トランプ大統領、巨額投資の成果を強調も2026年中間選挙には不安示す「予測できない」

2025-12-16 17:32
トランプ米大統領。(AP通信)
トランプ米大統領。(AP通信)

ドナルド・トランプ米大統領は13日、ホワイトハウスの大統領執務室で米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』の取材に応じた。自身が主導して米国に数十億ドル規模の投資を呼び込んだ成果を強調し、これらの資金が米国経済の転換を後押しするものだと自賛する一方で、そうした実績が2026年の中間選挙で共和党に政治的利益をもたらすかどうかについては「予測できない」と率直に語り、来年の選挙戦が厳しいものになる可能性を認めた。

2026年の中間選挙は、現職大統領の政権運営に対する評価が下される「中間テスト」の役割を果たす。その局面を前に、トランプ氏は珍しく自信のなさをのぞかせた。

共和党が来年11月の選挙で下院の過半数を失う可能性について問われると、トランプ氏は「それは分からない。これらの資金がいつ実際に動き出すのか分からないからだ」と述べた。さらに、「(巨額の投資が)有権者の実感とどう結びつくのか私にも分からないし、これらの資金がいつ効果を発揮するのかも分からない」と語り、実績と民意の間に隔たりがあることを示唆した。

トランプ政権下で米国経済は全体として成長を続けているが、その恩恵が広く国民に平等に行き渡っているとは言い難い。雇用の伸びは鈍く、失業率は上昇傾向にあり、日用品や生活関連サービスの価格は上がり続けている。多くの米国人が、政府が示す好調な経済指標と自身の生活実感との間にギャップを感じ始めている。

経済状況はトランプ氏が2024年の大統領選挙に勝利した大きな要因だったが、ホワイトハウス復帰後、経済政策に対する有権者の不満は徐々に強まっている。トランプ氏は「物価は下がる」と主張する一方で、「すでに物価は下がった」とも述べるなど、発言には揺れが見られる。

現在のインフレについては民主党とバイデン前政権に責任があるとし、「あと数カ月すれば物価状況はかなり良くなるはずだ」「私は歴史上、最も偉大な経済をつくり上げたが、人々がそれを理解するには時間がかかるかもしれない」と語った。

WSJ紙によると、トランプ氏が再び大統領に就任してから間もなく1年が経過するものの、支持率は低迷したままだという。特にインフレや物価高への対応に対する不満が、世論調査の数字を押し下げている。

先月行われた地方選挙で共和党が大敗したことも、民意の風向きを示す兆候と受け止められており、党内の戦略家たちは、来年の中間選挙でさらなる逆風に直面する可能性を警戒している。民主党側も、トランプ政権の経済政策を来年の選挙戦における核心的争点に据える構えだ。

民主党下院選挙委員会の委員長を務めるスーザン・デルベネ下院議員は、「トランプ氏は就任初日に生活費を引き下げると約束したが、明らかにその約束を破った。全米の家庭で生活コストが上昇しているからだ」と批判した。 (関連記事: ウクライナはこの4年間、何のために戦ったか ゼレンスキー氏、和平と引き換えにトランプ氏側特使に「NATO加盟に固執なし」と表明 関連記事をもっと読む

WSJ紙はまた、歴史的に見ても現職大統領の政党が中間選挙で苦戦する傾向が強く、第二次世界大戦後に下院議席を減らさずに済んだのは、1998年のビル・クリントン政権と2002年のジョージ・W・ブッシュ政権の2例に過ぎないと指摘している。

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