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ブルームバーグ、「台湾有事」の最前線・与那国島を取材 住民に広がる「住み続けられるのか」という不安 小泉進次郎防衛大臣が23日に石垣島の自衛隊を視察し、与那国島へのミサイル配備計画が予定通り進行中であることを発表。(写真/小泉進次郎氏のXより転載)
日本は台湾に最も近い場所に位置しており、晴れた日には、110キロ先の台湾の輪郭が肉眼で見えるほどだ。しかし、与那国島が台湾に非常に近いため、「台湾有事」の際、ここは日本の最前線となる。『ブルームバーグ』の記者は最近、この小さな島を訪れ、自衛隊の配備状況や地元住民の声を取材した。
『ブルームバーグ』によると、2022年にアメリカ合衆国下院議長のナンシー・ペロシ氏が台湾を訪れた際、中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を行った。中国のミサイルは与那国島近海にも着弾し、日本の南西防衛の最前線であることが浮き彫りとなった。現役の与那国町議員である那原繁氏(63歳)は『ブルームバーグ』に対し、「もしこの島が標的にされれば、自衛隊がいてもいなくても標的になる。ただし、自衛隊がいなければ、敵国に占領されるリスクが高まる。だから防衛は必要だ」と述べた。
東京から人口1700人の与那国島に行くには、まず沖縄の那覇空港まで飛行機で向かい、その後、プロペラ機で約1時間半の距離を移動する必要がある。しかし、高市早苗首相の発言が中国を激怒させた後、与那国島にも自衛隊増強の圧力がかかるようになった。
与那国島(写真/PhotoACより)
『ブルームバーグ』によると、実際、与那国町議会は2008年に自衛隊の配備を決議しており、日本政府は2016年に陸上自衛隊の駐屯地を設置した。現在、230名の自衛隊員が沿岸の監視と電子情報収集を担当しており、来年には敵空軍のレーダーを妨害する対空電子戦装置が導入され、さらに約30名の隊員が増員される予定だ。将来的には、地対空ミサイルを配備し、地上から敵の戦闘機を攻撃したり、巡航ミサイルを迎撃できるようにする計画もある。
一部住民の心の声:ここで住み続けられるのか 『ブルームバーグ』の記者は12月初めに与那国島を訪れ、4日の晩に自衛隊が地元住民向けに開催した自衛隊配備計画の説明会に参加した。防衛省からの説明は約30分で、その後、1時間半の質疑応答が行われ、約80人の住民が参加した。地元住民たちは、自衛隊の軍備拡張がさらなる緊張を生み出すと感じ、島でどれだけ長く住み続けられるのかを懸念している。沖縄防衛局の下幸蔵企画部長は、「これは防衛のために配置される装備です」と強調した。
しかし、『ブルームバーグ』は、説明会は与那国町長の上地常夫氏の要請で行われたものであり、自衛隊の増強に反対する住民は少数派であると指摘している。上地常夫氏は、今年8月の選挙で前町長の糸数健一氏と共に防衛力強化を推進する立場を取っており、上地氏は情報公開を求めて、557票を得て糸数氏(506票)を破った。また、与那国自衛隊の増強に反対する田里千代基氏は、136票しか獲得できなかった。
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『ブルームバーグ』によると、自衛隊が2016年に与那国島に駐屯地を開設して以来、島の人口は1489人から1686人に増加し、自衛隊員と島民の交流も増えている。毎年夏には運動会も開催されるという。上地氏 は先月、防衛大臣の小泉進次郎氏が自衛隊の駐屯地を視察した際、直接小泉氏に自衛隊員の家族も島に移住できるようにしてほしいとお願いした。上地氏は『ブルームバーグ』のインタビューで、防衛力強化の重要性を強調し、「自衛隊を与那国島に駐屯させることにはやはり必要性がある」と述べた。
自衛隊の進駐を支持するが、ミサイルの配備には慎重な立場 上地氏は自衛隊の進駐には賛成しているが、島民の「精神的負担」を考慮し、大規模な軍備強化には慎重な立場を取っている。彼は、「宮古島や石垣島に配備されている地対艦ミサイルの増強は、あまり良くない」とも言い、「もし新たな計画があるなら、すべての情報を公開してほしい」と強調した。一方、元町長の糸数健一氏は、自衛隊が既に駐屯していることは十分ではなく、与那国島にも地対艦ミサイルを配備し、米軍や台湾軍と共同で演習を行うべきだと主張し、これにより「完璧な抑止力」を築くべきだと語った。
2022年の日本防衛白書にて、自衛隊の西南地域への部隊配備が示され、台湾に近い与那国島も含まれている。(2022年版『日本の防衛』より)
新潟県立大学の国際関係教授である畠山京子氏は、日本の自衛隊が西南諸島に駐屯していることは、「中国に対して、もし地域紛争が発生すれば、日米が協力し、台湾を支援する可能性があることを示すものだ」と指摘している。畠山氏は、「もし日本がアメリカの要求を拒否すれば、同盟関係は崩壊するだろう」と述べ、紛争が起きれば日本はアメリカを支援せざるを得なくなると予測している。
アメリカの新安全保障センターの研究員であるフランツ=ステファン・ガディ氏は、もし台湾に危機が発生すれば、与那国島の電子戦部隊が台湾を包囲しようとする中国軍の動きを無力化し、日米の部隊に精密な攻撃目標情報を提供できると述べている。しかし、ガディ氏も認めるように、与那国島は台湾に非常に近いため、電子戦部隊は「敵の早期攻撃の重要な標的となる可能性が高い」とも警告している。
沖縄の歴史的背景と住民の反応 『ブルームバーグ』によると、現在、日本政府は沖縄本島に自衛隊を増強しており、陸上自衛隊は昨年3月に沖縄本島初の地対艦ミサイル部隊を具流麻市に配備した。そのほか、与那国島、石垣島、宮古島にも自衛隊の駐屯地が設置されている。沖縄は第二次世界大戦末期に米軍との激しい地上戦が行われた場所であるため、住民たちは防衛力強化に対して複雑な思いを抱えている。沖縄は戦後、長い間アメリカの統治下にあり、1972年に日本に返還された。
具流麻市の基地近くに住む73歳の照屋寛之氏は、自衛隊配備計画を新聞で知り、「また沖縄を戦場にするのか?」と非常に怒りを感じたという。彼は米軍統治下で生まれ育ち、沖縄と本土の経済格差を痛感してきた。照屋氏の3人の伯父と祖父の弟は戦争で命を落とし、遺骨も見つかっていない。照屋氏は『ブルームバーグ』に対し、「戦争が終わった後、やっと立ち直ったのに、もし再び戦争が起きたら、沖縄が最初の犠牲になるだろう」と語った。
照屋氏は「命をミサイルから守る具流麻市民会」のメンバーであり、日本政府の沖縄政策に抗議している。彼は、緊急時に使われる空港や港が攻撃の標的になりうることを強調し、「戦争が起きたら、私たちはどこにも逃げられない」と訴えた。また、照屋氏は、「日本と中国は平和友好条約を結び、姉妹都市もたくさんあるのに、今、中国にミサイルを向けるのは非常に理不尽であり、外交を通じて関係を築くべきだ」と考えている。
一方、自民党の市議会議員である新垣亞矢子氏は『ブルームバーグ』に対し、「沖縄県民は当然、抑止力を強化すべきだと考えている」と述べた。彼女は、防衛予算の増加に反対する人々が「協議や対話を通じて解決すべきだ」と言うが、中国がそのような意見を受け入れる国かどうかを問うと、「明らかに違う」と断言した。
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