株式会社ベクトル(東京都港区、代表取締役会長兼社長CEO:西江肇司)は、子会社である株式会社ニューステクノロジー(三浦純揮社長)が運営するタクシーサイネージメディア「THE TOKYO TAXI VISION GROWTH」を台湾で展開すると発表した。
台湾大手広告代理店・火星創集股份有限公司と合弁で「新里程科技傳媒股份有限公司」を設立し、2025年9月1日よりサービスを開始する。対象エリアは台北市、新北市、基隆市、桃園市、高雄市で、配車アプリ「LINE GO」「yoxi」が保有する約3,500台のタクシーにサイネージ端末を搭載する。
台湾市場の特徴と広告効果
台湾ではタクシー利用が非常に盛んで、「LINE GO」は会員数480万人、「yoxi」も150万人を突破している。主な利用者層は高所得層の女性や管理職のビジネスパーソンであり、美容や健康食品といったジャンルとの親和性が高い。また、空港送迎需要の拡大により、訪日経験者をターゲットにしたインバウンド向けプロモーション効果も見込まれている。
東京での実績を活かした展開
ニューステクノロジーは、東京都内で約11,500台のタクシーに導入した実績を持つ。そのノウハウを活かし、まずは台湾で3,500台からスタートし、3年以内に7,000台への拡大を目指す。日系企業による台湾での車内デジタルサイネージ事業は今回が初の試みとなる。
「GROWTH TAIWAN」では、後部座席に12.5インチ・2K相当の高画質タブレットを設置し、10秒から30秒の動画広告を配信。視聴数や配信時間帯を可視化することで、広告効果を検証しやすくし、PDCAサイクルを回す仕組みを整える。
関係者コメントと今後の展望
新里程科技傳媒の木下研生董事長は「日本で成果を上げてきたモデルを台湾にローカライズし、広告主と利用者双方に価値ある体験を提供したい」と述べた。今後は配車アプリ連動型のターゲティング広告や、NFC・QRコードを活用した施策にも展開する方針だ。
ベクトルグループは、アジアを代表するPR会社として国境を越えてブランド価値を創出する支援を続け、テクノロジーとクリエイティブを融合させた新たな挑戦を推進していく。
編集:梅木奈実
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