JR東日本、高輪ゲートウェイシティで初のドローンショー開催　都市空間で「ドローンが当たり前に飛ぶ未来」を目指す

東日本旅客鉄道株式会社（JR東日本）は、2025年8月23日（土）、東京・高輪ゲートウェイシティにおいて「ドローンショー in Summer」を開催する。都市空間におけるドローン活用の可能性を広げ、「ドローンが当たり前に飛ぶ未来」の創造を目指す取り組みの一環として実施されるものだ。

JR東日本）は、2025年8月23日（土）、東京・高輪ゲートウェイシティにおいて「ドローンショー in Summer」を開催する。。黃信維 — JR東日本は、2025年8月23日（土）、東京・高輪ゲートウェイシティにおいて「ドローンショー in Summer」を開催した。(写真/黃信維撮影)

展示エリアで機体とパネルを公開

会場には展示エリアが設けられ、当日のショーで使用される実際のドローン機体も特別に公開された。来場者は機体を間近に見ることができ、「本日のドローンショーで使用する機体です」と説明板が掲示され、安全のため触れないよう注意が促されていた。

展示されたのはショー本番で編隊飛行を行う機体であり、演出には約300台のドローンが投入される予定だ。（関連記事： JR東日本、高輪ゲートウェイシティでのドローンショーを総括　「300機による都市空間での挑戦」｜関連記事をもっと読む）

さらにフロアには複数のパネルが並び、JR東日本のドローン活用の歩みと実証の成果、そして高輪ゲートウェイシティや高輪周辺エリアの再開発構想が紹介された。

ドローン活用の歩みと課題

会場内の展示コーナーでは、JR東日本グループがこれまで進めてきたドローン活用の歩みと今後の展望が紹介された。パネルでは、2021年に物流サービスの検討を開始し、2022年には設備点検への導入、2023年には高輪ゲートウェイシティでのドローンレース開催など、段階的に活用を広げてきた経緯が示された。さらに2024年以降は電波干渉や磁場調査、データ伝送の実証実験を重ね、都市空間におけるドローン飛行の課題克服に取り組み、2025年には一般公開として今回のドローンショーを実現するに至ったことが説明されている。

課題としては、電磁波・Wi-Fi干渉、人口集中地区（DID）での飛行制限、航空法による高度制限などが挙げられ、安全対策の詳細も紹介された。また、別のパネルでは東京都が進める「ドローン物流サービスの社会実装促進プロジェクト」への参画や、空飛ぶクルマのモックアップ展示なども取り上げられ、物流や設備点検だけでなくエンターテインメントを含め、次世代モビリティに向けた多方面での挑戦を印象づける内容となっていた。

高輪周辺のまちづくり紹介

パネルコーナーには、高輪ゲートウェイシティの将来像を示す大型パネルも設置されていた。再開発エリアの全体図が掲示され、「THE LINKPILLAR 1」「THE LINKPILLAR 2」といった中核施設をはじめ、住宅棟「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」や文化拠点「Mori Takanawa The Museum of Narratives」などの計画が紹介された。駅周辺に広がる複合的な都市空間を示すもので、商業、居住、文化機能を併せ持つ未来の街づくりを来場者に印象づける内容となっていた。

さらに「THE LINKPILLAR 1」を紹介する別パネルでは、広場空間や周辺の眺望、屋内施設の完成イメージが写真で示され、日常的に人々が集い、交流する拠点となる姿が強調された。来場者はドローンショーと併せて、この地で進行する都市再開発のビジョンを具体的にイメージできる展示構成となっていた。

都市部ならではの制約を克服

高輪ゲートウェイシティ周辺は人口集中地区に指定され、羽田空港の航空路直下に位置するほか、線路や国道に近接する複雑な環境にある。こうした条件下でのドローン飛行は技術的に難易度が高いが、JR東日本は2024年6月から調査を実施し、2025年3月には限定公開で試験飛行を行うなど準備を重ねてきた。今回の一般公開は、こうした検証を経て実現したものだ。

イベント概要と安全対策

ドローンショーは19時と20時30分の二部制で、それぞれ約15分間の演出が行われる。特別観覧エリアは「THE LINKPILLAR 1 SOUTH」に設けられ、各回50組200名が招待される。観覧は高輪ゲートウェイシティ公式アプリによる事前予約制で、荒天や風速5メートル毎秒以上の場合は中止される。

安全対策としては、電磁波・電波干渉の調査、遮蔽用トラックを用いた電波遮断、航空法に基づく高度制限への対応などが実施される。運営側は「安全を最優先に運営する」と強調している。（関連記事： JR東日本、高輪ゲートウェイシティでのドローンショーを総括　「300機による都市空間での挑戦」｜関連記事をもっと読む）

JR東日本は「今後もドローンが当たり前に飛ぶ未来の創造を目指す」としており、今回のショーはその第一歩として注目されている。

JR東日本、高輪ゲートウェイシティで初のドローンショー開催 都市空間で「ドローンが当たり前に飛ぶ未来」を目指す