【舞台裏】「誰かが強行すれば撃て!」 あの李登輝訪米時、国旗掲揚をめぐり“発砲命令”が下されていた

2026-02-24 21:08
李登輝元総統は1995年、米国の母校コーネル大学を再訪し演説を行った。当時、ホテルで国旗が掲揚され、大きな波紋を呼んだ。(写真:新新聞資料)
李登輝元総統は1995年、米国の母校コーネル大学を再訪し演説を行った。当時、ホテルで国旗が掲揚され、大きな波紋を呼んだ。(写真:新新聞資料)

米国、台湾、中国の三者間の微妙な政治関係は、現在の国際政治において最も注目される焦点の一つである。1978年の米中国交樹立以降、中国が主張する「一つの中国」原則に基づき、台湾と米国の間では正式な外交往来ができなくなった。そのため、台湾総統はしばしば「通過」という形式で短期間米国に滞在する「過境外交(トランジット外交)」を行っている。2024年12月の台湾総統・頼清徳氏によるハワイおよびグアムへの立ち寄りもその一例であり、頼氏はハワイでナンシー・ペロシ米下院名誉議長と電話会談を行い、その後グアムでマイク・ジョンソン連邦下院議長らとオンライン会談を行った。

台湾総統による最も有名な訪米といえば、故李登輝総統による1995年のコーネル大学訪問にとどめを刺すだろう。李氏は「民之所欲,常在我心(民の欲するところ、常の我が心にあり)」と題した演説を行い、歴史的な一ページを残した。さらに、当時李氏が宿泊したホテルでは一時的に中華民国国旗が掲揚され、これは外交上の大きな突破口と見なされた。しかし、当時の困難な外交状況下でこの国旗を掲げるために、一歩間違えれば銃撃戦になりかねない事態があったことはあまり知られていない。

李登輝打出的「兩國論」是一石多鳥的牌。(新新聞資料照)
故李登輝総統(写真)の1995年コーネル大学訪問は、「民の欲するところ、常に我が心にあり」と題した演説を行い、歴史的な一ページを残した。(新新聞資料照)

1994年のハワイ立ち寄り時の冷遇 「宿泊不可」に抗議し機内から降りず

1994年5月、李登輝氏は中南米の国交樹立国を訪問した帰路にハワイに立ち寄った。これは米台断交後、初めて米国を経由した台湾総統の事例であった。当時、米国務省で東アジア事務を担当していたウィンストン・ロード国務次官補は、「一つの中国」原則を堅持するため、李氏のハワイでの宿泊に反対し、ハワイ空軍基地内の小部屋で大尉クラスの将校1名が接待し、短時間の休息のみを認める手配を行った。

この事実を知った李氏は激怒し、「機内から降りない」という形で抗議の意を示した。李氏は専用機内でパジャマ姿のまま、当時の米国在台協会(AIT)理事長ナテール・ベロッキ氏と面会した。李氏はベロッキ氏を見送る際、「うっかり米国の土地を踏まないよう、機体のドアまでは見送らないほうがいいだろう」と皮肉を述べたという。当時、この出来事は米国内で騒然となり、民主・共和両党の議員からは「米国は民主国家を自称しながら、中国の脅威によって台湾の総統に対し非礼を働いた」との批判が相次いだ。 (関連記事: 【舞台裏】親友・尹乃菁が大暴露!「怖いものなし」の鄭麗文が、ただ一人だけ恐れる相手とは? 関連記事をもっと読む

米両党の下院議員らはこれを受け、台湾の指導者を米国に招待すべきだと継続的に声を上げた。1995年3月5日、李氏の母校であるコーネル大学が「傑出校友賞」授与のために彼を招待すると、その翌日には36名の上院議員が当時のビル・クリントン大統領宛てに連名で書簡を送り、李氏の訪米を認めるよう求めた。さらに、台湾と国交のないヨルダンのフセイン国王もワシントン訪問時に李氏の訪米支持を公言した。こうした硬軟織り交ぜた圧力の結果、クリントン政権は最終的に1995年5月、李氏の「私的訪問」としての訪米に同意したのである。

前總統李登輝(左)、前美國在台協會理事主席白樂崎(右)。(取自國史館官網)
総統在任中に訪米した李登輝氏(左)。元米国在台協会理事長のナテール・ベロッキ氏(右)もその実現に尽力した。(国史館公式サイトより)
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