台湾・花蓮県馬太鞍渓で23日午後に発生したせき止め湖の越流災害について、中央災害応変センターは最新の統計で死者14人、行方不明124人と発表した。犠牲者は光復郷の敦厚路や佛祖街の住民に集中しており、現在も救助隊による徹底的な捜索が続いている。
花蓮せき止め湖に再び越流の恐れ?台湾鉄道が一時運休、最新状況は
24日午前、せき止め湖に再び溢流の恐れがあるとの情報が入り、台鉄は光復区間の安全を考慮し、午前11時22分から花蓮~台東間を予防的に運休とした。415次自強号は富源駅に退避、472次自強号は寿豊駅で待機した。
しかし午前11時47分、林業及び自然保育署(林保署)から「せき止め湖に水の流れはあるが、大規模災害には至らない」との報告を受け、列車は運行を再開。影響を受けたのは2本で、遅延は計64分だった。
「第3波決壊」の情報は誤報、公式が否定
午前11時40分頃、一部メディアが「第3波の決壊で約3000万トンの水が残っている」と報道。現地消防が市街地に避難を呼びかけ、大量の車両が市外へ向かう様子も見られた。上流では水位が1時間で約2メートル上昇し、市街地の一部も冠水したため、不安が広がった。
しかし、交通部の陳世凱部長や中央災害応変センターは「堤防の決壊は発生していない」と否定。林保署花蓮分署も現場観測とドローン映像を基に「上流で雨による侵食で一部の水が流出しているが、新たな堤体崩壊はなく、第3波の洪水も確認されていない」と説明した。
台湾鉄道の運行状況
花蓮~台東間の列車は現在、通常通り運行している。台湾鉄道は利用者に対し、公式サイトやアプリでリアルタイムの運行状況を確認するよう呼びかけている。
台湾鉄道の列車運行状況はこちら
この災害はなお予断を許さず、現地では救助活動と並行してせき止め湖の監視が強化されている。
編集:梅木奈実 (関連記事: 台風18号で台湾・花蓮に壊滅的洪水 9100万トン泥流が町を襲い、橋流失・死者14人・数百人行方不明 「小林村の再来」との声 | 関連記事をもっと読む )
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