「台湾有事」発言の余波か 岩崎茂氏の台湾・行政院政務顧問起用めぐり中国が制裁

2025-12-15 14:17
2025年6月10日-日本の元統合幕僚長である岩崎茂氏(右)は10日に台湾海峡防衛の兵力シミュレーションに出席した。(写真/顏麟宇撮影)

高市早苗首相が国会で「台湾有事」に関連する発言を行ったことを受け、中国が強く反発して複数の対抗措置を取った。台湾メディアはこのほど、中国が圧力をかけ、日本の前統合幕僚長である岩崎茂氏を台湾・行政院の政務顧問から外すよう求めたものの、岩崎氏は引き続き台湾側の政務に関する相談相手を務める意向だと報じた。これについて中国外交部は15日、岩崎氏に対する反制措置を発表し、2025年12月15日から実施するとした。

中国外交部は15日、日本の自衛隊前統合幕僚長である岩崎茂氏が公然と「台湾独立」分裂勢力と結託したとし、「一つの中国」原則および日中間の四つの政治文書の精神に著しく反し、中国の内政に重大に干渉し、中国の主権と領土保全を重大に損なったと主張した。その上で、『中華人民共和国反外国制裁法』第3条、第4条、第5条、第6条、第9条、第15条の規定に基づき、岩崎氏に対して次の反制措置を取るとした。

①中国国内にある動産・不動産およびその他各種財産を凍結する。

②中国国内の組織および個人が、岩崎氏と関連する取引・協力などの活動を行うことを禁止する。

③岩崎氏に対しビザを発給せず、入境を認めない(香港・マカオを含む)。

岩崎氏の任期は1年で、行政院の政務顧問は不定期で出勤する。これについて行政院関係者は、岩崎氏が無給の政務顧問を引き受け、長期にわたり政府に助言していることに謝意を示し、今後も岩崎政務顧問が政府施政に専門的な意見と助言の方向性を提供し続けることを期待すると述べた。

岩崎氏は航空幕僚長を務め、2012年1月から2014年10月まで統合幕僚長(参謀総長に相当)に就任した。退任後は防衛大臣の政策参与を務め、2023年には日本政府から「瑞宝大綬章」を授与され、その顕著な功績がたたえられた。岩崎氏は日本の軍界・政界・経済界に幅広い人脈と影響力を持つとされる。

『朝日新聞』は今年3月、岩崎氏が台湾・行政院の政務顧問に就いたことについて、台湾が安全保障分野で日本側との関係強化を図る意図を示すものだと報じた一方、この動きが中国の反発を招く可能性があるとも伝えており、今後の推移はなお注視が必要だとした。

中国は「台湾有事」発言への対抗として対日圧力を強めるだけでなく、岩崎氏も標的にして台日関係を弱体化させようとしているという。報道によると、岩崎氏は退任後、日本のある企業で長年顧問を務めてきたが、その企業は中国で広範な事業を展開しているため、岩崎氏を顧問から外さなければ中国での市場展開に影響が出るとして圧力を受けたとされる。

編集:小田菜々香

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