中国の対台湾認知戦、偽情報231万件超 台湾当局が5大手法を暴露「AIで市民の声を収集・偽造も」

2026-01-15 18:01
中国の認知戦における5つの手法を明らかにした国家安全局。写真は蔡明彦・国家安全局長。(写真/顔麟宇撮影)
中国の認知戦における5つの手法を明らかにした国家安全局。写真は蔡明彦・国家安全局長。(写真/顔麟宇撮影)

台湾の国家安全局(国安局)はこのほど、「2025年 中国による対台湾認知戦の手法分析」と題する報告書をまとめた。報告によると、当局は2025年の1年間で4万5000件以上の異常アカウントを特定し、231万件を超える偽情報(ディスインフォメーション)を収集した。

特に懸念されているのが、AI技術の悪用だ。中国側は「科大訊飛(iFlytek)」などの企業に委託し、台湾のウェブサイト上で広告を通じて市民の音声を収集。台湾人特有のアクセントや口調を模倣した「なりすまし音声」を生成し、偽情報の信憑性を高めている実態が明らかになった。

戦略目標:台湾内部の対立激化と孤立化

国安局によると、2025年だけで政府関連部門へ通報した偽情報は約3200件に上る。中国は台湾国内の重要な時事問題に合わせて意図的に情報を操作しており、その戦略目標は以下の4点に集約される。

  1. 台湾内部の対立激化
  2. 台湾市民の抗戦意志の弱体化
  3. 同盟国による台湾支援意欲の減退
  4. 中国共産党の立場への支持獲得

報告書では、中国の党・政・軍システムが、テクノロジー企業やPR会社、ネット世論工作集団(五毛党など)を動員して実行している「5つの主要な工作手法」を詳細に分析している。

手法1:ビッグデータ分析による標的の特定

​中国のサイバー空間管理局(網信弁)、国家安全省、人民解放軍政治工作部は、「中科天機」や「美亜柏科(Meiya Pico)」、「沃民高新」といったテクノロジー企業と連携。「クローリング(Web Crawling)技術」を駆使して、台湾の政治家、議員、オピニオンリーダーの個人情報や人脈、対中スタンスを収集している。これらを選挙期間中の世論データやネット上の反応と統合し、特定の人物に対する宣伝工作や攻撃を「精密化」している。

手法2:国際メディアを装った多角的な拡散

中国共産党中央宣伝部や公安省は、「海訊社」や「海売」、「虎牙」などのPR会社を通じ、「Asia Korea」や「Austria Weekly」といった国際メディアを装った偽サイトを開設し、中国当局の論調を拡散させている。また、「無辺界集団」などのPR会社を育成し、Facebook上でコンテンツファームを運営して扇動的な記事を投稿。さらにThreadsやX(旧Twitter)では、一見して政治色のない「軟派な話題」を扱うアカウントを構築し、隙を見て政治的な投稿を紛れ込ませることで、台湾の一般市民の認知操作を図っている。

手法3:異常アカウントによる世論への浸透

公安省はインターネット工作集団「ドラゴンブリッジ(Dragonbridge)」を活用し、20以上の言語で世界180以上のSNSプラットフォームにて影響力工作を展開している。一方、中国共産党ネット監察局や統一戦線工作部、人民解放軍サイバー空間部隊の指導のもと、「中科点撃」「北京星光」などの企業を指導し、ネットユーザーのデータベースを構築。アカウントの自動制御プログラムを開発して1万組以上の偽アカウントを操り、組織的に偽情報を拡散して世論を誘導している。

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