台湾茶業者が仏の世界茶葉大賞で受賞 会場で中国籍とみられる人物が妨害 林佳龍外相「長年の縁がある茶農」

聚鑫製茶廠の執行長・謝忠霖氏(左)がフランスで開催された世界茶葉大賞の授賞式に出席し、主催団体から「特別賞」を授与された。(写真/林佳龍氏フェイスブックより)
聚鑫製茶廠の執行長・謝忠霖氏(左)がフランスで開催された世界茶葉大賞の授賞式に出席し、主催団体から「特別賞」を授与された。(写真/林佳龍氏フェイスブックより)

フランス農産物振興協会(AVPA)は先日、第8回世界茶葉大賞の授賞式を開催し、台湾の3社の業者代表が現地で表彰を受けた。しかし会場では、中国籍とみられる人物による妨害行為が発生した。これについて台湾外交部の蕭光偉報道官は16日、「妨害した中国側の人物が言っていたのが『Providence(天道)』なのか、それとも『Province(省)』なのか、はっきり聞き取れなかった」と皮肉を交えて批判した。また台湾外交部長の林佳龍氏は17日、今回受賞した茶農が長年の友人の二代目にあたることを明かし、報を受けて自ら電話で祝意と気遣いを伝えたと語った。

フランス農産物振興協会は2日、第8回世界茶葉大賞の授賞式を開催した。台湾からは、雪見高山茶の代表・張立欣氏、曾的茶の代表・曾莉敏氏、聚鑫茶業の代表・謝忠霖氏が現地で表彰を受けたが、中国籍とみられる人物による騒動に遭遇した。

林佳龍氏はこの日、フェイスブックで「TAIWAN IS TAIWAN!」と強調し、「台湾茶が国際舞台で香り高く評価される一方で、茶農たちは授賞式の場で中国による理不尽な抗議と妨害に直面した」と投稿した。

話題は一転し、林佳龍氏は、今回受賞した梨山の聚鑫製茶工場が、長年の友人で里長を務める謝錫宏氏の経営であること、そしてフランスで授賞式に出席したのが二代目の謝忠霖氏であったことを明かした。林氏はこの知らせを受け、本人に直接電話をかけ、祝意と気遣いを伝えたという。

林氏は、かつて台中で「十年磨一剣(十年をかけて、一振りの剣を磨き上げる)」とも言える苦しい時期を一人で過ごしていた際に謝錫宏氏と知り合い、友情を深めたと回想。長年にわたり謝氏の茶を愛飲してきたほか、台中市長在任中には市政府チームを率いて茶工場を視察したこともあったと述べた。

林氏は「茶づくりには長期的な投入と専門的な積み重ねが必要だ」と強調し、今回、聚鑫製茶工場がフランス農産物促進協会(AVPA)の「世界茶葉大賽特別賞」を受賞したことは、台湾茶産業の品質と実力が国際的に認められた証だと語った。その上で、「台湾は国際社会における善の力であり、価値観を共有する民主的パートナーと肩を並べて進んでいきたい。国際交流は理性、尊重、文明という基本原則に立ち返るべきであり、台湾は今後も善意をもって、着実に世界へ歩み続ける」と述べた。

騒動を起こした人物の発音を皮肉 蕭光偉氏「国際的な礼儀を守るべき」

台湾外交部の蕭光偉報道官は前日の定例記者会見で、第8回世界茶葉大賽には18カ国から300点以上の茶製品が出品され、台湾は金賞10・銀賞8・銅賞12・特別賞24を獲得したと説明。台湾茶が国際的に高く評価され、その優れた茶文化というソフトパワーが改めて世界に示されたと述べた。

授賞式で中国籍とみられる人物が騒ぎを起こした件について、蕭氏は「その人物が何を言っていたのかは定かではない」とした上で、もし台湾を「Providence(天道)」と叫んでいたのであれば、台湾は国際社会の善の力として多くの貢献ができ、理念を同じくする国々と共に世界をより良くしていけると皮肉を込めて語った。また、国際社会と協力し、中国が挑発的・冒進的にならないよう、より平和的で理性的な行動を取るよう促すこともできると述べた。

一方で、もし「台湾は中国の一部、省だ」と主張していたのであれば、その発言は断固として否定されるべきだと強調。中華民国台湾は主権を有する独立国家であり、中華人民共和国とは互いに隷属関係にないことは、台湾海峡の客観的現状であり、国際社会が認める事実だと指摘した。今回の大会でも台湾の名称と国旗は明確に表示され、はっきりと区別されていたとした。

蕭氏は、台湾の2300万人を国際社会や多国間の場で代表できるのは、台湾の民選政府のみであり、中国側に干渉する権利はないと強調。中国の人々に対しては、理性的に受け止め、国際社会の文明と礼儀を守り、国際的な笑い者になる行為は避けるべきだと呼びかけた。仮に騒動を起こした人物が公式関係者であった場合には、北京当局に対し、台湾への圧力や威嚇をやめ、対抗ではなく平等と尊重に基づく対話を通じてこそ、両岸関係の改善につながると重ねて訴えた。

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編集:佐野華美

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