文化総会、玉山銀行、玉山文教基金会が主催する「2025台湾遠征 友情を響かせ、青春を舞わせる」は18日夜、台北・西門町でフラッシュモブ演出を実施し、京都橘高校吹奏楽部「オレンジの悪魔」、東京農業大学第二高等学校吹奏楽部「エメラルドナイツ」、台湾の荘敬高級職業学校楽儀旗隊が、三校規模として初めて合流してストリートでの合同パフォーマンスを披露した。徒歩区には沿線だけで3万人を超える観客が集まり、通りは身動きが取れないほどの混雑となった。

今回の西門フラッシュ演奏は2つの動線で構成された。第1部は「ストリートパレード」として展開され、三校合わせて320人余りの学生が台北in89豪華影城から徒歩区へ進入。荘敬高職楽儀旗隊が先頭を務め、続いて農大二高、最後に橘高校が続き、武昌街から西門徒歩区を通過して漢中街へ入り、象徴的な多元文化スポットである「6号彩虹」に到達した。青春の隊列、行進のリズム、そして編成の厚みが重なり、日台学生による初の大規模共同フラッシュラボレーションが形になった。

第2部は中山堂広場へ移動し、「定点演奏」として実施された。エメラルドナイツとオレンジの悪魔がリレー形式で演奏し、観客が立ち止まってじっくり鑑賞できる場を作った。全体の行進距離は約800メートルで、西門町のネオンや街の音景と隊列のリズムが重なり合い、多くの人が足を止めた。沿道には密集した観客の壁ができ、進行中はスタッフが誘導して混雑を緩和する場面もあった。
この日のセットリストも大きな見どころとなった。荘敬高職楽儀旗隊はテイラー・スウィフトの「ME!」をはじめ、伍佰の「你是我的花朵」が鳴り響くと、西門町が一瞬で大型ライブ会場のような熱狂に包まれた。エメラルドナイツは若年層のアニメファンを強く意識した構成で、「【推しの子】」主題歌「Idol」に合わせて観客がリズムに乗り、続いて「進撃の巨人」の「紅蓮の弓矢」、「鬼滅の刃」の「紅蓮華」といった楽曲で重厚な音のうねりを響かせ、行進管楽の迫力を示した。
続いて登場したオレンジの悪魔は、街頭を主戦場とするかのように、演奏しながら踊るパフォーマンスで会場を掌握した。「Poker Face」、「TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS」、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のテーマ曲など、定番曲を次々と披露。中山堂広場の定点演奏では看板曲「SWING SWING SWING」を演奏し、銅管の爆発力と生き生きとした身体表現で、日台の音楽が街頭でぶつかり合う瞬間を作り出した。
会場では人波の熱量に合わせ、限定グッズの販売ブースや、スターラックス航空が特別提供した応援用ハンドバナーの無料配布にも長い列ができた。隊列が通過するたびに観客がグッズやバナーを掲げて声援を送り、両側が“レッドカーペットさながらの雰囲気”のような光景となった。学生たちも行進の合間にカメラへ手を振り、笑顔を見せるなど親しみやすい姿で応えた。
このフラッシュは「前哨戦」で、三校は19日に台北和平バスケットボール館へ移動し、オレンジの悪魔とエメラルドナイツが両校史上初となる「夢の共演」を披露する予定だ。チケットはすでに全席完売となっている。文化総会は、会場に来られない台湾の視聴者や海外ファンに向け、Hami Videoと連携してライブ配信を実施するとし、オンライン視聴チケットは開演30分前まで販売するとしている。その後、オレンジの悪魔は高雄・屏東へ、エメラルドナイツは嘉義へ移動し、台湾遠征を継続する。
文化総会の李厚慶秘書長は、音楽を通じて「友情を吹き鳴らす」ことを目指し、日台が交差する青春の奇跡を体感してほしいと説明。
今回の三校協演により、日台学生の音楽交流がより具体化し、行進管楽が台湾の街頭で光を放つ機会になったとした。学生たちからも、日本でも珍しい規模のストリート演奏を台湾で実現できたことを喜ぶ声が相次ぎ、忘れがたい夜になったとしている。
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編集:小田菜々香


















































