強烈な台風18号(ラガサ)が台湾に接近している。気象専門家の呉徳栄氏は22日、台風自体が正面から上陸することはないものの、その広大な風域と外側の環流によって今後2日間にわたり激しい風雨をもたらすと警告した。特に東部地域や高雄・屏東では、災害級の豪雨に厳重な警戒が必要とされる。中央気象署の最新予報によれば、同日午後からすでに10県市の一部地域で休業・休校の基準に達しているという。
呉徳栄氏の分析:南海へ抜ける進路
呉氏は自身のコラム「洩天機教室」で、欧州中期予報センター(ECMWF)のシミュレーションを引用し、台風18号は本日から水曜にかけてバシー海峡を通過した後、南シナ海に進むとの見方を示した。台風と地形の影響が重なり、北部・東部・南部では降雨が強まる見通しだ。特に東部と高雄・屏東の山岳地帯では降水量が急増する恐れがあり、土石流や浸水被害への警戒が呼びかけられている。台東や恒春半島、沿岸地域でも強い突風に注意が必要で、周辺海域では暴風や高波が予想されるため、航行や漁業活動には細心の注意が求められる。

木曜以降は天気回復へ
中央気象署の予測によると、台風18号(ラガサ)は木曜(25日)以降、台湾から徐々に遠ざかる見込みである。25日早朝は花東および高雄・屏東で一時的に雨が残るが、日中には天気が回復し気温も上昇する。週末の26日から28日にかけては全土で晴れて暑い天候となり、午後の山間部で局地的な雷雨が発生する程度で、東部でも散発的な降雨があるのみと予測されている。
9月22日午後以降10県市で休業・休校基準に
中央気象署は、台風18号(ラガサ)の中心付近で平均風速が秒速60メートルに達しており、今年最強クラスの「風王」となったと発表した。台湾に上陸していないにもかかわらず、その巨大な構造は各地に強風と豪雨の脅威をもたらしている。最新の風力予報では、桃園市、新竹市、新竹県、苗栗県、台中市沿岸、屏東県恒春半島、台東沿岸、蘭嶼、緑島、連江県、金門県、澎湖県など計10県市で、午後以降すでに休業・休校基準を満たしている。
中央気象署は、東部と南部では夜にかけてさらに雨勢が強まる恐れがあるとして、不要不急の外出を控えるよう強く呼びかけている。
資料來源:《気象應用基金會洩天機教室專欄》、《中央氣象署》
編集:梅木奈実 (関連記事: 台風18号「ラガサ」強烈化 22~23日に台湾全域で豪雨予想、休校・休業は21日夜判断へ | 関連記事をもっと読む )
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