青森ねぶた祭の中核メンバーが台湾へ! ねぶた師が海を越え、媽祖をテーマにした巨大ランタンを制作

青森ねぶた祭の中核メンバーが台湾でパレードを披露する。写真は諏訪慎氏の作品「大物浦の亡霊」。(写真/文化総会提供)
青森ねぶた祭の中核メンバーが台湾でパレードを披露する。写真は諏訪慎氏の作品「大物浦の亡霊」。(写真/文化総会提供)

「2026 台日友好 青森ねぶた、嘉義に到着」は、3月3日から15日まで台湾ランタンフェスティバルで披露される。台湾文化総会は、日本・青森を代表するねぶた師の諏訪慎氏と林廣海氏を招き、初めて台湾での現地制作を実施。作品は、嘉義県配天宮の「樸仔媽(媽祖)」、千順将軍、山軍尊神・虎爺公を題材にした大型ねぶた灯籠となる。あわせて、青森ねぶた祭の中核を担う出演陣も来台し、日本東北三大祭りの一つであるねぶた祭の圧倒的な迫力を高い完成度で再現する。

文化総会の李厚慶・秘書長は、東日本大震災以降、日台両国は幾度も互いに助け合ってきたと振り返る。先日、青森で発生したマグニチュード7.5の地震に際しても、台湾では多くの人々が関心を寄せ、家族や友人を思うような近さを感じたという。青森市の西秀記市長も以前、青森と台湾は関係が安定し、距離も近い信頼できるパートナーだと語っている。李氏は、日台関係は政府間にとどまらず民間レベルでも緊密であり、その貴重な絆を丁寧に育てていくことが重要だと強調し、文化交流を通じて長期的な友好関係をさらに深めたいと述べた。

文化総会によれば、今回のねぶた制作は文化交流の象徴であると同時に、日本の職人が手仕事で台湾に祝福を届ける意味も持つ。制作過程では、地元の団体が紙貼り作業に参加し、嘉義県の永慶高校も夜間パレードに加わる。また、日本の職人が手作りした限定100基の「台日友好ランタン」も用意され、文字を書き込めるスペースを設けることで、来場者が言葉で祝福を託し、海を越えた友情を光として表現できる仕掛けとなっている。

日本東北三大祭りの一つである青森ねぶた祭は、巨大な人形灯籠が夜の街を練り歩く壮観な光景で知られ、毎年国内外から多くの観光客を集めてきた。昨年は「台湾の媽祖」をテーマにしたねぶた灯籠が初めて制作され、諏訪慎氏と在日台湾人作家・下町貴族氏の共同制作によって、日台文化交流の新たな一歩が刻まれた。

今年の「2026 台日友好 青森ねぶた、嘉義に到着」は、その流れをさらに発展させ、ねぶた祭がアジアで大規模な海外制作を行う初の事例となる。これは、ねぶた作品が大英博物館で展示されて以来、25年ぶりとなる本格的な海外展開でもある。作品には、樸仔媽、千順将軍、虎爺公といった台湾の信仰が取り入れられ、国境を越えた文化の交差を象徴する内容となっている。

会期中、ねぶた灯籠は静態展示にとどまらず、台湾ランタンフェスティバルのパレードにも参加する。囃子を奏でる「ねぶた囃子」、踊り手の「跳人」、灯籠を引く「曳き手」など、青森ねぶた祭の中核メンバーがそろって来台し、本場そのままの形で青森の夏祭りの熱気を嘉義で再現する。

あわせて、開運と祝福を象徴する限定100基の「台日友好ランタン」も販売される。価格は1基12,000台湾ドル(約6万円)で、即日予約を受け付ける。文字は言語を問わず、1行8文字、2行で計10文字まで記入可能。ランタンは3月3日から15日まで展示され、国境を越えた100の祝福を象徴する存在となる。

このほか、期間中は青森ねぶた祭の関係者と地元団体、学校との交流も行われ、ワークショップや紙貼り技法の実演を通じて、ねぶた文化を紹介し、創作体験の機会を提供する。嘉義県の永慶高校もパレードに参加し、青森のチームとともにねぶた灯籠を曳く予定だ。台湾の来場者もパレードに加わり、日本の伝統的な祭りの踊りを体験することで、両国の文化と民間交流がさらに深まることが期待されている。

中国語関連記事

編集:田中佳奈

最新ニュース
徐和謙の視点:トランプ文書が示す「世界観」と台湾海峡の行方
台湾・民進党初選で頼瑞隆氏に「いじめ疑惑」直撃、林俊憲氏も失速気味 頼清徳氏が背負う「高雄・台南」攻防が激化
舞台裏》「秘書費」をめぐり批判噴出 台湾・立法院法案を動かした2人の存在
トランプゴールドカードだけでなく、トランプ企業ゴールドカードも 米商務部長がグリーンカードとの違いを説明:エリートのみ受け入れる
12月13日15時)U-NEXT、「FNC KINGDOM」10周年公演を独占ライブ配信 FTISLANDの秋ツアーも3カ月連続配信
台湾で人工生殖法が17年ぶり大改正へ! 女性同士の婚姻も合法的に出産可能に、なぜ代理出産は見送られたのか? 子の権利と親子認定を徹底解説
GPT-5.2登場!インスタント/シンキング/プロの3種類、年齢検知と成人モードの違いは?
価格が明示された「アメリカンドリーム」!「トランプゴールドカード」計画が公式に始動:100万ドル寄付で移民資格を迅速に取得可能
中国の旅行禁止令から1か月、日本観光は崩壊したのか? メディアが明かす「最大の被害者」:ホテル業界が活用した秘策とは
TYO、ブランドジャーナリズムと協業し「伝わる」企業映像を強化 次世代発掘の学生アワードも始動
クマ被害急増の真因は「エネルギー革命と森の回復」 横山真弓教授が指摘「日本の生息密度は欧米の10倍以上」
舞台裏》台湾・国民党、2026年大敗を覚悟! 台中ではない「あの県市」を失えば、盧秀燕氏の総統選出馬は消滅か
高市早苗首相「台湾有事論」は本当に独断だったのか? 参議院議員が幕僚の手書き原稿を公開、日中関係悪化の責任を追及
独占インタビュー》AIが労働力を代替し、週休3日が到来へ? ノーベル経済学賞受賞者が台湾産業の「あるリスク」に警鐘
ディズニーが10億ドルでOpenAIに出資!「スター・ウォーズ」や「マーベル」をSoraに独占ライセンス、ハリウッドに失業の波が懸念
中国が「琉球未定論」を提起、高市早苗首相に反論? 東大教授が沖縄の日本帰属を強調
7年半で依頼7000件超、「ただ一緒にいる」サービスの実像 森本祥司氏が見た現代日本の孤独
秋田県知事が語る「自衛隊派遣」に踏み切った理由と「新世代クマ」の脅威 人里で相次ぐクマ襲撃、秋田で何が起きているのか
グランツリー武蔵小杉でクリスマス気分全開 サーカスモチーフのツリー&予約不要のクリスマスケーキも登場
台湾のドローン産業、欧州最前線へ 銘旺科技がウクライナで実戦テストに招請 「非レッド・サプライチェーン」戦略の中核に参入
「東京は令和、地方は江戸時代」若年女性が地方を離れる本当の理由とは
台湾・台南の蘭とアンスリウム、日本皇室の昼食会を彩る 台南市、東京国際花道博覧会に出展 花と農産品で存在感
「正しいことを言うだけでは通じない」東大・阿古智子教授が警告する日本の対中外交の限界「独自のナラティブを持つべき」
米軍、ベネズエラ沖でタンカー押収 トランプ氏、マドゥロ政権にさらなる圧力を予告
キヤノン、中国生産から撤退 「史上最高水準」の退職補償が注目集める
福島第一原発の廃炉、本格デブリ取り出しまで「12~15年」 保管場所不足に強い懸念
中露合同訓練の直後、米軍B-52爆撃機が日本海を飛行 空自戦闘機と共同訓練 日米の防衛協力が示すメッセージ
「方向性は正しいが弱点もある」台湾1.25兆国防予算を日本の元陸将が分析 日本の反撃能力と重なる「同じ歴史的分岐点」
中国のミサイル戦力が「量」で圧倒 陸自「三つ星」退役の小川清史氏「日本は『打たれるだけ』では生き残れない」日本と台湾は同じ戦場に
鎌倉・建長寺で光とアートが交差 企画展「わたしの輪郭が、やわらかくなる。」12月開催
TSMC熊本第2工場で「工事停止」 重機撤去の背景にAI需要シフトか
ヘラルボニーと東急電鉄、アートラッピング電車で共創 東横線・田園都市線で運行開始
高市早苗首相がフォーブス「世界で最も影響力ある女性」3位に 初ランクインで異例の評価
「中国崩壊論」はウォール街投資家によって覆される? アメリカの資金がETFの秘められた経路を通じ、中国AI産業に流入中
高市首相「台湾有事」発言で日中関係が緊迫 朱建栄氏が日本記者クラブで語った「対立の本質」とは
在留カードとマイナンバーが一体化へ 「特定在留カード等」制度を公表、2026年6月14日運用開始
日中関係が緊張する中、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』が中国で1か月上映・1613万人動員 興収149.3億円のヒットに
グレープストーン、2025年クリスマス&2026年年賀スイーツを発表 限定商品が多数登場
中露が日本問題で「戦略対錶」 外交から軍事テーマへ格上げ、北京・モスクワの狙いは何か
【武道光影】幕末最恐の抜刀技 野太刀自顕流―― 「抜き」
水原一平の賭博スキャンダル、米ドラマ化が正式決定 『ワイルド・スピード』のジャスティン・リン監督が就任
米、観光客に「SNS 5年分」提出義務化を検討 日本政府が懸念表明
名古屋エリアがAI分野で国際賞 StartupBlink「Rising AI Ecosystem Star 2025」受賞
「中国、南京追悼日に演習の恐れ」台湾国防部が警告 遼寧艦が宮古海峡通過、空母3隻の動向を分析
揭仲コラム:高市首相の台湾発言に中国が不満 説明は「未完成の答え」と批判
誕生85周年のトムとジェリー「Happyくじ」第5弾、12月26日発売 BIGぬいぐるみ、ホットドッグ姿のジェリーも登場