TikTok米国事業で米中が枠組み合意 トランプ大統領、習近平主席と最終確認へ

2025-09-16 11:40
トランプ大統領と中国国家主席習近平氏が7日、フロリダ州のマールア・ラーゴで散歩する(写真/AP通信提供)
トランプ大統領と中国国家主席習近平氏が7日、フロリダ州のマールア・ラーゴで散歩する(写真/AP通信提供)
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米中関係が緊張する中、数年来くすぶってきたTikTok米国事業の売却問題がついに大きな進展を見せた。スペイン・マドリードで2日間にわたり行われた激しい貿易交渉の末、米中双方の代表は15日、「TikTok問題に関する枠組み合意に達した」と発表した。世界の若者に広く親しまれる短編動画アプリが米国で事業を継続する道が開かれた形である。トランプ米大統領は今週金曜日、中国の習近平国家主席と通話し、この合意の最終的な詳細を自ら確認する予定である。

この劇的な展開は、米国によるTikTok禁止令の発効を目前に控えた数日前に起き、世界の市場やテクノロジー業界の注目を集めた。これまで北京はTikTok米国事業の売却に対して強硬な姿勢を示してきたが、今回は態度を軟化させた。多くの専門家は、これがトランプ米大統領による中国への国賓訪問の可能性を引き出す狙いであり、停滞していた米中首脳レベルの交流に新たな変数をもたらす動きとみている。

米国代表団を率いたスコット・ベセント財務長官は、マドリードのサンタクルス宮で開かれた記者会見で「TikTokの所有権移転に関する枠組みに合意した」と述べ、「取引の商業条件については、これは2つの民間企業間の問題であり言及しないが、条件面ではすでに一致を見ている」と説明した。

また、米国通商代表部のジェイミソン・グリア代表も「我々は繰り返し延期を行うつもりはない。すでに合意に達した」と強調し、これまで繰り返されてきた禁止令発効の延長が今後は常態化しないことを示唆した。

一方、中国代表団も前向きな反応を示した。中国商務部の李成鋼副部長は会見で、TikTok問題解決に関する「基本的な枠組みの共通認識」に達したと認め、今回の会談を「率直で、深く、建設的なもの」と形容した。ただし李副部長は、技術や貿易問題を政治化・武器化することに反対し、中国は国家利益と企業の権益を断固として守ると強調した。

北京の思惑:TikTok合意をテコにトランプ訪中実現か

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の分析によれば、今回の交渉で北京が示した柔軟姿勢は、トランプ米大統領の国賓訪中実現を強く望む戦略と密接に関わっている。マドリード会談以前、中国当局はTikTokの親会社バイトダンス(ByteDance)が米国投資家に持株を売却するよう求める米側の圧力に一貫して抵抗してきた。しかし、同紙が関係者の話として伝えるところでは、今回の譲歩はあくまでトランプ訪中の可能性を残すためであるという。中国本土で入念に準備された首脳会談は、習近平国家主席の強力な指導力を国内に示すうえで有利であり、多国間の場で起こり得る予測不能な展開を避ける狙いがあるとされる。

その目標に向け、北京は積極的に動いている。李強国務院総理が今月の国連総会に出席し、米国高官への働きかけを行うとみられており、さらに「トランプが先に訪中すれば、習近平が来年米国で開かれるG20サミットに訪米する」という交換条件を提示する可能性があると報じられている。米政府関係者はブルームバーグに対し、TikTok問題で合意に至らなければ、来月韓国で予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に計画されていた「トランプ・習会談」は実現せず、国賓訪中の話も立ち消えると明らかにした。TikTokはまさに、米中首脳会談の成否を左右する重要な交渉カードとなっている。

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