ロンドンを拠点とするコンシューマー・テクノロジーブランドのNothingは、AIネイティブなオペレーティングシステム(OS)の開発を加速するため、シリーズCラウンドと同じ企業評価額13億ドル(約1,950億円)で、総額500万ドル(約7.5億円)の新たなコミュニティ投資ラウンドを開始すると発表した。今回の取り組みは、同社の長期戦略の一環として実施される。
創業以来Nothingは、AI時代の到来を見据え、コンシューマーテクノロジーの「ラストワンマイル」となるスマートフォン事業をグローバル規模で構築する方針を掲げてきた。その結果、創業4年で数百万台のデバイス出荷を達成し、2024年には前年比150%成長、2025年初頭には累計売上10億ドル(約1,500億円)を突破した。過去10年で世界規模へ成長した独立系スマートフォンブランドはNothingのみだとしている。
Nothingは、近い将来のOSが「10億人に10億通りのOS」へと進化すると予測し、その起点はスマートフォンやオーディオ製品、スマートウォッチなど日常デバイスにあると見ている。将来的にはスマートグラス、ヒューマノイドロボット、EV、さらには未知のデバイスへと浸透していくと想定する。
同社はこれまでに、独創的なデザインと高品質プロダクトをグローバルに供給するエンドツーエンドの基盤を確立してきた。今後はユーザー理解を深め、一人ひとりへ高度にパーソナライズされたOSの開発に注力する方針で、来年には初のAIネイティブデバイスも発表予定としている。
NothingはこれまでにTiger Global、GV、EQT、Highland Europe、Qualcomm Venturesなどから4億5,000万ドル(約675億円)超を調達。2025年9月には企業評価額13億ドルで2億ドル(約300億円)のシリーズCラウンドを完了した。また、過去2回のコミュニティ投資ラウンドには8,000人以上が参加し、累計800万ドル(約12億円)を投資。コミュニティメンバー代表は取締役会にも参加している。
今回のコミュニティ投資ラウンドは、WefunderおよびCrowdcubeを通じ12月11日に一般公開され、先行アクセス登録者は10日から参加できる。株価はシリーズCラウンドと同じ条件が適用される。
創業者兼CEOのCarl Pei(カール・ペイ)は次のように述べた。「私たちはテクノロジーをもっと楽しくし、人間の創造性を刺激するためNothingを立ち上げ、明確な意図を持ってビジネスを構築してきました。コンシューマーテクノロジーの“ラストワンマイル”を押さえることで、大きな転換期に有利なポジションを築けると分かっていたからです。AIの進化によって今後数年でデバイスとソフトウェアは根本から変わるでしょう。Nothingはその未来に向けてベストなポジションにいます。今回のコミュニティ投資ラウンドは、Nothingの次の章に参加してもらうための招待状です。」
同社は投資について「スタートアップへの投資には元本喪失のリスクがある」と注意喚起しており、詳細や条件はCrowdcubeおよびWefunderに記載のリスク開示を確認するよう呼びかけている。
Nothingは「テクノロジーをもっと楽しくし、人間の創造性を刺激する」ことを掲げるロンドン発ブランド。2022年に初のスマートフォンを発売後、スマートフォンとコンシューマーオーディオ領域で世界的に最も速いペースで成長するブランドの一つへと拡大している。透明なデザインを象徴とし、見た目、音、使い心地を通じテクノロジーを再びパーソナルで楽しい存在にすることを目指す。これまでに約8,000人のコミュニティ投資家が累計800万ドルを投資し、新しいパーソナルテクノロジー時代の創出に参加している。
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