日本のポップス界の天后・浜崎あゆみの海外ツアーが再び暗礁に乗り上げた。上海公演が開演前日に「不可抗力」を理由に急きょ中止されたのに続き、2026年1月10日に予定されていたマカオ公演についても、協議の結果「諸般の事情」により中止が決定した。このマカオ公演は『ayumi hamasaki ASIA TOUR 2025 A I am ayu -ep.Ⅱ-』の最終公演となる予定だった。
浜崎は9日、インスタグラムのストーリーズを通じて声明を発表し、「非常に胸が痛む結果」だと述べたうえで、「とても悔しい気持ちでいっぱいです」と心境を明かした。
浜崎によると、今回のアジアツアーは16年ぶりに開催したもので、今年6月に香港公演から再開して以降、各地のファンから温かい支持を受けてきた。しかし、上海公演の中止に続き、マカオ公演も諸事情により予定通り実施できず、ツアーの最終公演を迎えることができなくなったという。
浜崎は「上海公演に続き再び皆様に多大なる哀しみとご迷惑をおかけいたしますこと、そしてアジア各地の皆様から支えていただいたツアーがファイナルをお届け出来ないまま終了となってしまいますこと、一座・クルー一同大変無念に思っております。TAの皆様によりお詫び申し上げます」と謝罪した。
また、上海およびマカオ公演のチケット購入者については、2026年に予定されているアリーナツアーのチケットを優先的に購入できるよう手配する方針を示したうえで、「現在、チーム一丸となり動いておりますので、もうしばらくお時間下さいませ。皆様の無念な想いを無駄にしないよう出来る全てで尽力いたします。」とコメントした。
国際ファンにも謝罪 「私もチームも必ず前を向く」
浜崎は英語でもメッセージを投稿し、「私とチームはこの公演を実現することができませんでした。楽しみにしてくださっていたすべての皆さんに心からお詫びします」と国際的なファンに謝意を示した。
さらに「私は決して未来を諦めません。私たちの絆は永遠です」と強調。中国のファンから寄せられた応援メッセージを転載し、「100倍の気持ちで」年末年始の『CDL』公演に臨む決意を表明した。また、ファン同士が互いを責め合わないよう呼びかけ、「引き続き応援し、再び会える日を信じてほしい」とつづった。
上海公演中止の背景に政治情勢か
最近、高市早苗首相による国会での「台湾有事」に関する答弁を受け、中国における日本人アーティストの公演に影響が及んでいるとの指摘が相次いでいる。浜崎の上海公演中止についても、その政治的背景が注目されている。
浜崎は本来、11月末に上海公演を予定していたが、公演前日に「不可抗力」を理由として突然中止が発表された。当時は日中関係が緊迫しており、演出中止は政治情勢の影響を受けた可能性があるとの見方が強まっている。
高市首相、日本文化の海外展開を後押し 目標は海外売上20兆円
こうした中、日本の高市早苗首相は4日、SNSで日本の音楽、漫画、アニメ、ゲームなどのコンテンツ産業の海外展開を強化する方針を改めて表明した。
高市氏は投稿で、アジア、欧州、北米などで日本人アーティストのツアーや文化交流を後押しするため、政府として支援を拡充すると明言。日本のコンテンツ産業の海外市場規模はすでに半導体産業に迫る水準になっており、政府の重要戦略産業の一つであると位置付けた。
政府は、今回成立した550億円超の補正予算を活用し、海外売上高20兆円という目標を掲げ、官民連携による中長期的な支援体制を構築する方針だ。高市首相は「アーティストやクリエイターの皆さんと共に、日本文化が世界に共鳴する未来を切り開いていきたい」と強調した。
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編集:梅木奈実














































