石垣島~台湾・基隆を結ぶ国際フェリー、年内就航へ 夜行便で約8時間、最安運賃は片道約1万4000円から

2025-12-18 16:29
日本・石垣島と台湾・基隆を結ぶフェリーが年内に就航予定。(画像/商船やいまサイトより)

台湾北部の基隆港と沖縄県・石垣島を結ぶ国際フェリー航路が、年内にも就航する見通しとなった。台湾の交通部航港局によると、運航会社から提出された資料では、最も安い大部屋利用で片道2800台湾ドル(約1万4000円)からとされており、閑散期や就航初期には割引運賃が設定される可能性もあるという。正式な初便の日程は未公表だが、運航開始は12月末が想定されている。

快閃旅行城市推薦:日本沖繩石垣島。(圖/取自輕旅行)
沖縄・石垣島。(写真/軽旅行より)

この航路は、日本側の運航事業者「Yaima Line(やいまライン)」と、台湾側運航会社である華岡集団(ワゴングループ)が共同で進めるプロジェクトで、投入される船舶は客貨フェリー「YAIMAMARU(やいま丸)」。かつて大阪―釜山航路で運航されていた大型フェリー「PanStar Dream」を改装した船で、総トン数は約2万1535トン、旅客定員は約545人。乗用車約70台、40フィートコンテナ約90基の積載が可能で、旅客輸送に加え、物流面での活用も見込まれている。

日本・石垣島と台湾・基隆を結ぶフェリーが年内に就航予定。航海時間約7時間。(画像/商船やいまサイトより)
日本・石垣島と台湾・基隆を結ぶフェリーが年内に就航予定。航海時間約8時間。(画像/商船やいまサイトより)

運航は夜間出発・翌朝到着の夜行便を基本とし、所要時間は約7~8時間。週3往復の運航が計画されており、基隆発、石垣発ともに夜間に出港する。運賃は客室タイプ別に8段階が設定され、最安の大部屋が2800台湾ドル(約1万4000円)、最高額のロイヤルスイートは1万500台湾ドル(約7万5千円)となっている。これらは基本運賃で、閑散期(11月~翌年2月)や就航初期には1000~2000台湾ドル(約5000~1万円)程度の割引が行われる可能性があり、大部屋では2000台湾ドル(約1万円)前後まで下がる見込みも示されている。最終的な販売価格や条件は、審査完了後に事業者が正式に発表する。

船内は元豪華フェリーの設備を生かし、レストラン、大浴場、ラウンジ、娯楽スペースなどを備えるほか、客室も大部屋、女性専用区画、半個室、独立客室、スイートルームまで多様なタイプが用意される予定だ。夜行航路であることから、宿泊を兼ねた移動手段としての利用も想定されており、航空機とは異なる渡航手段として注目されている。

この国際フェリー構想は、観光振興や人的交流の拡大に加え、離島物流の安定化や地域経済の活性化を目的とするものだ。石垣島側では「日本最南端の国際旅客フェリー航路」としての象徴性を打ち出し、台湾からの観光客誘致や、南西諸島における海上交通の拠点化への期待が高まっている。

一方で、これまで船体改装や安全確認、船籍変更(パナマ船籍)、関係当局との調整に時間を要し、当初予定されていた9月就航は延期された経緯がある。加えて、冬季の季節風による欠航リスクや、採算性・継続性の確保といった課題も指摘されており、利用者にとっては今後発表される正式な時刻表、運賃、予約方法、手荷物規定などの詳細が重要な判断材料となる。

航港局によれば、船舶代理店は11月下旬に必要書類を提出し、12月初旬までに国際定期航路としての登録手続きは完了している。今後は就航日や販売開始時期の正式発表が待たれる段階で、関係当局も引き続き動向を注視し、必要な支援を行うとしている。

石垣―基隆航路が実現すれば、航空路線とは異なる新たな日台間の移動手段が誕生することになる。観光、物流、国際交流の面でどこまで定着し、継続的な航路として成長できるかが、今後の大きな焦点となりそうだ。

編集:梅木奈実

最新ニュース
若者失業率は全体の3倍水準に 「ネズミ人間」拡大、海外メディアが見る中国経済の「ひび割れ」
TSMC海外投資に見る「台湾モデル」の限界 なぜ日本と米国で差が出たのか
舞台裏》台湾・国民党のネット戦、朱立倫氏が主導権 鄭麗文氏チームは苦戦
伊藤詩織監督『BLACK BOX DIARIES』日本公開へ FCCJで会見、「自分自身を検閲していた」配給の壁と真実への覚悟を語る
米軍、再び石油のために開戦か?トランプ氏が「史上最大の艦隊」によるベネズエラ完全封鎖を命令、「盗まれた資産を全て返すまで」
TOKYO TORCH、12月20日にクリスマスマーケット開催 タワー建設本格化により現広場イベントは最終回
長崎原爆資料館、「南京大虐殺」表記変更案に市民団体が抗議 「加害の歴史隠し」と批判
G7外相、共同声明で香港の黎智英氏有罪判決を非難 即時釈放を要求
黎智英氏、香港国安法違反で有罪 米国務長官「拷問のような扱い」批判し即時釈放求める
AI利用者の82%が「不誠実な体験」 NECが消費者意識調査を公表
米国、台湾に総額約1.73兆円の武器売却を通知 台湾外交部長・林佳龍氏「抑止力強化の意思示す」
高市首相の慎重答弁でも不満示す中国 台湾外交部「自己欺瞞だ」と史実を挙げ批判
改革開放はなぜ強権体制へ転じたのか ミンシン・ペイ教授、中国15次五カ年計画と台湾戦略を読み解く
「第76回NHK紅白歌合戦」ゲスト審査員発表 小田凱人、髙石あかり、野沢雅子ら7人参加
志田千陽監修、TENTIALとコラボしたリカバリーウェア、12月17日発売
破産寸前からAIの頂点へ エヌビディアCEOジェンスン・フアン氏が『フィナンシャル・タイムズ』2025年「今年の人」に選出
小紅書(RED)より闇が深い?『ロイター』が暴くMetaの「暗黒ビジネス」――中国絡みの巨額収益の陰で詐欺広告を黙認か
「もう中国を打ち負かす幻想は捨てよう!」ホワイトハウスに冷や水、『ブルームバーグ』がトランプ氏の北京勝利の難しさを分析
日銀利上げ観測でアジア株が軒並み安 専門家「円高とキャリートレード巻き戻しに警戒」
外国人の不動産取得、国籍把握を義務化へ 政府、来年度から登記制度見直し
中国空母「福建」、就役後初めて台湾海峡を通過 台湾国防部が全行程を監視
B.LEAGUE HOPE ASIA HOOP FESTIVAL、台北・南港で開催 無料体験イベントも
中国有力学者「米国家安全戦略は両岸統一に反対」 対立含みで台湾海峡情勢はより危険に
存立危機事態「米国以外は限定的」 高市首相、台湾は「個別判断」と説明
ドイツはなぜ中国と距離を置き始めたのか WSJ「20年続いた貿易蜜月が終焉」
日中が衝突すれば米露台湾も巻き込まれるのか 軍事専門家・揭仲氏「偶発事故だけで北京は頭が痛い」
熊本と台湾を結ぶ新路線が誕生 タイガーエア台湾、阿蘇くまもと空港で熊本―高雄・台南線就航、12月23日に記念式典
トランプ関税は違法か 最高裁判断次第で1000億ドル返還の可能性も
舞台裏》財劃法を巡り卓栄泰行政院長が板挟みに 強硬対応の一方で党内調整進まず、民進党内部から「憲政のルール逸脱」批判相次ぐ
エキュート立川、体験型イベント『キューっと部!』を初開催 初回テーマは「多摩を味わうペアリング」
技能実習制度を廃止、新たに「育成就労」創設へ 人材確保と永住・家族帯同も視野に、外国人受け入れ政策を転換
映画『ズートピア2』がHappyくじに登場 12月19日から全国で順次発売
政府、永住者と「技人国ビザ」の在留管理厳格化を検討 外国人政策を見直しへ
「パラチノース」40周年、神野大地・三津家貴也監修の補給食セットをリニューアル発売
エキュートでいちごフェア開催 品川で初の「いちごと、苺。と、ちょこっとチョコ。」、日暮里・立川は恒例「いちごWeek」展開
高市総裁の新ポスターを発表 キャッチコピーは「日本列島を、強く豊かに。」初回32万枚を印刷
小泉防衛相、空自パイロットの「冷静・厳格」と記された手袋を公開 中国機レーダー照射問題で「本質から目を逸らさない」
TechGALA Japan 2026、主要登壇者発表 ノーベル賞受賞者ら世界的スピーカーが名古屋集結
円安は転換点を迎えたのか 謝金河氏が警鐘、150円突破で株式市場に即効性の影響
日本の防衛予算、過去最大の9兆円規模へ 「長射程ミサイル」に重点投資、敵基地反撃能力を強化
舞台裏》台湾が「正しい表記」を求めたはずが外交部の一言が韓国世論の地雷を踏んだ理由
【新新聞】「デジタルドル」が主権通貨を全て破壊する中、台湾ドルも危機に瀕するのか
人物》台湾・民進党の実力派、頼瑞隆氏とは何者か 頼清徳総統の信任厚い幹部が「つまずき」を重ねる背景
舞台裏》異例の沈黙、その裏に何があったのか――台湾・国民党の鄭麗文氏が「中央常務委員会」で語らなかった理由
李忠謙コラム:「AIは電力という現実なしに成立しない」非原発後の台湾、計算資源革命の隠れたコストが浮上
トランプ大統領、巨額投資の成果を強調も2026年中間選挙には不安示す「予測できない」
星野源、「第76回NHK紅白歌合戦」で特別企画に出演 京都・ニンテンドーミュージアムから『創造』を披露
おかゆ料理専門店「おかゆテラス 阿佐ヶ谷本店」12月20日オープン ディナーは21日開始
米軍の台湾支援、最大の難題は何か MIT研究者が問う「中国本土を攻撃するのか否か」
東京ガス、「データセンター需要」に商機 米国に3,500億円集中投資