鳥取県、カニと名湯を楽しむ1泊2日のモデルコースを公開 「蟹取県」ならではの冬の魅力を発信

鳥取県がカニ日本一の魅力と名湯を巡る1泊2日の「ゆったりご褒美旅」モデルコースを公開した。鳴り石の浜。(写真/鳥取県提供)
鳥取県がカニ日本一の魅力と名湯を巡る1泊2日の「ゆったりご褒美旅」モデルコースを公開した。鳴り石の浜。(写真/鳥取県提供)

水揚げ量・消費量ともに日本一の「蟹取県」で1泊2日の旅

鳥取県は、鳥取砂丘や名峰・大山などの雄大な自然に加え、冬の味覚の王者「松葉がに」や「鳥取和牛」といった美食、歴史情緒あふれる街並みや自然が育む名湯が数多く点在する地域として知られている。

カニの水揚げ量や消費量が日本一であることから自らを「蟹取県」と名乗り、秋から冬にかけてカニを目当てに多くの観光客が訪れている。今回、カニと温泉をテーマにした「蟹と温泉を満喫する1泊2日の鳥取旅」モデルコースが紹介されている。

水産物流通調査(2022年速報値)によると、鳥取県内の主要漁港でのカニの水揚げ量の合計は日本一であり、総務省の家計調査では2021年〜2023年平均で全国平均の5.7倍というカニの消費量を記録している。給食にカニが登場する中学校もある。また、活魚水槽を大型底びき網漁船で収穫しているため、漁獲後すぐに冷却海水に入れ、生きたカニのまま販売できる新鮮活蟹の出荷量も日本一。

松葉がに養殖場「カニ牧場」は東京ドーム2340個分という県営カニ養殖場として日本一の広さを誇る。鳥取県は「蟹取県」へ改名し、県内で水揚げされた松葉がにのうち、大きさ・重さ・形・色・身入りという5つの厳しい基準を満たした最上級の松葉がにを「特選とっとり松葉がに五輝星(いつきぼし)」と名付け、トップブランドとして販売している。

毎年11月6日頃に解禁される「松葉がに」は、山陰の荒波で育ち、身がぎっしり詰まり、濃厚な旨味と甘みが特徴だ。解禁日を迎えると鮮度抜群の松葉がにが次々と水揚げされ、漁港や市場には旬の味覚を求める人々が集まる。

身はしっとりと甘く、甲羅には濃厚なカニ味噌がたっぷり詰まっており、刺身、茹で、焼き、鍋など調理法によって異なる旨味が楽しめる。11月初旬から冬にかけてが最もおいしい時期とされ、鳥取の冬旅では外せないグルメとして、観光とあわせて味わうことが勧められている。

境漁港では、体型や大きさが松葉がにとほぼ同じで、鮮やかな紅色が特徴のベニズワイガニの水揚げ量が全国のおよそ半数を占め、日本一となっている。このほか、11月〜12月が旬の雌のズワイガニ「親がに」、2月頃が旬の脱皮して間もない「若松葉がに」も知られている。2025年10月24日〜2026年3月19日までは「蟹取県 ウェルカニキャンペーン」が開催され、カニのプレゼント企画などが実施されている。

モデルコースの1日目は、米子鬼太郎空港に到着後、境港水産物直売センターで旬の松葉がにを味わい、水木しげるロードの散策を楽しむ行程となっている。海沿いのカフェレストラン「BIKAI」での休憩を挟み、楕円形の石が波で音を立てる「鳴り石の浜」や、西日本最大級の海岸自然発生墓地である「花見潟墓地」など、特徴的な海沿いスポットを巡る。

その後、2025年4月に関金温泉にオープンした「HOTEL星取テラスせきがね」に宿泊。星空保全地域に位置し、満天の星を眺めながら温泉とサウナを楽しめる。夕食ではズワイガニを2枚半使った「蟹三昧会席」や、900g以上のタグ付き松葉がにを1人1杯使用した「タグ付き活松葉ガニ会席」など、旬の蟹を贅沢に堪能できる。

2日目は、大山の東側ルートをドライブし、東大山大橋、奥大山・御机、木谷沢渓流、鍵掛峠など、四季折々の自然が織りなす景観を楽しむ内容となっている。昼食は大山ハム直売店「テラス ザ ダイセン」で、大山ハム製品を使ったホットドッグや限定ソーセージを味わい、2025年6月に完成したDAISENモニュメントがフォトスポットとして人気を集めている。

その後、鳥取県出身の写真家・植田正治の作品を展示する植田正治写真美術館を訪れ、山陰の風景や人物写真に触れながら静かな時間を過ごす行程が紹介されている。

鳥取県中部・西部には、皆生温泉、関金温泉、三朝温泉、はわい温泉など、泉質や効能の異なる温泉地が広がっており、旅の疲れを癒す名湯として人気が高い。特に三朝温泉は世界有数のラドン含有量を誇り、自然治癒力や免疫力向上が期待できるとされている。

多彩な温泉と豊かな自然、そして日本一を誇るカニの魅力を一度に楽しめる旅として、今回のモデルコースは秋冬の鳥取観光の魅力を伝えている。

編集:小田菜々香

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