高輪ゲートウェイに次世代型ミュージアム「MoN Takanawa」誕生 マンガ、宇宙、歌舞伎も“体験”へ

MoN Takanawaが2026年3月28日に開館し、伝統からマンガ、音楽、宇宙までを横断する「文化の実験的ミュージアム」として始動する。(写真/MoN Takanawa: The Museum of Narratives PR事務局提供)
MoN Takanawaが2026年3月28日に開館し、伝統からマンガ、音楽、宇宙までを横断する「文化の実験的ミュージアム」として始動する。(写真/MoN Takanawa: The Museum of Narratives PR事務局提供)

伝統からマンガ、音楽、宇宙までを結ぶ「文化の実験的ミュージアム」が誕生

一般財団法人JR東日本文化創造財団が運営する「MoN Takanawa: The Museum of Narratives(モン タカナワ:ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」が、JR東日本・高輪ゲートウェイ駅に位置するTAKANAWA GATEWAY CITY内に、2026年3月28日開館する。伝統からマンガ、音楽、食、宇宙まで、多彩な文化を最新テクノロジーと掛け合わせ、分野を横断するプログラムを展開する「文化の実験的ミュージアム」としてスタートする。

MoN Takanawaでは、地下3階から地上6階、屋上までをつなぐ広大な空間を舞台に、年2回「テーマ」を掲げる。このテーマは、未来を考えるための「問い」と位置づけられ、展覧会、ライブ・パフォーマンス、ワークショップなど、さまざまな形で来館者に提示される。文化を特別な存在としてではなく、日々の営みの中に息づくものとして見つめなおし、新たな物語を生み出す場となることが狙いだ。

開館にあたり掲げられる最初のテーマは、「Life as Culture – 生きるは、ブンカだ」。食べる、楽しむ、働く、語る、休む——人が生きるために重ねる日常の行為そのものが文化をつくり、つないでいくという考え方をもとに、MoN Takanawaは「生きる物語」を未来へと手渡す場を目指す。

開館記念として展開されるプログラムは全9作品。アート、テクノロジー、伝統芸能、漫画、バレエ、歌舞伎など多様なジャンルを横断し、来館者が「生きること」と文化のつながりを体験できる内容となっている。世界の「Spiral(ぐるぐる)」をテーマにした展覧会「スパイラル・スパイラル - ぐるぐるせずにはいられない」では、アートや科学、エンターテインメントを通じて「ぐるぐる」が物事を動かし、文化を形づくる存在であることを示す。さらに、MoN Takanawaオリジナルの大型映像演出とライブナレーションを融合させた漫画体験「MANGALOGUE:火の鳥」も登場。漫画を「読む」から「体験する」へと進化させる新しい表現に挑む。

日本の伝統話芸を多言語対応と映像演出によって再構築し、来館者が共に笑い、ナラティブを共有する次世代の寄席体験も予定されている。「バレエ『アレコ』」では、マルク・シャガールが1942年に制作したバレエ背景画がデジタル技術によって舞台に蘇り、幻想的な空間を創り出す。さらに、八代目尾上菊五郎が出演する新しい歌舞伎公演も控え、伝統とテクノロジーの融合による新しい文化表現が展開される。

館内には、約100畳のTatamiでの季節のアクティビティや、菖蒲湯・柚子湯に浸かれる足湯、花見・月見が楽しめるテラス、未来を共創する3つのラボなど、多様な設備を備える。レストランやカフェ、パブリックスペースも充実し、来館者が一日を通して文化に触れる時間を過ごせるよう設計されている。

MoN Takanawaの中核を担う「Box1000」には、映像、音響、舞台機構、情報通信技術が集約され、多様なプレイヤーと共に新たなコンテンツを生み出すための先端技術が導入されている。日本初の表現に挑むための環境が整えられており、分野を超えた表現者たちが集う拠点となることが期待される。

名称に含まれる「MoN」には、新たな世界への「門」と、未来へ問いかける「問(とい)」の意味が重ねられている。キャッチコピー「ひらけ、モン」には、来館者が新しい物語と出会い、自身の中にある“文化”を開いていく場所でありたいという思いが込められている。

開館記念テーマ「Life as Culture – 生きるは、ブンカだ」を軸に、MoN Takanawaは文化の新しい循環を創り出す第一章を踏み出す。伝統、テクノロジー、自然科学、エンターテインメントが交差する場として、ここからどのような未来の物語が生まれていくのか、注目が集まる。

編集:小田菜々香

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