞台裏》「プリンス・グループ」詐欺帝国、台湾で資産40億元超を保有 当局が全面凍結・追跡 摘発の本丸は米側の資料待ち
トランプ氏の「ゴーサイン」で東アジアの軍拡が加速? 日本は「戦後タブー」を越えるのか――高市政権、維新と連携し原子力潜水艦を視野
トランプ大統領、CBSインタビューで「中国とロシアが秘密核実験」 市長選にも言及「共産主義者は選ばない」
米国最高裁、1兆ドル規模の関税訴訟を審理へ トランプ氏敗訴なら経済危機、勝訴なら「もっと危険」とWSJ警告
台湾代表のエストニア停滞、日本経済新聞アジア版が報道「リトアニア悪夢再びか?」
トランプ氏、ホワイトハウス東翼の歴史的建造物を解体、3億ドルで豪華な宴会ホールを建設へ 資金調達の不透明さに6割以上が反対
米経済に「深刻な隠れた危機」? 投資家が警鐘:「AIブームと株高ばかり注目、だが労働者の6割は生産性ほぼゼロ」
デンソー、「Japan Mobility Show 2025」に出展 「技術で未来を変える」次世代モビリティを披露
日産自動車、ジャパンモビリティショー2025で新型「エルグランド」を世界初公開 「パトロール」を2027年度前半に日本市場投入へ
未来の東京を体感!「Japan Mobility Show 2025」開催へ 500社以上が出展、10年後の“移動社会”を体験
ドジャース、球団史上初のワールドシリーズ連覇達成 山本由伸が連投で神リリーフ 日本人投手初のMVPに輝く
張鈞凱コラム:「米中首脳会談」は台湾に触れなかったのか
国際注目》「祝電ゼロ」から「握手写真が一面に」:習近平氏が高市早苗氏へ態度を急転させた理由
台湾のグリーンエネルギーは失速か トランプ氏も頼清徳氏も後押しせず、再エネ論争で民意離反
ドジャース、25年ぶりのワールドシリーズ連覇を記念 Fanatics Japanが公式優勝グッズを発売
トランプ・習近平会談直前の林岱樺氏支援が波紋 「非典型の外相」林佳龍氏に再び注目
世界で578億件の個人情報が流出 身長・体重・瞳の色まで盗まれる ハッカーが「デジタル分身」であなたを完璧に偽装
陸文浩の見解:台湾・鄭麗文氏が国民党主席に当選、中国が善意を示し機艦活動が減少?
高市早苗首相、APECで“超積極外交”を展開 各国首脳に積極接触 ネットでは賛否両論も
MLBワールドシリーズMVPは山本由伸! 鬼神のごとき防御率1.02、3勝を挙げる大活躍 最終戦では34球で完全封鎖
トランプ氏和平案にプーチン氏拒否 ポクロフスク陥落なら東部防衛崩壊も
「米台関係史上最高?」CNNが暴く「林佳龍NY晩餐会」欠席の波紋 台湾政府、米国支援の揺らぎを懸念