トップ ニュース NVIDIA×Intel共同開発始動 RTX搭載SoCからカスタムx86 CPUまで多世代製品を計画
NVIDIA×Intel共同開発始動 RTX搭載SoCからカスタムx86 CPUまで多世代製品を計画 NVIDIAがIntelの普通株への投資を発表し、データセンターとPC製品の多世代にわたる共同開発を同時に開始すると発表した。（写真／X@LipBuTan提供）
9月18日、米半導体大手のNVIDIAは、1株23.28ドル、総額50億ドルを投じてIntelの普通株を取得すると発表した。同時に、複数世代にわたるデータセンター製品とPC製品の共同開発を始動する。計画には、Intel 設計のカスタムx86 CPUをNVLinkでNVIDIA のAI基盤に直接接続する構想や、NVIDIA RTXチップをx86 SoCに組み込んだPC製品の展開などが盛り込まれている。
この動きは、AI加速分野でのNVIDIA の技術スタックと、Intelが長年培ってきたx86エコシステムを深く結びつけるものである。市場は即座に反応し、Intel株は取引中に20％超急騰し、NVIDIA 株も同時に上昇した。公式発表では、NVLinkとx86の結合が協業の核心であると明言され、両社が製品からエコシステムに至るまで戦略的に補完関係を築くことを示した。
連盟内容と技術統合｜NVLink直結CPU、生態系の融合 両者の発表によると、データセンターにおいてIntelはNVIDIAのAIインフラストラクチャプラットフォームを組み込んだカスタマイズされたx86 CPUを構築する。PCについては、IntelはNVIDIA RTXチップを統合したx86 SoCを発表し、性能と効率を同時に考慮する次世代PCをサービスする。NVIDIAのCEO 黄仁勳氏は、この協力を「世界クラスのプラットフォームの融合」と強調し、それぞれのエコシステムを拡大し、次の計算世代の基礎を築くことを目指すと述べた。技術的には、NVLinkは高帯域幅と低遅延のアクセラレータ間接続を提供し、x86 CPUとの「ネイティブレベル」の協同にまで拡張され、ソフトウェアとハードウェアの統合のハードルを下げる。これは、大規模モデルのトレーニングや推論、データ集約型の作業負荷に特に重要である。
サプライチェーン焦点｜TSMCは短期的に懸念なし、新製品の方向性は正式発表待ち 製造面から見ると、智璞産業趨勢研究所の林偉智・執行副総経理は、NVIDIAが高度なプロセスの供給でTSMCに依存している点を指摘した。海外報道でも、今回の提携における一部のチップは引き続きTSMCが受託製造を担うとされ、「受注移転」への懸念は短期的に和らぐ見通しである。
新製品の構成については、PC分野ではx86とRTXを組み合わせたSoC路線が明確に示されている。一方、データセンター向けには「カスタムx86 CPUとNVIDIA AIプラットフォーム」を組み合わせた複数世代の製品ラインが計画されている。
総じて、既存のTSMC向け受注は当面影響を受けず、NVIDIAの超大規模顧客による需要に沿って継続すると見込まれる。
Intelの課題と転機｜「顧客不足」から「エコシステムの補完」へ 近年、Intel は製造体制の転換と製品ライン再建の双方を抱え込み、「顧客不足／設計案件不足」が最も深刻な構造的ボトルネックとされてきた。今回、NVIDIAが資本投入と共同設計を並行して進めることで、最も需要の高いAIワークロードをインテルのx86陣営へ再び接続させる格好となり、データセンター領域とPCプラットフォームの双方で「直接的な補完」となる。
より重要なのはインターコネクト戦略である。Intelは近月、AMDやBroadcomと共に「UALink」を推進したばかりだが、同時にx86 CPUへのNVLink導入を約束した。これは「アクセラレーター—CPU」間の相互接続性において、エコシステム互換性を全面的に優先する現実的な路線を選んだことを示し、設計案件と顧客カバレッジの最大化を狙う姿勢を鮮明にしたものである。
政策面と地政学的評価｜「米国サプライチェーンの受益」の政治経済効果 ここ数か月、米国政府によるIntelへの資本支援や政策的な後押しが進められており、今回の提携の大きな背景の一つとなっている。そのため、一部の論評では「米国国内のサプライチェーンこそ最大の受益者」との見方も示されている。
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