ロシア・ウクライナ戦争が始まってすでに3年以上が経過した。アメリカのトランプ大統領が停戦調停を試みてはいるものの、戦火は収まらず、前線は依然として激しい戦闘に包まれている。これについて、台湾の元立法委員・郭正亮氏は「ウクライナの勝利はもはや望めない。戦争が続けば状況はさらに悪化するだけであり、アメリカも深入りを望んでいない。軍事的に優位なロシアを前に、米国は長期関与を避けるため、損失を抑える形で和平を模索せざるを得ない」と指摘した。
郭氏は自身のYouTube番組で「ロシアとウクライナはすでに戦争状態だが、台湾海峡ではまだ戦火は起きていない。トランプ大統領が最も懸念しているのは、自らの任期中、たとえば2027年に予想されるように、台海で戦争が起こる可能性だ」と述べた。その場合、軍事力で大きく劣る台湾を支援することは、米国にとってリスクも代償も大きすぎる上、必ずしも勝利が保証されるわけではないと強調した。
さらに郭氏は「米国の過去の兵棋演習の多くは敗北に終わっている。トランプがその現実を計算に入れるのは当然だ」と説明。その上で、中国もロシア有利に傾く戦況を注視しており、米露首脳会談を通じてウクライナに和平案を飲ませたアメリカの動きを参考に、台湾海峡でも同様のシナリオを狙う可能性があると分析した。「それは中国にとって、両岸の『平和統一』を進める前例のない好機となるだろう」と述べている。
郭氏はまた、9月3日に予定される北京での大規模軍事パレードを「米国に対する力の誇示」と位置づけ、台海で戦争が起きれば「ロシア・ウクライナ戦争以上に悲惨な展開となる恐れがある」と警告した。
その根拠として郭氏は「最近、中国は異例の行動を取った」と指摘。具体的には、山東半島から7隻もの1万トン級のロールオン・ロールオフ船(軍民兼用)が一斉に南下し、米国防総省が即座に警戒。日本の基地からRC-135W戦略偵察機を出動させ、丸一日監視に当たったという。郭氏によれば、中国が台海戦争を仕掛ける場合、こうしたロールオン・ロールオフ船に装甲車や兵員、無人部隊を搭載し、上陸地点でランプを下ろせばそのまま「道路」となり、車両を迅速に展開できる仕組みだという。
郭氏は「8月初旬から9月3日の軍事パレードにかけて、中国は台湾有事で実際に投入し得る兵器を次々と披露するだろう。米国はそれを目の当たりにし、自国に本当に介入の余地があるのか、勝算はあるのかを突き付けられることになる。むしろ代償が大きすぎると判断し、台湾問題をめぐって中国との取引を模索する方が合理的だと考える可能性がある」と述べた。
結論として郭氏は「中国は軍事力を示すことで、米国に現実的な計算を迫っている。台海戦争を回避し、早期に両岸の平和統一交渉に踏み出すことこそ、アメリカにとって最善の戦略的選択となり得る」と締めくくった。
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編集:田中佳奈
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