2月23日、第3回日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)において、小泉進次郎防衛大臣が英語で基調講演を行った。小泉防衛相は、太平洋島嶼国を「ブルーパシフィック大陸」と位置づけ、同地域が直面する3つの重大な危機を指摘し、それらを克服するための「多層的なつながりのネットワーク」の構築を提唱した。
太平洋島嶼国が直面する「3つの危機」
小泉防衛相が挙げた3つの危機とは、気候変動による海面上昇や自然災害などの国土喪失の危機、IUU(違法・無報告・無規制)漁業や密輸などの越境犯罪による海洋秩序への挑戦、そして経済や技術、サイバー空間などが政治的威圧に悪用され偽情報が氾濫する「あらゆるものの武器化」である。
これらの危機は相互に関連しており、一国単独での対応は不可能であると強調した。
「人・危機対応・強靱性」の3本柱で連携を強化
これらの課題を克服するため、小泉防衛相は「人・危機対応・強靱性」の3本柱からなる連携強化策を発表した。
人的交流の面では、現在防衛大学校で学ぶフィジーやトンガの留学生の存在に触れるとともに、本年より次世代の防衛実務者間の信頼関係構築を目的とした「次世代リーダーシップ・セキュリティ・プログラム」を新たに立ち上げることを明らかにした。
危機対応の面では、昨年の海上自衛隊による域内12カ国への訪問や11カ国との共同訓練の実績を挙げ、海洋状況把握(MDA)や法執行能力の強化を引き続き支援するとした。さらに強靱性の面では、サイバーセキュリティの強化、AIの責任ある利用、偽情報への対応において各国と協力する姿勢を示した。
ウクライナ侵略から4年、「力による現状変更」を強く牽制
また、小泉防衛相は2007年の安倍元首相による「二つの海の交わり」演説に触れ、現在その概念が太平洋、インド洋、大西洋の「三つの海」へと拡大していると指摘した。翌日がロシアによるウクライナ侵略開始から4年となることに言及し、力による現状変更の試みは決して許されないという揺るぎない平和への関与を結束して示すことを強く呼びかけた。
ASEAN7カ国も初のオブザーバー参加
なお、今回の小泉防衛相による英語基調講演は、23日に東京都内で開催された第3回日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)の場で行われたものである。
同会合には太平洋島嶼国から14カ国の代表が出席したほか、フィリピンやインドネシアなどASEAN(東南アジア諸国連合)の7カ国も初めてオブザーバーとして参加しており、国境を越えた地域安全保障における協力体制のさらなる拡大が示された。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp
(関連記事:
防衛省、特定秘密・規律違反で計30人を懲戒処分 小泉防衛相「信頼回復の先頭に立つ」
|
関連記事をもっと読む
)
編集:小田菜々香


















































