中国政府が「外交要因」を理由に、日本への旅行禁止令を出してから1か月が経過した。中国人観光客による爆買いがないと、日本の観光業は崩壊するのではという予想もあったが、1か月が経過した今、日経新聞によると、日本の宿泊業は崩壊せず、むしろある仕組みによって「無痛で持ちこたえた」という。果たしてこの駆け引きの中で、日本の事業者がどうして余裕を持っているのか、もし中国人観光客が来なかった場合、日本のホテル価格は下がるのだろうか?
中国団体観光客の一斉キャンセル!日本のホテルはなぜ「恐れていない」のか?
かつては中国人観光客の団体が来ないと、「観光の冬」が来ると言われていたが、今回は事情が違う。日経新聞は、日本の業界が近年、請求方法を大きく変えたことが鍵だと指摘。
ある大手旅行会社の担当者は、現在業界の主流の方法は「契約と同時に請求」することだと明かした。今回は、中国政府の政策によるキャンセルであり、日本側の違約ではないため、商業的には「顧客自身の要因」として認識される。そのため、日本の旅行会社とホテルは契約条項に基づき、一部の手付金や手数料を差し押さえることができ、財務的な衝撃を最小限に抑えることに成功している。
さらに、自由旅行者向けに、各種予約サイトとホテル公式サイトには「クレジットカードプレオーソリゼーション」を導入し、旅行者が突然キャンセルしてホテルが空稼動するリスクを効果的に防いでいる。都市部のホテルにとって、中国人観光客が来なくても、欧米や東南アジアの旅行者がすぐにそのギャップを埋めることができる。京都嵐山の旅館経営者は日経新聞に対し、「たとえ前日にキャンセルされても、その部屋はすぐに予約が入るので全く影響がない」と述べている。

禁日令の影響!なぜ中国が最大の敗者なのか?
もし日本のホテルが損失を被っていないのであれば、その影響を誰が受けているのか?近畿地方のホテル経営者は、皮肉な盲点として、「最大の影響を受けたのは日本で中国人が運営している民泊」であると指摘した。
このような「民泊」と呼ばれる宿泊施設は、顧客層が極めて特定(ほとんどが中国人観光客)され、中国の電子決済システムを介して海外で取引が行われるため、資金が日本の実体経済に還流しにくい。今回、中国からの顧客が途絶えると、これらの民泊は大打撃を受けた、真の被害者となった。
さらに、団体ツアーを組織する「中国国内の旅行会社」も巻き込まれた。日本側が契約と違約金制度を厳格に執行しているため、中国の業者はまず、日本のホテルに違約金を支払わなければならず、今回の外交的な駆け引きの中で最も直接的な経済的被害者となっている。
中国人観光客が来なければ日本の不動産価格は安くなるのか?
多くの台湾人観光客が気にしているのは、「中国人観光客が来ないなら、自分が日本に行って遊ぶのは安くなるのか?」という点だ。
答えはおそらく期待外れだろう:そうはならない、むしろ予約がもっと難しくなるかもしれない。
報道によると、中国の団体観光客が消えたとしても、東京、大阪、京都などの人気観光地の「ギャップ」は、他の国の旅行者によってすぐに埋められた。特に欧米や東南アジアからの旅行者の回帰が強く、日本国内の観光需要も旺盛であるため、人気エリアのホテルの需給は依然として逼迫しており、価格が崩れることはない。
唯一の例外は、特定の顧客層に過度に依存している「地方のホテル」にあるかもしれない。報道にある愛知県蒲郡市のあるホテルでは、中国の団体観光客を長年依存していた(シェアの7〜8割を占める)ため、禁止令後は注文がゼロになり新たな顧客もいない。こうした特定地域では、売りに出されることがあるかもしれないが、台湾人がよく訪れる主な観光地で「安くなる」と思うのは難しいかもしれない。
編集:佐野華美
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