トランプ氏と習近平国家主席が近く電話会談を行う予定であり、その内容に大きな関心が寄せられている。共和党の下院議員モーレナール氏は、この会談にはあまり期待していないと述べ、象徴的な意味合いにとどまる可能性があるとの見方を示した。会談で台湾問題が取り上げられるかどうかは不明としつつも、台湾は米国民にとって重要な関心事であり、トランプ氏にとっても同様であると強調した。
米中首脳会談の焦点は何か?
ブルームバーグが米政府高官の話として伝えたところによれば、米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席による電話会談は19日午前に行われる見通しである。TikTok、ボーイング機、レアアース磁石、そして台湾問題が主な議題となるとみられる。両者が対話するのは6月以来初めてである。
米連邦下院共和党の「米中戦略的競争特別委員会」委員長ジョン・モーレナール氏は、国会での取材に対し、両首脳はTikTokなど複数の問題について意見交換するだろうと述べつつも、正式な議題が設けられているかどうかは不明であると語った。
「したがって、両者が対話すること自体は良いことである」とモーレナール氏は述べた。同氏は、大統領がTikTok問題の解決策を主導していると確信しており、法に則った対応を可能にする明確な指針の提示を期待していると強調した。その上で、米国民の個人情報を保護し、中国共産党がアルゴリズムを支配することを防ぐ必要性を訴えた。
モーレナール氏は改めて、「あくまで一度の電話にすぎず、今後の貿易や安全保障政策に関する対話のきっかけとなる可能性がある」と強調した。同氏は、中国があらゆる手段を尽くすだろうと予測し、すでに北京当局が米半導体大手NVIDIAへの対抗策として、中国のハイテク企業に同社製AIチップの購入停止を命じた事例を挙げ、これらは姿勢を示すためのパフォーマンスや広報戦略にすぎないと指摘した。
台湾問題に関しては「具体的な情報は持ち合わせていない」とした上で、「台湾はより深い議論が必要であることは明らかだ」と語った。さらに、米国側は中国共産党が必要に応じて武力による台湾奪取を辞さないと公言していることを強く懸念しており、台湾が自由を追求し、自らの指導者を選び、世界経済において責任ある役割を果たすことを支持したいとの立場を示した。
APEC会合への布石?
ブルームバーグによれば、今回の電話会談は、10月末に韓国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に予定されるトランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談に向けた布石となる見通しである。台湾は依然として米中関係における最大の摩擦点であり、中国の王毅外相は最近、米国に対し「台湾問題では言動を慎むべきだ」と改めて強調した。北京は米国に対し、対台湾武器売却や軍事訓練での協力を縮小するよう求める可能性がある。
米シンクタンク、ブルッキングス研究所のパトリシア・M・キム研究員は、注目を集める「米中首脳会談」が具体化しつつあると指摘した。その上で、米国は台湾問題を交渉対象から外す姿勢を明確に示すべきだと提言し、そうすることでインド太平洋地域における自国の信頼と威信を損なわずに済むと強調した。
編集:柄澤南 (関連記事: トランプ政権が台湾向け4億ドル軍事援助を一時停止 米中首脳会談への譲歩の恐れ | 関連記事をもっと読む )
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