【単独インタビュー】リッチモンドホテル、台湾市場で存在感　新ブランド戦略を宗像部長に聞く

アールエヌティーホテルズ企画開発部部長の宗像興一氏が、『風傳媒』の単独インタビューに応じ、台湾を含む海外市場での取り組み、新ブランド開発、台湾旅行者の動向、環境配慮や地域連携の実践について詳しく語った。

宗像氏によると、同社は台湾、タイ、シンガポール、香港、韓国など東南アジア・東アジアの旅行博に積極的に出展し、会員制度「リッチモンドクラブ」への加入促進を通じて、公式予約サイトからの予約を増やす取り組みを進めている。

同氏は、リッチモンドホテルの現状について「国内43店舗（2025年12月時点）、価格帯は1万円から2万5千円の宿泊主体型ホテルが中心」と説明した。宴会場は設けず、一部のホテルではサウナ付き客室や地域文化を取り入れたデザインを提供している。

特に朝食については、ロイヤルグループのノウハウを活かし、地域の名物料理を反映した内容を強みとして挙げた。

環境面では、客室アメニティをロビー階にてお客さまにお取りいただく方法に統一し、ペットボトルを廃止してウォーターサーバーを設置するなどの取り組みを進めている。さらに京都・大阪のホテルでは、舞妓の舞踊や書道体験など、宿泊客が参加できるワークショップを毎日開催し、地域文化と連携したプログラムを実施している。

台湾市場の反応について、宗像氏は「昨年の台湾出展時には4日間で1600人が会員登録し、実際に京都のホテルを訪れたお客さまもいた。今年はすでに2000人ほどが登録している」と明かし、台湾旅行者の積極的な姿勢を高く評価した。

宗像氏は、台湾人材の採用にも触れ「台南大学や東呉大学で就職説明会を行い、実際に台湾の新卒者が入社している。」と述べた。

さらに今年、大阪にZ世代向けの新ブランド「THE BASEMENT」を開業し、従来よりも若い層をターゲットとしたデザイン性の高いホテルを展開していると述べた。

最後に台湾の旅行者へ向け、宗像氏は「東京・大阪だけでなく、北海道、東北、九州など幅広く日本を楽しむ台湾のお客様が増えている。全国にホテルを展開している強みを生かし、より充実した旅を提供したい」と語った。

リッチモンドホテルズは、アールエヌティーホテルズ株式会社が運営する全国型ホテルチェーンで、ロイヤルホールディングスのホテル事業として位置づけられている。日本国内に40店舗以上を展開し、価格帯は1万円前後からと手頃で、宿泊主体型のビジネスホテルを中心に、観光利用にも対応する利便性の高い構成となっている。多くの施設が主要駅に近い立地を確保しているほか、一部ホテルではサウナ付き客室や地域文化を反映した客室デザインを取り入れるなど、グループの特徴を活かした多様な宿泊体験を提供している。

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​編集：小田菜々香