東日本旅客鉄道(JR東日本)が進める大規模開発「TAKANAWA GATEWAY CITY」で9月24日、環境エネルギー施策を紹介する現地見学会が開かれ、報道関係者に向けて水素燃料電池システムとバイオガス設備が公開された。冒頭では、JR東日本まちづくり部門品川ユニットの天内義也氏と、株式会社えきまちエナジークリエイト代表取締役社長の鈴木孝子氏が登壇し、それぞれ方針と具体的な取り組みを説明した。


天内氏は、JR東日本グループが掲げる「ゼロカーボン・チャレンジ2050」や「エネルギービジョン2027」に基づき、「環境性、経済性、安定性を兼ね備えたエネルギーシステムを構築し、街全体でCO₂排出量実質ゼロを目指す」と強調。「高輪ゲートウェイシティは『100年先の心豊かなくらしを実現する実験場』であり、ロボットや新モビリティ、ドローンといった先端技術とともに、バイオガスや水素を活用したエネルギーの仕組みを積極的に試みていく」と語った。


続いて鈴木氏は、同社が担うエネルギーマネジメントの取り組みについて説明し、「省エネと創エネを徹底し、街の利用者や住民と一体となってCO₂排出量実質ゼロを実現していく」と述べた。その上で、具体的に食品残渣を資源化するバイオガス設備と水素燃料電池の導入について言及。 (関連記事: 再生エネルギーの逆襲?2040年に50万トンの廃棄太陽光パネル 環境汚染の新たな火種に | 関連記事をもっと読む )

「廃棄物を資源化し、ホテルの給湯に再利用するビルトイン型バイオガス設備は23区で初の試みだ。水素についてもまずは外部で製造したものを調達するが、将来的には街の中で製造・消費するオンサイト型のサプライチェーンを構築したい」と展望を示した。