日本ゲーム大賞2025発表　年間大賞は『メタファー：リファンタジオ』、経産大臣賞は「Nintendo Switch 2」

経済産業大臣賞は「Nintendo Switch 2」、ゲームデザイナーズ大賞は「INDIKA」に決定

日本ゲーム大賞2025、大賞は『メタファー：リファンタジオ』に決定 ─ 経済産業大臣賞は「Nintendo Switch 2」、ゲームデザイナーズ大賞は『INDIKA』。黃信維 — 日本ゲーム大賞2025、大賞は『メタファー：リファンタジオ』に決定 ─ 経済産業大臣賞は「Nintendo Switch 2」、ゲームデザイナーズ大賞は『INDIKA』。(写真/黃信維撮影）

一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会（CESA）は9月23日、東京都千代田区のイイノホールで「日本ゲーム大賞2025 年間作品部門発表授賞式」を開催した。第29回を迎える今年は、アトラスの新作RPG『メタファー：リファンタジオ』が年間大賞に輝き、経済産業大臣賞は任天堂の「Nintendo Switch 2」、ゲームデザイナーズ大賞はOdd Meter Gamesの『INDIKA』がそれぞれ受賞した。

式典はタレントの伊集院光と前田美咲アナウンサーが司会を務め、軽快なトークを交えながら進行。冒頭には竹内真二経済産業大臣政務官が登壇し、「ゲームは世界中の人々に感動を与えると同時に、社会的意義も大きい。政府としてもコンテンツ産業を基幹産業と位置づけ、官民連携で支援を強化していく」と挨拶した。

経済産業大臣賞

ハラミちゃんが気迫のこもった演奏で会場を沸かせ、本郷奏多さんは大賞作『メタファー：リファンタジオ』を「最後まで夢中でプレーした」と称えた。日本ゲーム大賞2025 PR事務局 — ハラミちゃんが気迫のこもった演奏で会場を沸かせ、本郷奏多さんは大賞作『メタファー：リファンタジオ』を「最後まで夢中でプレーした」と称えた。（写真/日本ゲーム大賞2025 PR事務局提供)

経済産業大臣賞には「Nintendo Switch 2」（任天堂）が選ばれた。2025年6月5日に発売された本機は、発売直後4日間で世界350万台を販売、累計582万台を記録。ユーザーフレンドリーな価格設定とハードとしての完成度が評価され、日本の家庭用ゲーム産業の発展に寄与した点が受賞理由とされた。開発チームは「世界中のプレイヤーに新しい体験を提供できたことを誇りに思う」と喜びを語った。

ブレイクスルー賞・ムーブメント賞

ブレイクスルー賞は「Clair Obscur: Expedition 33」（Kepler Interactive）が受賞。19世紀末のフランスをモチーフにした幻想的な世界観に加え、ターン制RPGとリアルタイムアクションを融合させた独自の「リアクティブターンベースRPG」システムが高く評価された。開発チームは「独自の挑戦を認めていただけて光栄だ」とコメントした。

ムーブメント賞は「Pokémon Trading Card Game Pocket」（ポケモン）が選出。スマートフォン向けに「ポケモンカード」を気軽に収集・対戦できる仕組みを整え、配信開始から爆発的にユーザー数を拡大。「ポケポケ」という愛称で親しまれるなど大きなブームを巻き起こしたことが評価された。開発チームは「カードゲームの魅力を幅広い世代に届けられたことに感謝している」と語った。（関連記事：日本ゲーム大賞2025、詳細発表　本郷奏多さん＆ハラミちゃん登壇　授賞式は9月23日イイノホールで｜関連記事をもっと読む）

優秀賞

優秀賞には計11作品が選ばれた。『メタファー：リファンタジオ』（アトラス）の開発チームは「新しい世界観に挑戦しながら、プレイヤーが物語に没入できる体験を目指してきた。本作がここまで多くの方に支持されたことを心から嬉しく思う」と受賞の喜びを表した。『真・三國無双 ORIGINS』（コーエーテクモゲームス）の開発チームは「長年支えてくださったファンに感謝し、進化したアクションを届けられた」と語り、会場から大きな拍手を浴びた。『龍が如く8 外伝 Pirates in Hawaii』（セガ）の開発チームは「世界中のプレイヤーに楽しんでいただけたことを誇りに思う。物語性とアクションの融合をさらに追求していきたい」と述べた。

そのほか『都市伝説解体センター』（集英社ゲームズ）、『ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン』『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』（スクウェア・エニックス）、『首都高バトル Tokyo XtremeRacer』（元気）、『モンスターハンターワイルズ』（カプコン）、『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』（アニプレックス）、『ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女』（レベルファイブ）、『ELDEN RING NIGHTREIGN』（フロム・ソフトウェア）が並び、大手からインディーまで多彩な作品が名を連ねた。

特別賞

特別賞は「プレイステーションストア」（ソニー・インタラクティブエンタテインメント）が受賞。2006年の開設以来、年間取扱額2兆円を超える規模に成長し、ゲーム流通のデジタルシフトを牽引。インディーから大手まで幅広いパブリッシャーと連携し、収益安定化に寄与した功績が認められた。開発チームは「今後もプレイヤーとクリエイターをつなぐ役割を果たしたい」と語った。

ゲームデザイナーズ大賞

ゲームデザイナーズ大賞はOdd Meter Gamesの『INDIKA』が受賞。19世紀末のロシア正教会を舞台に修道女の内面世界を描く独創的な作品で、桜井政博審査員長は「宗教や人間の内面を扱う大胆なテーマ設定と雰囲気作りは他に類を見ない」と講評。開発チームも「新しい視点を提示できたことを嬉しく思う」と受賞の喜びを語った。

年間大賞

年間大賞に選ばれた『メタファー：リファンタジオ』（アトラス）は、国王の暗殺をきっかけに始まる王位継承争いを描くファンタジーRPG。壮大なストーリーと幻想的な世界観、アクション性と戦術性を兼ね備えた革新的な戦闘システム、美しいサウンドと西洋絵画を思わせるUI、種族ごとに異なる個性的なキャラクターたちによる重厚なドラマが評価され、熱狂的な支持を集めた。

発表の場では、TGS2025オフィシャルサポーターを務める俳優の本郷奏多がプレゼンターとして登壇。「僕自身も最後までワクワクしながらプレーし、美しいグラフィックと音楽、そして緻密なストーリーに夢中になった。我々ゲームファンのためにも、これからも面白いゲームをたくさん作ってください！」と呼びかけ、会場を盛り上げた。続けて登壇した開発チームは「私たち自身が夢中になって作り上げた作品が多くの方に支持されたことに深く感謝している」と感謝の言葉を述べた。