高市早苗首相は12月16日、国会・参議院予算委員会に出席し、日本が「集団的自衛権」を行使できるとされる「存立危機事態」の認定条件である「我が国と密接な関係にある他国」について言及し、「米国以外の国については該当する可能性は相当限定される」との認識を示した。
発言を修正して台湾支持をやめたのか
高市首相は、台湾がこの「密接な関係にある他国」に含まれるかどうかについて問われると、「あらかじめ特定されているものではなく、個別具体的な状況に即して判断される」と述べるにとどめた。『共同通信』によると、存立危機事態とは「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生し、それによって日本の存立が脅かされ、日本国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があると判断される場合に、日本政府が集団的自衛権の行使として武力を用いることができるとされている。
同日の委員会では、立憲民主党会派に所属する無所属の広田一参議院議員が、高市首相に対し、以前の国会答弁で「台湾有事が存立危機事態に該当し得る」と述べた発言を撤回するよう求めた。これに対し高市首相は、「どのような事態が該当するかは、実際に発生した事態の状況を総合的に判断する。政府の立場は一貫している」と改めて強調した。
さらに広田氏は、日本政府が立憲民主党の辻元清美議員に提示した「答弁要点」に高市首相の該当発言が含まれていなかったことに言及し、「従来の政治の立場を超えて答弁をしたように受け止められた。撤回すべきだ」と批判した。

中国、国連で日本への批判を継続
一方、中国は国連の場でも日本を批判している。共同通信によると、国連安全保障理事会が15日、「国際平和と包括的安全保障」をテーマに「平和のためのリーダーシップ」を掲げた会合を開いた際、中国の国連常駐代表である傅聡が、高市首相の「台湾有事」に関する国会答弁について「時代の流れに逆行するものだ」と非難し、「世界の平和に重大なリスクをもたらす」として撤回を求めたと報じた。
これに対し、日本の山崎和之国連常駐代表は、「根拠のない発言であり、遺憾だ」と反論した。国連の会議の場で、日中両国は激しい応酬を繰り広げた。
傅氏は発言の中で、「80年前、日本の軍国主義は、いわゆる『自衛』を名目に対外侵略を行い、中国、アジア、そして世界に深刻な災禍をもたらした」と述べ、「軍国主義の復活を決して許してはならず、ファシズムの亡霊を再び蘇らせてはならない」と各国に訴えた。

これに対し山崎氏は、安保理を含む国連改革の必要性を訴えるとともに、中国側の批判は会議の主題に沿わない「不適切で無関係なものだ」と指摘し、「第二次世界大戦以降、日本は一貫して平和国家の道を歩んできた」と強調した。
今回の会合は、安保理の輪番議長国であるスロベニアが主催し、多国間協力の重要性を強調するとともに、来年正式に始動する次期国連事務総長選出に焦点を当てたものだった。中国と日本以外の多くの国は、事務総長選考過程の透明性や国連改革の必要性などについて発言した。
会合の終盤には、日本と中国の双方が追加発言を求め、再び互いに非難を応酬した。
報道によれば、傅聡はこれまでに2度、国連のグテーレス事務総長宛てに書簡を送り、高市首相の関連答弁の撤回を求めている。一方、山崎氏も2度にわたり、これに反論する書簡を送付している。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp
編集:小田菜々香 (関連記事: 国会質疑で再び「台湾有事」 高市早苗首相「対話による平和的解決が日本の立場」 | 関連記事をもっと読む )


















































