海外在住の中国系軍事インフルエンサー「説真話的徐某人(本当のことを語る徐某人)」が18日、X(旧Twitter)で音声録音の一部を公開し、中国人インフルエンサー「落日海盗」から中国共産党の対外宣伝(大プロパガンダ)への協力を持ちかけられていたと明らかにした。
公開された音声によると、「落日海盗」は自らを中国人民解放軍の仲介役と名乗り、徐某人に対し、台湾の軍事力の弱点を批判し、台湾社会の防衛への自信を失わせる内容を発信することを条件に、月額4万ユーロ(約737万円)の報酬を提示していたという。
音声公開後、「落日海盗」(Xアカウント:bright_hawkins)は直ちにすべてのSNSアカウントを削除し、公式な説明は行っていない。徐某人はその後、自身のYouTubeチャンネルで、未編集の43分間に及ぶ音声記録を追加公開し、両者の会話には中国および海外の複数のインフルエンサーの名前が登場していることを明らかにした。
「説真話的徐某人」のSNSアカウントのIP表示はイタリアとなっており、主に国際軍事問題をテーマに発信している。台湾を支持する立場からの発言が台湾メディアに引用されることも少なくない。Xのプロフィール欄には「マルクス・レーニン主義を排し、中華を回復する。反トランプ、反共産党、世界を救う」と自己紹介している。
公開された音声の中で、「落日海盗」を名乗る中国人男性は、自身を中国軍側の仲介役と称し、過去に北京市公安局の情報・世論分析部門に勤務していたと主張した。
さらに、日本、イタリア、米国フィラデルフィアなどで、音楽、旅行、グルメ、自動車分野のインフルエンサーをすでに多数取り込んでおり、彼らには「中国の伝統文化の素晴らしさを発信させている」と語っている。
落日海盗は、徐某人に接触した理由について、徐某人が過去に台湾侵攻をテーマにした番組を制作していた点を挙げた。「台湾海峡戦争や台湾軍事の不足点を語り、台湾内部の防衛に対する自信を揺さぶれば、それを『上』に持って行けば体面が立つ」と述べ、「できればあなたの番組を……『中天』にも再拡散させたい」と語っている。
さらに、海外の中国語圏コミュニティで「中立・客観」を装うだけでも、「台湾独立勢力に対する一種の殺傷力と抑止力になる」と主張した。
落日海盗は今回の対外宣伝の方針について、「潤物細無声(目立たず、静かに、しかし深く影響を与える)」が上層部の定めたトーンだと説明した。これに対し徐某人が「単発ではなく、長期的な計画になるということか」と問い返すと、その意図を否定しなかった。
その後、落日海盗は具体的な条件として、月額4万ユーロを提示し、自身がそのうち30%を手数料として受け取ると説明した。
徐某人が「どこまでが許容範囲なのか」と境界線を尋ねると、落日海盗は「小罵大幫忙(小さく批判して大きく助ける)」という表現を用い、「共産党を少し批判する程度なら構わないが、習近平主席は絶対に批判してはならない」と述べた。
また、ロシアによるウクライナ侵攻に関しても、「組織はウクライナへの理解がまだ不十分だ」とし、徐某人に対し、対外宣伝への協力に加えて、ウクライナについての「客観的な評価」を行い、それを組織向けの内部資料として提供するよう求めたという。
落日海盗は、「ウクライナの弱点を指摘する内容を作れば、それ自体が台湾の軍事力に対する自信を削ぐことにつながり、これもプロパガンダの一環だ」と語っている。
さらに会話の終盤では、X上で「中国第一のインフルエンサー」とも呼ばれる「李老師不是你老師(李先生はあなたの先生ではない)」について言及し、組織側は徐某人がイタリア在住の李氏と親しく行動を共にしていることを把握していると示唆した。
その上で落日海盗は、「もしある日、李老師に対して『手を下す』ことになり、警察があなたの家に来たとしても、あなたは『皆、同志だった』と言えるだろう。少なくとも両親を不安にさせずに済む」と暗に語り、圧力とも取れる発言を行っていた。
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編集:梅木奈実

















































