寺田倉庫、天王洲で「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」を1月16日開幕

寺田倉庫は2026年1月16日から天王洲で「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」を開催し、5組のファイナリストが新作を発表する。(写真/寺田倉庫提供)
寺田倉庫は2026年1月16日から天王洲で「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」を開催し、5組のファイナリストが新作を発表する。(写真/寺田倉庫提供)

寺田倉庫株式会社は、2026年1月16日から2月1日までの期間、東京・天王洲の寺田倉庫G3-6Fにて「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」を開催する。新進アーティストの支援を目的とした現代アートアウォード「TERRADA ART AWARD」の一環として行われる本展では、黒田大スケ、小林勇輝、是恒さくら、谷中佑輔、藤田クレアの5組がファイナリストとして選出され、未発表の新作を含む作品を個展形式で発表する。

会場となる「寺田倉庫 G3-6F」は、倉庫をリノベーションしたイベントスペースで、ファイナリストはエントリー時に提出した展示プランを発展させ、それぞれが独自の空間構成による展示を行う。開催前日の1月15日には、最終審査員である金島隆弘氏、神谷幸江氏、寺瀬由紀氏、真鍋大度氏、鷲田めるろ氏による授与式が実施され、各審査員賞がファイナリストに授与される予定だ。

黒田大スケは、戦後日本の彫刻史における抽象表現の黎明期を手がかりに、ブランクーシの代表作「空間の鳥」をめぐる彫刻家たちの議論を演じる映像作品を発表する。小林勇輝は、中国南部武術「詠春拳」を起点とした学際的パフォーマンス作品「The Wing Chun Project」を通じ、東アジアの戦争と植民地支配の歴史、現代における戦いや自己防衛の意味を探る。

是恒さくらは、人と鯨の関係を主題に、現代の生活から姿を消しつつある素材や加工技術を空想的な玩具として再構成し、語りと技術の継承の可能性を提示する。谷中佑輔は、身体を生産性や合理性の枠組みから解放し、「共にある」身体を起点に社会や政治との関係性、癒しやケアを通じた連帯の可能性を問い直す。藤田クレアは、植物の環境への反応を可視化することで、人と人、人と自然が共に在るための関係性や歩み寄る感覚を呼び起こす試みを行う。

本展は会期中無休で、開館時間は11時から18時まで、最終入館は17時30分。入場は無料で、事前予約は不要となっている。寺田倉庫は本アウォードを通じ、アーティストが継続的に活動できる環境づくりに貢献し、将来のアートシーンを担う人材を長期的に支援していくとしている。

また、関連企画として、天王洲のアートギャラリーカフェ「WHAT CAFE」では、2026年1月10日から1月25日まで、「WHAT CAFE EXHIBITION vol.44 From here to eternity:TERRADA ART AWARD 2015 受賞者の『いま』の展開」を開催し、2015年の受賞・入選作家の近作を紹介する。

TERRADA ART AWARD 2025は、現代アート全般を対象とし、ファイナリストには展示機会のほか、制作費として300万円の支援が行われる。副賞として、アウォード受賞後の次回作に向けたリサーチ費支援や美術品保管・デジタルストレージサービスの無償利用などが用意されている。寺田倉庫は、美術品保管事業を基盤に倉庫空間を制作・展示の場へと発展させ、天王洲を国際的なアートシティとして育てる取り組みを進めている。

編集:小田菜々香

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