イーロン‧マスク氏の言及をきっかけに一躍注目を浴びた日本人会社員でモデル‧女優としても活動するSAO(荒木佐保里)が、『風傳媒』の独占インタビューに応じ、自身初のソロ曲「OHAYO」に込めた思いと急激な変化の中での心境を語った。7月25日にX(旧Twitter)に投稿した「おはよう」という短い一言が拡散し、約60カ国から延べ2億回以上閲覧。ネット上では彼女の写真を用いたミームが相次いで生まれ、世界各地から数千件に及ぶコメントが寄せられた。

風傳媒の単独インタビューで心境を語る
1996年生まれで長崎県出身の荒木は、10代から地元でアイドル活動を経験。現在は会社員として勤務する一方で、フリーのモデルや女優としても活動している。「芸能活動だけでは生活できないため会社員を続けてきたが、表現をやめる理由もなかった」と語り、この二刀流の生活を自然な選択として受け止めている。芸能活動のために会社を休む際には「職場に申し訳ない気持ちになる」としながらも、それ以外に大きな困難はないという。

7月に投稿したスーツ姿の写真は10日間で約8,000万回のインプレッションと23万件以上の「いいね」を獲得。マスク氏の言及を契機にフォロワー増加数ランキングで一時世界2位となった。荒木は「半分は喜びで、半分は驚きだった。以前は千件の『いいね』も少なかったのに、突然これほどの反響があり自分のこととは思えなかった」と振り返る。さらに「初めて曲を出してから10日間で300万回も再生され、この反響には自分でも驚いている。まだ実感がないのが正直な気持ちです」と率直な心境を明かした。

発信のスタンスについては「特に一番好きな投稿はなく、常に自分のしてきたこと全てを大切に思っている」と述べ、「自然体で真実の自分を見せたい」と強調する。かつてアイドルグループで活動していた時期と比べても「考え方やスタンスは特に変わっていない。アイドル時代から支えてくれた人は今も変わらず応援してくれるし、距離感も変わらない」と語り、自信心についても「特に大きな変化はない」と答えた。

急激に注目を集める中で批判的なコメントも届いたが、「最初は悲しく感じたが、全員に好かれるのは無理だと意識するようになった」と心境の変化を打ち明ける。その一方で「睡眠時間をしっかり確保することで心と体のバランスを保つようにしている」と、生活面での工夫も明かした。 (関連記事: 世界的バズの日本人会社員SAO 初のソロ曲「OHAYO」発表 | 関連記事をもっと読む )

初のソロ曲「OHAYO」には、そうした経験が色濃く反映されている。「歌詞には『おはよう』を繰り返し入れ、最後には『THX』と書いた。応援してくれる人も批判する人も、イーロン‧マスク氏を含め、出会った全ての人への感謝を込めた」と説明する。