独占インタビュー》李大壮氏「台湾独立は統一の始まり」 北京は戦争望まず、頼清徳への扉も閉ざしていない

2025-09-23 12:03
中華新時代智庫基金会理事長の李大壯氏によると、北京は戦争を望まず、台湾も他を追い詰めるべきではない、一方、中国側は民進党や頼清徳にも門を閉じていないという。(写真/柯承惠撮影)
中華新時代智庫基金会理事長の李大壯氏によると、北京は戦争を望まず、台湾も他を追い詰めるべきではない、一方、中国側は民進党や頼清徳にも門を閉じていないという。(写真/柯承惠撮影)
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中国は先日「九三軍事パレード」を実施し、軍事力を誇示した。これにより台湾海峡情勢への影響が注目されたが、「中華新時代智庫基金会」理事長であり、台湾に縁を持つ李大壮氏は風傳媒の取材に対し、「習近平国家主席は台湾問題を平和的に解決すると明言しており、北京は戦争を望んでいない。台湾も相手を追い詰めるべきではない」と強調した。さらに「中国は民進党や賴清徳総統に対しても扉を閉ざしていない。両岸の交流にはまだ余地がある」と述べた。

李大壮氏は「中華新時代智庫基金会」理事長、港台経済文化合作協進会主席、中国人民政治協商会議(全国政協)委員を務める。さらに彼は張学良の甥孫でもある。

九三軍事パレードで習近平が台湾に言及しなかった理由

李氏は「台湾の政治家や国民は台湾に関する発言に敏感だが、今回はそうした視点ではなく見るべきだ」と指摘。今回のパレードは「世界反ファシズム戦争記念」が主題であり、習近平は「戦争の惨禍を忘れず、自国の発展を通じて自主性を確保する」ことを全世界に向けて発信したと説明した。

「これは戦争準備の宣言ではなく、むしろ戦争を避けるための発展だ」と李氏は強調した。

中国発展の背景にある意図

李氏はさらに「台湾は習近平の発言を台湾向けと解釈しがちだが、実際には全世界に対するメッセージだ」とし、「中国が発展を続ける理由は、再び他国に侮辱されないためだ」と述べた。

また、米国が中国に不合理な関税を課した際、中国が対抗措置を取ることができたのは、経済力・軍事力・科学技術力を含む総合的な国力が備わっているからだと指摘。「全分野で最強とは言えないが、平均的に見れば不公正な圧力に抗える実力を持っている」と分析した。

中国国家主席習近平在93阅兵开幕式上发表重要讲话并检阅受阅部队。(新华社)
中国の習近平国家主席は、九三軍事パレードの開幕式で重要な演説を行ったが、その内容には台湾への直接的な言及はなかった。(写真/新華社提供)

「兵器は見せるためのもの」

李氏は軍事パレードの意義についても言及。「我々は兵器の性能を論じるだけでなく、本来それは『見せる』ためのものであり、実際に使用されれば破滅的な結果を招く」と述べた。

そして「習近平の開幕演説は、過去80年前の戦争が民族に与えた傷を想起させると同時に、現代の兵器がさらに危険であることを自覚し、慎重であるべきだという警鐘だった」と強調した。

弁証法で考える:独立が統一の始まりになる可能性も

李大壮氏は、「両岸問題は最初から最後まで『中米問題』であり、台湾はこれを十分に認識している。台湾は常に中米の間で自らの立ち位置と空間を求めてきた。しかし、この過程で台湾は行き過ぎてはいけない。もし中米の間で緊張を引き起こせば、台湾は自分の首に2本の刃物を置いているようなものだ。しかし同時に、台湾は台湾市民の思いにも応える必要がある」と述べた。

李大壮氏は続けて、「私は以前、国民党政府の国安の高層の友人がいて、彼は習近平が武力で台湾問題を解決するだろうと常に考えていた。しかし、私の見解は異なり、私は彼に言った。『あなたたち書生は戦争を経験したことがない。2047年や2050年に台湾問題を武力で解決すると言っているが、それは完全に無駄な話だ。もし本当に戦争を起こすつもりなら、事前に知らせることは絶対にない』」と語った。

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