海上保安庁は、9月10日から12日までイタリア・ローマで開催された「第4回世界海上保安機関長官級会合」に参加した。今回の会合には過去最大規模となる99の国・地域から115の海上保安機関や関係機関が集まり、海上保安庁の瀬口良夫長官がイタリア沿岸警備隊のカルローネ・ニコラ長官とともに共同議長を務めた。
ローマで99か国・地域115機関が集結、国際連携や人材育成を確認
会合では、世界の海上保安機関間の連携強化や対話の拡大、知識や技術の共有の重要性が再確認された。また、各国が取り組む海洋状況把握(MDA)の活用事例が発表され、海をめぐる課題に協力して対応する必要性が共有された。
さらに、2019年の第2回会合で設立された「海上保安国際人材育成オンラインプログラム」の三か年計画について進捗報告が行われ、今後も活用を促進・強化する方針が示された。日本からは「海上保安政策プログラム」が好事例として紹介され、各国の教育機関や研究所との情報共有が進められていることも報告された。
議長総括では、国際海洋法を基盤とした「法の支配に基づく海洋秩序」の確保や、気候変動、IUU漁業、組織犯罪など地球規模課題への対応強化も打ち出された。あわせて、2027年に第5回会合をインドで開催することが決定した。
瀬口長官は「海上保安機関は『法の支配の守護者』でなければならない」と発言し、法執行機関としての責務を強調した。参加者は、今後も「平和で、美しく、豊かな海」を次世代に継承していくため、国際的な協力を一層深めていくことで一致した。
編集:柄澤南 (関連記事: 海上保安庁長官、シャングリラ・ダイアローグで初スピーチ 「法の支配」を強調 | 関連記事をもっと読む )
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