トップ ニュース 舞台裏》台湾・新竹市長の高虹安氏、汚職無罪を聞いた瞬間に漏れた二言 「高飛車」批判の渦中で抱えた1年の恐怖
舞台裏》台湾・新竹市長の高虹安氏、汚職無罪を聞いた瞬間に漏れた二言 「高飛車」批判の渦中で抱えた1年の恐怖 新竹市長の高虹安氏は汚職事件をめぐり停職処分となっていたが、二審で汚職部分は無罪とされた。高虹安氏は12月18日、新竹市政府に復職する。(写真/顏麟宇撮影)
1年5か月に及ぶ司法手続きを経て、2025年12月16日、汚職事件で停職中だった台湾・高虹安新竹市長 は、汚職部分について二審で無罪判決を受けた。残る偽造文書罪については懲役6か月、罰金への代替が認められている。判決から2日後、高氏は新竹市政府に復職。支持者や里長、市政府幹部に迎えられ、市庁舎ロビーに姿を現した。 会場では高氏が好んで歌う楽曲「心花開」が流れ、司会者は「鴻(虹)図大展(大きく羽ばたくの意)」とスローガンを叫んだ。
復職セレモニーで高虹安氏は、この1年を「人生で強制的に一時停止を押されたような、あまりに長い時間だった」と振り返った。まるで一つの世代が過ぎ去ったかのようだったと述べ、「今は以前にも増して『責任』という言葉の重さを理解している」と語った。その後の取材では、台湾民衆党の創設者である柯文哲氏に向け、「何より心身の健康が大切だ」とエールを送った。かつて涙ながらに柯氏へ「新竹市長にはなりたくない」と訴えていた高氏は、この1年で何が変わったのか。
高虹安氏(中央)が市長職に復帰し、支持者に囲まれながら登庁した。民衆党創設者の柯文哲氏にも激励の言葉を送った。(写真/顏麟宇撮影)
涙の直訴から市長就任へ 激動の政治キャリア 関係者によると、柯文哲氏にとって高虹安氏は、黄国昌氏、黄珊珊氏(いずれも台湾民衆党の中核人物)と並ぶ「看板級」の存在だった。柯氏が高氏に新竹市長選への出馬を打診した際、高氏は涙を浮かべ「行きたくない」と拒んだという。これに対し柯氏は「自分の地盤だから心配するな」と説得したとされる。 しかし選挙戦では、与党・民進党から激しい攻撃を受け、ネット上では「鼻の穴が大きい」などと揶揄される画像も拡散。高氏は4か月で体重が8キロ減少した。柯氏は後に、私的な場で「彼女には申し訳なかった」と漏らしていたという。
2024年3月、高虹安氏は『風傳媒』のインタビューで、市長選出馬を後悔しているかと問われ、「2022年当時の状況では、正直どうしようもなかった」と語っている。もともとは立法委員として新竹を責任区に持ち、地域サービスに専念していたが、「柯文哲氏に指名され、気づいたら市長選に出ていた」と率直に明かした。2026年の再選についても当時は、「新竹に来た時点で、市長になるつもりはなかった。ただ、目の前の仕事をきちんとやりたかっただけ」と述べている。
2024年7月、高虹安氏は秘書費(助理費)を巡る汚職事件で一審有罪判決を受け、法律に基づき市長職を停職。同時に台湾民衆党からの離党を表明した。その後、市民によるリコール運動も起こり、政治生命は一気に暗転する。しかし2025年7月、リコール投票では「不同意」が約12万票に達し、当選時の得票数(約9万票)を上回った。高氏は職を守り、同年12月16日には二審で汚職無罪が確定。18日から正式に新竹市長へ復帰した。
柯文哲氏(左)が高虹安氏(右)に新竹市長選への出馬を要請した際、高虹安氏は涙ながらに「行きたくない」と訴えたという。(写真/顏麟宇撮影)
エリートの影 「傲慢」との批判も 復職当日の朝、市内の里長60人以上(全体の約3分の1)と、民衆党支持者「小草」(若年層中心の支持者の呼称)が市政府前に集まった。新竹内天后宮の董事長で、台湾眼鏡業界の重鎮でもある林振森氏も訪れ、高氏や局長らとあいさつを交わした。 正午には大型商業施設「巨城(ビッグシティ)」で消防関連行事に出席。国民党所属の市議6人も姿を見せ、遠東グループ創業者・徐旭東氏の側近である巨城総経理の羅仕清氏も祝意を示した。市長室前には立法院長の韓国瑜氏から「善人一生平安」と書かれた花籠が届き、将来の市長候補とも目されていた国民党立法委員・鄭正鈐氏からは「満血回帰、引き続き奮闘を」との言葉が添えられた。
高虹安氏は、鴻海(フォックスコン)創業者・郭台銘氏に重用されたビッグデータ分野の専門家で、米国で博士号を取得した「ITエリート」として知られる。政界入り後も華々しい経歴を歩んできたが、人間関係の評価は必ずしも一様ではなかった。党内の基層スタッフからは私的に「態度が高圧的」との声が漏れ、助理費事件の重要証人である元市長室行政主任・黄恵玟氏は法廷で不利な証言を重ね、「人として失敗している」と厳しく批判した。
また高虹安氏は、民進党支持者を揶揄する言葉「塔緑斑」(ネットスラング)を使ったほか、郭台銘氏と総統選を争った前高雄市長・韓国瑜氏について、低支持率を認めない姿勢を皮肉り「政治の天才だ」と発言。さらに政論番組では、「これからは『韓国瑜当選=李佳芬(夫人)が実権を握る』と言うべきだ」と述べ、物議を醸した。李佳芬氏が韓国瑜氏を「被害者」として演出し、支持者に同情を喚起している、との見方を示した形だ。
高虹安氏は鴻海(フォックスコン)創業者の郭台銘氏(左)をめぐり、当時、総統予備選で競合していた韓国瑜氏(右)と対立したこともあった。(写真/蔡明志撮影)
一審有罪で「汚職犯」扱い 自尊心の強さが生んだ深い苦悩 興味深いのは、高虹安氏と同じく「頭脳派」と評されてきた柯文哲氏との対比だ。柯氏は拘束から1年後、報道陣の前で「1年収監されたのも悪くなかった。自分の傲りを抑え、多くを反省した」と語っている。一方、高虹安氏も停職期間を経て復職した際、「数々のどん底や人生の逆境を経験し、今はこれまで以上に責任の重さを理解している」と述べた。2人の言葉には、どこか通じ合う部分がある。
高虹安氏に近い関係者によると、初めて挑んだ地方選挙で新竹市長に当選した高氏は、まさに「人生の勝ち組」と見られていた。しかし一審で汚職有罪判決を受けた瞬間、その立場は一変する。テック業界の新星、新世代の市長というイメージは、一夜にして「汚職犯」へと塗り替えられた。その後しばらく、高虹安氏は一般市民と向き合うたび、「自分は汚職犯として見られているのではないか」という強い意識にとらわれ続けていたという。
関係者は、「こうした不安に加え、民進党による連日の激しい攻撃は、自尊心の非常に強い高氏にとって、想像以上に過酷だった」と打ち明ける。だからこそ復職時の取材で、高虹安氏が「汚職というレッテルが外れたことは、自分にとって極めて大きい」と語った意味は重い。実際、汚職部分の無罪を知った直後、高氏は周囲に向かって思わず「やっとだ」と声を上げたという。
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一審判決後、高虹安氏(中央)は「自分が汚職犯として見られている」との意識に苦しんだという。写真は公判のため裁判所に出廷した場面。(写真/陳昱凱 撮影)
挫折が削いだ「天選の人」の傲り 里長も驚いた変化 台湾民衆党の地方関係者は、「以前の高虹安氏は、意図せずとも距離を感じさせる存在だった」と振り返る。長年の学歴や職歴、研究者としての環境が、知らず知らずのうちに「高飛車」「近寄りがたい」と映る態度につながっていたという。「天選の人」とも言われる自負が、基層の市民や身近なスタッフとの間に壁をつくっていた面は否めない。 しかし停職後、高虹安氏は「人生で最も低い谷に落ちた」と自覚し、政治人生を「一度リセットする」と決意した。1年以上にわたり、市民や里民(町内会レベルの住民組織)の行事に足を運び直し、基層からの再出発を選んだ。
関係者によると、高氏はイベントでは周囲の議員や秘書よりも深く頭を下げ、差し出された手は必ず握る。親しげに両手を広げる年配女性に対しても、ためらうことなく抱き合う姿が見られるようになったという。こうした変化について、多くの里長が私的に「市長は本当に身のこなしが柔らかくなった。正直、驚いている」と語っている。復職初日から高い露出と、与野党を超えた里長・議員の支持が集まった背景には、こうした姿勢の変化もあるとみられる。国民党側も表向きは「礼を尽くす」姿勢を示し、高虹安氏の再選に一定の期待を寄せている。
挫折を経た高虹安氏(左から2人目)は、市民の前で腰を低くし、差し出された手を握る場面が増えた。地域の現場では変化を感じる声も出ている。(写真/高虹安氏Facebook)
民衆党の「第三の太陽」か 本人は「星」に徹する構え 新竹市を掌握する高虹安氏は、黄国昌氏、柯文哲氏に続く「民衆党の第三の太陽」になり得るのか。これについて関係者は、「本人の自己認識は極めて明確だ」と話す。高氏は現在、自らの役割を「新竹市政の責任者」と位置付け、市政運営を最優先に据えているという。 柯文哲氏や黄国昌氏との意思疎通は円滑だが、選挙戦略に関しても「自分自身と新竹市議会の布陣が中心」。高虹安氏は2026年7月まで党籍を回復できないため、現時点で党務に関与する考えはない。関係者は、「今の高氏は党を照らす『太陽』ではなく、自分の場所で光る『星』だ」と表現する。
一方、停職期間中に代理市長を務めた邱臣遠氏の今後について、 インサイダー は「高虹安氏との信頼関係は非常に強い」と語る。邱氏は副市長として市政を支えつつ、民衆党の新竹党部主委(地方組織責任者)を務める立場にある。 2026年選挙では、新竹市・新竹県における市議・里長選挙の全体調整を担う見通しだ。党内規定により、党部主委は公職選挙に出馬できないため、邱氏の役割は「候補者」ではなく、あくまで選挙全体を動かす「トレーダー」となる。
民衆党関係者によると、高虹安氏は党主席の黄国昌氏(中央)の党務には踏み込まず、代理市長を務めた邱臣遠氏(右)とも良好な関係を保っているという。(写真/民衆党提供)
裁判は終わっていない 政治の行方は流動的 民衆党にとっては久々に明るい兆しが見えた形だが、国民党の一部市議は慎重だ。私的には、「高虹安氏の復職は勢いがあるが、その分、国民党の議席には不利に働く可能性がある」と打ち明ける。 民衆党は若年層の支持が厚く、新竹市は若者人口の比率が高い。いわゆる「藍白協力」(国民党と民衆党の連携)が進む中で、民衆党が市議候補を増やせば、国民党側の落選者が出る可能性も否定できない。
さらに懸念されているのが司法リスクだ。高虹安氏は二審で汚職無罪となったものの、三審や他の関連案件が完全に消えたわけではない。仮に再び停職や立候補不可となれば、国民党側に代替候補がいない状況で、民進党が市長の座を奪還する可能性も浮上する。高虹安氏の復帰は、まだ「最終章」ではない。新竹市を巡る政治ドラマは、なお続く見通しだ。
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