テクノポップユニットのPerfumeがデビュー20周年を迎えた9月21日、公式サイトなどを通じて年内をもって活動を休止すると発表した。メンバーのあ~ちゃん(36)、かしゆか(36)、のっち(37)は声明で「自分たちが胸を張って“輝いている”と思えるこの瞬間を刻むため、2026年から一度コールドスリープします」と報告。「Perfumeはどんな形になっても3人でいれば一生Perfume。その中でより良く、よりかっこいいPerfumeで新しい挑戦に進むため、ひとつの区切りを持とうと決めました」と説明した。

関係者によると、活動休止は結婚や妊娠によるものではなく、今後も現所属事務所に在籍する。ソロ活動については現時点で未定だという。
東京ドームで熱狂的な公演
22日、東京ドームで行われた公演では、『風傳媒』が現場を観察すると、が会場はほぼ満席となり、物販エリアや入場ゲートには開演前から長蛇の列ができた。Tシャツやタオル、記念パンフレットは早い時間に売り切れる商品も出るなど盛況で、周辺道路までファンの波が押し寄せる光景が広がった。

観客には日本人だけでなく海外からのファンも多く、欧米や台湾から訪れたとみられる姿も目立った。欧米から訪れたとみられるファンの顔も多く、また台湾から来たとみられる人々の姿も確認できた。取材は行っていないが、国境を越えて多様なファンが集結している様子は、20年にわたりPerfumeが培ってきた国際的な人気の広がりを裏付ける光景となった。

20年の軌跡
Perfumeは1999年に広島で結成され、2005年にメジャーデビュー。2007年の「ポリリズム」でブレイクし、2008年にはアルバム『GAME』がテクノポップ史上初のオリコン週間1位を獲得。同年にNHK紅白歌合戦へ初出場し、2023年まで16年連続出場を果たした。

2010年には東京ドーム公演を実現し、2012年には台湾・韓国・香港・シンガポールを巡る初の海外ツアーを敢行。2013年には世界最大の広告祭「カンヌライオンズ」で日本人アーティストとして初めてパフォーマンスを披露。2019年には米国の音楽フェス「コーチェラ」にJ-POP女性アーティストとして初出演し、2023年には欧州最大級の音楽フェス「Primavera Sound」に出演するなど、日本のポップカルチャーを世界に発信してきた。

Perfumeのステージは、緻密に構成されたダンスと最先端テクノロジーを融合させた演出が大きな特徴だ。振付師MIKIKOによる幾何学的で正確な振り付けに加え、レーザーやプロジェクションマッピング、可動式の照明やスクリーンを駆使したパフォーマンスは、観客を一体のインスタレーション作品に引き込むような圧倒的な没入感を生み出してきた。 (関連記事: 世界陸上東京2025:競歩金メダリスト・ボンフィム選手、レース中に紛失した結婚指輪、奇跡の発見 「日本を信じていた」感動の結末 | 関連記事をもっと読む )
今回の東京ドーム公演でも、最新アルバム『ネビュラロマンス』収録曲を軸に、「チョコレイト・ディスコ」「ワンルーム・ディスコ」といった代表曲を織り交ぜたセットリストで、デビューから20年の軌跡を凝縮した内容となった。ステージ終盤、メンバーは「これまで支えてくれた皆さんに感謝します。必ずまた新しい姿で戻ってきたい」と語りかけ、観客は涙と拍手で応えた。